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第6話 距離は近くなった

レビューを頂きました!

 球技大会以降、俺は綾杉さんと挨拶を交わす仲になった。


「お、おはよう。綾杉さん」


「おはよう。大島君。今日は山口君と一緒じゃないの?」


「あいつ朝練があるから先に来てると思うよ」


「そうなんだ。いつも一緒だよね?」


 一歩前進である。

 それに少なからず会話も出来る。

 朝から女神の声が聞けるなんて俺はなんて幸せなんだ!

 そして一条とは……


「ちょっと、私には挨拶ないの?」


「ああ、おはよう」


「何よその適当な挨拶。私とは挨拶したくないって感じるし!」


 けっ、何を今さら。

 登校初日以降、挨拶しても挨拶を返さなかったくせになんて横柄な!


「ふん。あなたも清隆君を見習いなさいよ。とても彼の親友だとは思えないわ」


 親友じゃないよ。腐れ縁だよ。

 切っても切れぬ仲とも言えるかも知れない。


「よう!おはよう。今日も仲が良いな。お二人さん」


「誰が!」「こんな奴!」


 俺は綾杉さん推しなんだよ!

 顔だけの一条なんて冗談じゃない。

 いや、顔だけじゃないけどね。


 出るとこ出てたし。ウエスト細いし。

 お尻も……って何を言っているんだ!

 奴は敵だ!

 俺が綾杉さんと話しているといつも邪魔するお邪魔虫だ!


「やっぱり仲良いよな。そう思わないかい綾杉さん?」


「そうね。可憐ちゃんと大島君は仲良しだよね」


 ちょっと綾杉さん、それはないでしょう。


「止めてよ優子。大島が勘違いするじゃない。私は大島の事なんて何とも思ってないからね!」


 ふん。こっちもお断りだ!

 と声を大にして言いたいが言えない。

 何故ならそんな事を言うと一条に好意を持っている奴らに攻撃されるからだ。


 一条は球技大会以降学園のアイドルになった。


 元々美少女な上に球技大会での活躍も有って、人気急上昇!

 さらに試合に負けて泣いている姿を見て男子の一条に対する株は青天井!

 一年生どころか二年生からも告白されている。


 そして、ことごとくフッている。


 俺と清隆は面白半分で告白の場面を覗き見た事がある。

 言っておくけど俺達だけじゃないぞ。

 他にも見てる奴は多いんだ。

 男子だけじゃなく女子も見ていたりする。


「す、好きです!付き合って下さい!」


「誰、あなた? 私ろくに話をしたこともない人となんて付き合えないわよ。じゃあね」


 告白した男子が固まってる。

 なんて断り方するんだ。

 あんな断り方されたらしばらくは立ち直れないぞ。


「きっついな~。正和は目で断られたんだっけ?」


「俺は一条に告白なんてしてないよ。する気もないね。お前はどうなんだよ?」


「いや、俺も遠慮するわ。彼女とは一定の距離を保ったほうがいいな。じゃないと火傷しそうだ」


 同感、同感。

 あんなにツンツンした奴は見た事ないよ。

 でも女子には優しいんだよな。

 綾杉さんとは親友って言ってもいい感じだしな。


 とまあ、一条に告白する奴は後を絶たず。

 そして告白した後は振られて数日は学校を休む奴が多かった。

 それなのに彼女の人気は衰える事は無かった。


 皆物好きだよな。


 そして一条と同じくらいに清隆も告白されている。


「す、好きです。私と付き合って下さい!」


 同級の一年生だけでなく二年生、三年生からも告白されている。

 正直に言おう。

 羨ましいぞ、この野郎!


 だが清隆の答えは決まっている。


「ごめん。今はサッカーに集中したいんだ。でも告白してくれてありがとう。とっても嬉しいよ」


 キラっと歯を見せて断る清隆。

 そしてそれを見て女子はフラれたのに喜んでいた。

 なんか納得行かない。


「あ~疲れた。なんで知らない人から告白されるんだ。せめて話した事のある人なら考えても良いけどね」


「それって嘘だろ?」

 

「うん。そうだよ」


 こいつは爽やかイケメンを演じてるだけなんだよ。




「ねえ、聞いてるの大島?」


「え、何だっけ?」


 今は俺と清隆、綾杉さんと一条で勉強している。

 もうすぐ期末テスト。

 前の中間テストではまあまあの成績だった。

 自慢じゃないが学年上位だ。ふははは。

 でも一条には負けたよ。

 彼女は学年四位だ。


 そしてそれが気に入らないから期末テストの為の勉強をしているのだ。


 ちなみに綾杉さんは俺よりちょっと下で清隆は、俺と同じくらいだ。


「だからさっきの授業で先生が言った問題よ!聞いてなかったの?本当に役に立たないんだから!」


 役に立たないって思ってるなら話しかけんなよ!

 ほら、さっきからクラスの男子の目線が気になる。

 俺は被害者だよ!

 良かったら代わってやろうか?


「大島君。これはどうやって解くの?」


 綾杉さんが俺に尋ねた!?

 これは答えねばなるまい。


「あ、これはね。Xを代入して、それから……」


 あ、さっきの話は無しで!

 誰が代わるもんかよ。

 綾杉さんの隣は絶対に代わってやるもんか!


「なんで優子の話は聞いてるのよ。私との態度違いすぎない?」


「正和は一条より綾杉さんの方が良いって言ってたな」


「な、な、なんですって!」


 バカ清隆!


「そ、そうなの?」


 う、上目遣いで俺を見てる綾杉さん。

 前髪に隠された彼女の目が俺を見ている。

 さ、最高です!

 とってもキュートでプリティーですよ!

 一条なんて目じゃないぜ!


「その……」


「って嘘だよ。皆簡単に騙されるなよ」


 おい!


「何よそれ。清隆君ふざけないでよ!」


「ごめん、ごめん」


 一条が俺に突っ掛かり、綾杉さんが俺に話し掛ける。

 そして清隆がチャチャを入れる。


 こうして俺達は毎日じゃれあっている。


 踏み込めそうで踏み込めない。

 ちょっと勇気を出して踏み込めば、幸せを掴めそうな気がする。

 でもそんな度胸は俺にはない。


 この雰囲気を俺は壊したくないのだ。



 俺達四人はクラスでは浮いている。


 俺は清隆の親友で、綾杉さんは一条の親友。

 クラスの皆は清隆と一条が付き合っていて、俺と綾杉さんはそんな二人のカモフラージュにされていると勘ぐっている。

 そんな事はないのにな?

 でも、一条と清隆が付き合うのは有りだと思う。

 二人とも人気者だし、この二人が付き合うなら諦めると言う奴も多いだろう。

 そうなると残るのは俺と綾杉さんだ。


 俺は綾杉さんが好きだ。


 この気持ちに嘘はない。


 いつか告白出来れば良いが、今はまだいい。


 そう思っていたのだが……


「ねえ、今度の週末私の家で勉強会しましょうよ。清隆は今度の週末は部活休みでしょ?」


 いきなり何を言いやがる!


「あ、まあ。テスト休みだったかな」


「だったら決まりね。今度の週末は私の家で勉強会よ!」


 俺と綾杉さんの意見は聞かないんですか?


「優子はもちろん来るわよね?」


「私は構わないけど。大島君は?」


 決まってます!

 綾杉さんが行くのなら俺も行きますよ!


「俺が行くなら正和も一緒さ。俺達親友だからな。な?」


「お、おう」


 清隆ナイス!


「そう。大島も来るのね。良いわよ」


 そ、そっけねえ~。

 でも良いか。

 別に一条に好かれたいとは思わないしな。


 こうして週末は綾塚の家で勉強会となった。


「あ、そうだ。土日連休だから泊まりね」


 ま、マジですか!


お読み頂きありがとうございます。


誤字、脱字、感想等有りましたらよろしくお願いいたします。


応援よろしくお願いします。

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