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さいしょからはじめた  作者: 渡良瀬光一
この世界の全てを断つ勇者
3/7

弱くてニューゲーム

…わけが分からない、

空は青空、しかしいつも見ている空が偽物かと主張せんばかりに高く澄んでいる。

これだけならまだいい…問題は目の前のよく分からない方々若干多数…なんだ、こすぷれ?

僕の街ってなんかの聖地だったっけ?


「おい…っ‼︎」


「は、はひっ」


くぅおッ、息が上手く吸えないッ

平静な思考を装ってるけど身体は正直ってヤツか?

っていうかこすぷれにしちゃ生々しいというか衣装全体が連動してるというか本物地味だというか、


「お前…」


「…ッく」




帰りたいッ




「異世界の勇者だろう…?」


「…はい?」







…という訳だ」


ええと…まことに信じがたい事だが、ここは説明される限りなろう小説の世界と極めて酷似した世界で、このお方達はこの世界で勇者と戦っている群勢…つまり悪役の方々。


確かに言われてみればどれもRPGやら小説で見た

蛇女(ラミア)蜥蜴人間(リザードマン)と言ったわかりやすい外見ばかりに思える。


そんな集団の中に突然僕が現れた…だそうだ。


「では本当に勇者じゃあないんだな?」


「はい、残念ながら勇者(カエラセテクダサイマセンカ)じゃありません」


「…おい、ミア」


「はいは〜い」


ミア?

ああ…ラミアの方ね、うん、なろうっぽいネーミングだと思うね凄く。


「こいつのステータス調べてくれ」


「…ま、お約束よね、任せて?」


「(怖すぎる)」






そして何やら僕の前に手をかざしミアと言われた人物?幾言か唱え始める、読んで字の如く蛇に睨まれた何某のように固まる自分自身に気取られない程度の苦笑いをする、


「…ないわ」


「なんだと?」


「スキルも無し、ステータスも最低値、今時珍しいくらいの一般人よ…むしろ一般人以下」


「(凄く罵倒されてる気がするぞうッ)」


「…チッ、仕方ネェな…おい、人間」


「は、はい…」


「もう消えていいぞ」


「え?」


「早々に(ドコカエイケ)えていいと言ったんだ」


「…」


「どうした?」


「ないんです」


「ああ⁈」


「い、行く場所…」


「むしろ帰る方法があれば教えて頂けないでしょー」


「巫山戯るなッ‼︎」


「ひぃいぃぃッ」


無理だっ、無理無理っ

し、主人公やヒーローの役目なんてとてもじゃないけど僕に果たせそうにないっ、もう一般人でも蛆虫でも割れ煎餅の粉でもいいから帰りたー


「そう目くじら立てなくてもいいんじゃない?」


ミアさんが助け舟を出してくれている…少なくともまだ話は通じそうな雰囲気がある…


「しかし、こんな小物一人何の役にもー」


「立つわよ?」


…え?


「ちょっとこの子貸してくれないかしら?」

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