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さいしょからはじめる
お手に取っていただきありがとうございます。
異世界モノで気になった事を色々入れて書いてみたので、お時間許されるのであればお付き合いいただければ之幸いにございます。
渡良瀬光一
携帯小説が氾濫してる昨今、
どうやら『異世界転生モノ』とやらが流行ってると知ったのが数ヶ月前、
普段小説なんて滅多に読まない僕が携帯で何気無く小説投稿サイトを開いたのが数週間前、
足すら運ぶ事がなかった図書室という本を読むための場所で一切それらを開かずに、ただただ右手に持った携帯の小さな画面を見つめて居たのが数時間前、
今日の御飯は何にしようかといつもの道をいつも通り携帯を見ながら歩いていたのが数分前、
そして…
気絶しそうな程の吐き気と足の震えの中…右手に携帯、左手に缶コーヒーを持って年甲斐もなく万歳してるのが今、
どうやら携帯ばかり見ているうちに景色が随分変わっていたらしい…空気も読まずお腹が『クゥー…』と高らかに主張したのが妙に耳に残る、そんな間の抜けた情景がこの旅の始まりだった。