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転生者は異世界を生きる  作者: 浅望
幼少期
7/11

6話 疑問

 とりあえず(ひま)だったので本を読んでいると、カティアが銀の細工(さいく)がほどこされたトレイにお(かゆ)に似たスープのようなものを乗せて持ってきた。


「アルス様、弱った体に優しい薬草をすり(つぶ)したスープでございます。熱いのでお気を付けください」


 そう言いながらカティアはスープを(すく)って口の前に差し出してきた。


「えっ、いいよ。自分で食べれるから」

 

 そこまでされるほど子供でもない。いや、肉体的(にくたいてき)には子供か。


「いえ、アルス様は病み上がりなんですから」

 

 と、強く言われたので食させてもらう。意外と恥ずかしい。


 しかし、薬草をすり潰したと言うからなかなか苦そうだと思ったが、以外に美味しい。味付けもしっかりしていて、温かいスープが骨身(ほねみ)浸透(しんとう)する。少しだけ疲れが取れたような気がするが、これは薬草のおかげだろうか。


 一通(ひととお)り食べるとカティアに聞きたいことがあったので、それを聞いてみることにした。


「カティア、この国の事とこの国に置いて僕や父さんたちのことを教えてくれる?」


 こんな豪華(ごうか)屋敷(やしき)にメイドさんもいるんだから、そこそこいい身分なのではないかと思う。この世界の常識はまだないので、とりあえず周りから情報を仕入みるか。


「?…わかりました。ではこの国の成り立ちから説明いたしますね」


 いきなり聞いたので少し(いぶか)しんだようだが、カティアは資料の載った本を指し示しながら説明を始めた。


「まず、この国の名前はヴィルバルト王国と言い、三つある大陸の内の一つであるアルノルド大陸の中央部に位置する国で国土面積は五つある中では第二位の面積を誇ります。この国は600年前にでき、その時に建国したのは獅子王(ししおう)の異名を持つアルフッレド=トーラス=ヴィルバルトと言われております。この獅子王が当時の国に叛旗(はんき)(ひるがえ)し革命軍を率いて各地で重税(じゅうぜい)などで苦しんでいた民たちを救いました。そして当時の貴族たちを倒しその国を滅ぼして今のヴィルバルト王国を建国したと言われています」


 さすがに顔が引きつった。


(民のためとは言え、一国を滅ぼすって…。もしも生きていたら会ってみたかったな。ちょっと怖そうだけど。)


「その獅子王はどんな人だったかわかる?」


 カティアは少し悩ましげに考えながら、口を開いた。


「獅子王についてですが、文献(ぶんけん)に残っている範囲しか分りませんがそれでも構いませんでしょうか?」


 さすがに600年前のことは詳しくは残っていないようだ。


「別にいいよ、残っている範囲しか分からないのなら仕方ないね。それでも構わないから教えてくれる?」


「わかりました。では獅子王の生涯(しょうがい)功績(こうせき)から、まずは幼少期からですがこの時期は平民だったとしか文献には書かれておりません。獅子王が歴史の表舞台(おもてぶたい)に出てくるのは十五歳の時からです。獅子王は十五の時には(ドラゴン)を一人で討伐できるぐらいに強かったそうで、25歳のときには世界最強でした。国を滅ぼしたのは30歳の時で英雄と称えられたましたが、そのこととは裏腹に生涯(しょうがい)孤独だったそうです」

 

 最初聞いた時から予想はしていたが、かなりのチートだったんだな。アニメの主人公かよ。とツッコミたい。しかし、生涯孤独か…なんというか、獅子王ってよばれているんだからかなりモテてたと思うんだけど。そのことはとりあえず保留しよう。


「話がそれましたが、このアルカディア家の成り立ちをお話ししますね。まず、このアルカディア家は三十年前の全界戦争時にアルス様のおじい様、ロウル・アルカディア様が魔族の将軍一人と神族の将軍一人、竜族の大将軍一人とその他兵士約六百人を打ち取った功績を(たた)えられて伯爵(はくしゃく)異例(いれい)大抜擢(だいばってき)をされ、アルカディア家ができました。その後、領内の政策に打ち込まれましたがご結婚なされていなかったので、養子を引き取り継がせたそうです。その後もさまざまな政策をしていましたが、五年前の流行り病で亡くなられました。今はアルス様のお父様が領内の統治をしています」


 獅子王もそうだが、じいちゃんも大概(たいがい)だな。魔族や神族、竜族がどれくらい強いのか分からないが、大将軍を倒したんだからかなりの強さだったんだろう。というか、じいちゃんも結婚しなかったのか…。強い人は結婚しないのか?


「そして、ロウル様は氷魔法を使っていた事が多かったため、白銀(はくぎん)騎士(きし)とも呼ばれていて今でも有名です」


 身内に有名人がいると何だかうれしくなるな。でも、もう死んじゃったのか。じいちゃんとも会ってみたかった。


「そもそも、アルス様にはまだ難しい話だとは思いますが」


 たしかに、それは最もだ。以前のこの体の持ち主ならこんなことは聞かなかっただろうが、僕の精神年齢(せいしんねんれい)は17歳だからこのくらいならわかる。


「ほかに何か聞きたいことはありますか?」


「いや、もうないよ。ありがとうカティア」


「ではアルス様、そろそろ…」


「うん、寝ることにするよ」


 外はもう暗い。カティアは部屋からてでいった。


 他のことは追々(おいおい)聴くとして…。現状の疑問はなぜ地球で死んだ僕が異世界転生(いせかいてんせい)しているのか、ということだ。そもそも異世界があるっていうだけで驚いていたし。まぁ、とりあえずもう寝よう。さっき寝たとはいえ少しの時間だけだったから眠い。明日からなら動き回っても許してくれるだろう。と、いろいろ考えているうちに僕はいつの間にか眠っていた…。



設定紹介

 キャラ能力値


 [転生直後]


 アルス・アルカディア(霧雨 遊真)


 種族[人間]♂

 年齢 6才

 Lv1

 ステータス 

 HP   400/400

 MP   1,00,000,000,000/1,000,000,000,000

 筋力  C 

 俊敏性 C-

 魔力攻 C+ 

 魔力防 C

 運   unknown

 称号 ;転生者、アルカディア


 魔法 ;万物創造魔法(物などは材料必須。魔法は魔力があれば作れる)

    

 スキル;全言語理解習得、成長速度unknown

     神の鑑定眼、自己封印魔法(この魔法が掛かっている限り、極大魔法含めこれ以上の物は使えない) 

           

 人物説明 この物語の主人公

 前世では一般の高校生だったが、祭りに幼馴染と友人と行ったときに通り魔から幼馴染たちを庇って刺され死亡した。今世では、まだ何も分らないため情報収集をして異世界を楽しもうとしている。

 ※主人公は重度のオタクです。成績は上の中だがオタクの分野になると全国のトップを争えるレベルの才能を発揮できます。そん位のオタクです!


 容姿;前世;隆一に半歩及ばないが十分に顔が整っており中性顔。髪は濡れ羽色のような髪色をしている

    今世;黒に銀と蒼のメッシュが入った髪色をしており、童顔だがしっかりとした顔つきをしている。だが、女の子といわれてもわからないぐらいの中性的な顔で、前世の姿に似ている感じ。隆一より顔面偏差値は上。 


 家族構成;父、母、妹、兄、アルスの五人だが執事二人とメイド五人を合わせると十二人で棲んでいてアルス達はこの人達も家族だと思っている。





 どうも浅望です。今回はアルスの設定付です!ちょくちょくアルスや他のキャラの設定を出すのでよろしくです。アドバイス、誤字脱字、質問などもできれば言ってください。返信するので!

これからもよろしくお願いします!


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