4話 ひと悶着
「僕は…死んだのか…」
前世の記憶を思い出した。現実感がなく、舞と火月を助けれたことに嬉しくも思うが、もう元の世界に戻れないと思うと悲しくもある。
「これから、どうしようか」
なんにしても過去のことを悔やんでも仕方がない。こちらの世界を楽しみたいと思っている自分がいるのも確かだ。
「まぁでも、この世界の事も知りたいし…そうださっきのメイドさん、カティアって言ってたかな。その人に頼んで持ってきてもらおうかな」
どうやって呼ぼうかな、などと周りを見ながら考えているとふと天井から垂れ下がっている紐が、視界に入った。なんだろうと思い引っ張ってみるとチリンと音がしたと同時にコンコンとノックがありカティアさんが入ってきた。
「アルス様、どうかしましたか?」
これで呼べるのか。というか、さっき父さんっぽい人が言っていたな。
「カティアさん、本を持ってきてくれますか」
「わかりました。でもアルス様、私のことはカティアと呼び捨てにして下さい。敬語も必要ありません」
「え、でも…」
「いいえ、これは必要なことです」
「…………。」
「呼び捨てにしないで、敬語もそのままであればおっしゃる事は聞けません」
断固とした態度と眼差しでこちらを見てくる。当然?絶世美人レベルであるわけでこちらが悪いことをしているような気がしてくる。
「はぁ、わかり…いや、わかった。これでいいのかカティア?」
「はい、それでいいのです。この世界では、敬語は階級が上の者以外にはあまり使わないほうがよろしいです」
結果はご覧のとうりで結局こちらが折れることになった。タメ口みたいなのは基本的に隆一としかなかった。がんばろう。
「それで何の本が欲しいのですか、アルス様?」
「えっと……この世界のことが乗った本と歴史に関する本と、 あと..魔法に関する本とかあったら...欲しいかな?」
魔法なんてあるかは知らないけど、異世界と言えば魔法だろう。ここで魔法がなくてカティアに変人扱いされるより、後であることが分かる方が損した気分だ。
「わかりました。持ってきますのでしばらくお待ちください」
えっ!・・・魔法あるの?
カティアが部屋から出て行ってから僕は横になった。
本当に魔法があるんだなんてラッキーだ。本もあるなんてこれでオタクの憧れの魔法の勉強ができるぞ!がんばろう。
そんなことを決意していると気が抜けたせいか、眠気に襲われ目を閉じた…。
半年振りの投稿です。学校も忙しくて気づいたら、二年生になっていました。
いまさらだけど、浅望の名前の由来は友達と自分の名前を一文字取ってくっ付けたらしっくり来たので、この名前にしました。
よくよく考えたら友達はロリコンと歴史オタクと二次元オタク×3と太っちょ君しかいない (●´・△・`)
不定期更新になります。




