3話 Introduction いちー
のんびりやってきます。(ご迷惑をおかけしますー
そして遅い展開である
視界が真っ白に染まってる。
お母さんの夢を見た気がします。あはは、思い出したら寂しくなっちゃった······。
お母さん天国で見てくれてるかな、こーんなに大きくなったんだよって、いっぱい頑張って生きて、死んだら私も天国に行って沢山お話するんだーとか考えてたなぁ。ふふ······? 何か変でしょうか? 問題ないね、うん、おーけーおーけー
ところで、いったい、ここは、どこ?(ふぇぇ……
辺りに白い靄がかかっていて考えるのに邪魔で鬱陶しいです。手でパッパッと払おうとしても、肝心の手が見えません。あれぇー?
むー ぶんぶん ふんすー! ぶんぶんぶん!
音が聞こえるのに手が見えない、むむむ一体これはどういった謎かけなのでしょうか!?
そういえば私は何をやっているのでしたっけ?
······! そうでした、 ここは何処か?という話でした。
確か図書館にいて、そしたら······ッ! 突然揺れに襲われて目の前が光でピカーッ!ってなって······
目潰しみたいに何も見えなくなってしまった······のでしたっけ? うーん記憶が曖昧です······
――― ポフリッ ―――
~~~!?、何かが頭の上に乗った気がします。なんだか暖かくて落ち着く。あ、撫でてきました······なでなでされるのも悪くないですね。気持ちいいなぁ、でもこれ人の手ですよね······
見えない人に撫でられてる!?(ガクブル
「何この子、ぷるぷるして可愛い···」
!!?
喋ったよ!? あぁっ、手が離れるっ。(ちょっと名残惜しいと思ったのは内緒
と思ったら今度は両頬に手が添えられました。親指でふにふにされてます······
「ら、らふぇ~?」
「ふふふ、いい加減目を開けないの?」
!!!?
目だよっ! そうだ、瞼をつぶっていたのかー!
Q. : 音が聞こえるのに目が見えない、なーんでだ?
A. : 答えは目をつぶってたのですっ!!(キリッ
ふぅ、謎が解けました。ふふ、ふふふ、えふぇへへ···♪
すいません嘘つきましたごめんなさい。私、気づいてないです。教えて貰いました。うぅ···何で気づかなかったんだろう······。(ふみゅぅん…
でも、目を瞑っていてもちゃんと周りが見えてたから(白ですが)
、分からないのもしょうがないよね。うん! 分からないもん。
え? 白しか見てないじゃん? そ、それはぁっ、ほら、見えているから、白があって······ (もじもじ…
それで、そのぉっ···も、もう分かんないよ~(ふぇぇ……
――へにゃぁっ!?
「~~~っ、可愛いっ! 可愛すぎるわ~っ!」
「~~~~~~!?」
誰かに抱きしめられてしまいました!? ふわぁ··· それに頭がモフゥっと柔らかいもの包まれました感触がします。こ、これは······ ま、間違いなくおっぱいです! じょ、女性の方にお胸で抱きしめられているのですかっ!? どういう状況!?
「うふふ、ふわふわで柔らかぁい······ もう離したくないわ。」
女性はギュッと私を抱いてなでなでしてきます。あたっているお胸がマシュマロみたいにふわふわで柔らかく、それでいて温かい体温と心音が伝わってくるので優しさに包まれているようです。ふあぁ、こころがポカポカで温かくて幸せぇ······。
ヒシッ
「ふにゃぁぁ···♪」
「(なでなで♪)」
もっと~ポカポカ幸せ、気持ちいい~(ふにゃり
彼女の体温を全身で感じられるよう、自分からも抱きしめてしまいました。なんだかお母さんに抱きしめられているような安心感があります、母性溢れる方なのでしょうか。
「うにゅぅ··· しあぁせ···♪」
「ふふふ♪」
ナデナデ よしよし なでなで ヨシヨシ
ナデ··· ナデ··· ヨシ··· ヨシ···
「可愛いわ······」
温かい、幸せ、嬉しい···心地よくて思考が遅くなっていく感覚がします······眠いです、このまま身を任せてしまいましょうか······ ふわぁぅ···もう、なにも···かんがえ···られ、ぬぃ···うぅ······ おや、す、ぃ······
★
「あら、寝てしまったわ······ふふ」
少女を先程まで抱きしめていた女性――女神は、彼女の姿勢を膝枕の形にしてまたなで続けた。
二人から少し離れたところに十数人程固まっている人影があった。彼らはあの図書館の常連達だ、司書の女性の姿もある。
彼らは先程から二人のことを黙ってじっと見ていたのだ。
彼らはともに思案深げな顔をして少女のことを見ている。司書である若い女性においては顔はうつむき、ただぼぅっと地面の一点を見つめて動かない。
女神は彼らの方を一瞥して真剣な表情で言った。
「それで、分かって頂けたかしら······」
「「「「······」」」」
誰もが何と言うべきか思案に暮れているようだ。
女神は困ったように眉をしかめる。
「無理を言っているのは分かっているわ······お願い、信じて貰えないかしら······?」
女神はそう言って正座のまま頭を下げた。
司書の女性の肩がピクリと動いた。
「私はあなたのことを信じる······ だって私、あの子のあんな幸せそうな顔見たことないもの、それも一度も顔を会わせずになんて···。あの子は初めて会った人間には無意識に心を閉ざしてしまうの、私も初めは触ることも出来なかった、から······。だから私はあの子が心を開くあなたを信じる。それに、あの子にとってはそれが一番良い道だから······。」
そう言い終えて、彼女はニッコリと微笑んだ。
「たしかにな、それが一番あの子にとってよい選択じゃろうな」
「あの子には私達が行く所のような辛い所には行かせたくないわ、それにあれを聞いてしまったら······」
「女の子を政治の場へ連れて行くのは気が止めるしの」
「なにより、あの子を政治の駒にさせるくらいなら、こっちからお願いしたいわ。」
「「「「それだ(わ(じゃ!!」」」」
「あの純粋な子を汚すのは許せないわ!」
「あの子を政治に関わらせるのは許せん!!」
「あの子には幸せに生きてもらいたい、それが私達の願いです。」
「女神様どうか、あの子を宜しくお願いします」
「儂らもあなたを信じます、どうかお願いしたい。」
誰も自分達で守るとは言わないのはヘタレなの「「「「政治権力に個人が勝てるわけない(でしょ(じゃろが!!!」」」」か、すいません思慮深かったです。
1人が言い出せばわらわらと、気づけば次々と意見が飛ぶようになっていた。沈黙はいつしか明るい雰囲気に変わっていた。
女神は鳩に豆鉄砲食らったような顔でそれを眺めていた。やがてうっすらと涙を浮べ、微笑んだ。
「ありがとうございます」
「この子のことは任せてください、私がついてますから。 いづれ運命の巡り合わせが出会いを引き寄せるでしょう······。あなたも···、寂しいでしょうが頑張ってください。」
「女神様に応援されたら頑張るしかないわ。この子が強く生きていけるようにこうして願っておくわね、ふふふ。」
「あら、可愛いわ··· ここに、これかしら? ふふふ。」
「流石ね。サキ、愛しているわ······ 」
女神と聖女は少女を可愛がる、二人でこの弱く可愛らしい少女が強くなるように、そう願う儀式のように。
ずっと··· ずっと··· ずっと······ ずっと
永遠に続くかと思われた、永遠に続いて欲しかった。
しかし聖女には時間はあと僅かしか残っていなかった。
すでに白い空間には3人のみが残っていた。
「······ここに引き留めておくのも限界みたいね。」
「ええ、時間のようね、もっとこの子と一緒に居させてあげたかったわ······」
「いいのよ、充分楽しませて貰ったわ。ただ、寂しく思うわね···あなたとせっかく出逢えたのに。」
「なら良かったわ···。それともし私と話したいなら、あなたなら神殿で祈れば私と会話することができるわ。だってあなた私の聖女なんですからね、······期待してますよ、聖女様? ふふふ」
「~~~っ!?」
聖女の身体から光が溢れ始める、もっとも聖女はそれを気にしてはいない。
「くすっ、貴女もね? め、が、み、さ、ま? ふふふっ!」
聖女は笑みを浮かべながら白い光に変わっていった。
あとには女神と側にいた少女のみが白い世界に残っていた。
女神はしばらく膝の上の少女を撫で続けていた、そしてほぅ、と吐息を吐き言った。
「行ってしまったわね。」
女神にとっても久しぶりの楽しい時間であったのだ。
しかし、引きずるのも無意味なので女神は切り替えて次にすることを考えた。
「まずはこの子が起きるのを待ちましょう。でもその前に場所を移そうかしら。ふふふ♪」
女神は未だ眠る少女の頭を撫で、やがてスッと少女を抱き上げて立った。お姫様抱っこの形ですやすやと眠る少女に微笑みかけると、女神は白い空間の先へと歩き始めた。
女神と少女はやがて白い靄に包まれて見えなくなった。
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3/27 22:25 誤字を発見したので訂正。