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[転章]エピソード・エイト4/3 ―異世界転生の、夢―
それからの出来事は、どれだけの時間を使っても語り尽くせない。
『最果ての旅団』として初めて請けたクエストで、暗殺者の少女ギリスと出会ったこと。
王国で最も美しいと言われるアンジェ姫と秘密の湖畔で語り合ったこと。
国家転覆を狙う邪教団から王国を救ったこと。
古の竜から、この世界の始まりを聞いたこと。
そして、全ての運命が集まる先が、この僕という存在であること。
こんなにも刺激的な日々が送れるだなんて、前の世界では考えられなかった。
退屈で、くだらない生活を捨てることが出来たのも、全てはあの日、あの人と出会えたからだ。
もし、もう一度あの人に会えるのなら「ありがとう」と伝えたい。
僕の夢を叶えてくれて、本当にありがとう。
田辺栄人は目を開ける。
そこは真っ暗で何も見えない、耳障りな異音だけが聞こえる世界。
田辺栄人は目を閉じた。
