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護衛と訓練 1

クソ短いですが、ご容赦を。


エリスが目を覚ましたのは、トキワの部屋のベッドの上だった。

窓の外から聞こえてくる町の喧騒から、すでに今は朝ではなくそろそろ昼であろうことがわかる。


恐る恐るベッドから降りようとする。

足の裏を怪我していたからだ。


(あれ? 全然痛くない。治ってる……手も)


そういえば、昨日治してもらったわねと考えながらエリスは部屋を出てトキワとファーニーが居るであろうリビングに向かった。


ドアを挟んでいるのに話し声が聞こえてくる。壁が薄いからだろうか。護衛してもらっているのに失礼だとは思ったが、エリスはユグドレミアの家との違いに驚いた。


リビングには予想通り、トキワとファーニーがいた。

二人で少し遅い朝食を作っている。

楽しそうな笑い声、会ってまだ一日しか経っていないとは思えないほどの仲の良さだった。


「おはようございます、トキワ様」


丁寧に腰を折って朝の挨拶を行うエリス。


「よっす。よく眠れたみたいだな」


トキワの発言にエリスは頬を赤くする。

疲れていたとはいえ、会ったばかりの人の家で昼頃までグッスリと眠っていたということに淑女として恥ずかしさを覚えたからだ。


ちなみにトキワはエリスの真意などに気が付くことはなく、盛大に勘違いしていた。


(この子絶対に俺のこと好きだわ……)




「いただきます」


食事をする前の挨拶、トキワは当然のものと考えていたが異国出身の二人は違った。


「いただきます……って何?」


ファーニーからの問いにトキワは頭を捻った。

どんな意味かよくわからないままに、習慣として言っていただけだったのだ。


「さぁ……? よくわからんけど親父もお袋も爺も婆ちゃんもみんな言ってたからなぁ……。食事する前のマナーみたいなモノかなぁ」


(前世も今世も……な)


「へえ、まなーなんだ。じゃあワタシもいただきます使うよ」


ファーニーは、トキワに作ってもらったミニチュアサイズのフォークを置いて「いただきます」と言った。

そんな純粋なファーニーをトキワは微笑ましく感じていた。


(腹黒い性格と考えてたのは早計だったみたいだな)


人のことをたった一日で理解することなんて誰にも出来やしない。

何年一緒に居たって、見えてこない部分はたくさんある。

トキワは少し大人になった。


「トキワ様は一体どこの国出身なのですか? 少なくともアルファーム大陸で聞かない習慣だったものなので気になってしまいました。それに家名もあるようですし、もしかしたら貴族だったのですか?」


エリスの少しばかり踏み込んだ質問に、トキワは固まった。

故郷のことを不意に思い出してしまったからだ。

トキワがどうしても堪えられなくで飛び出した国だった。


「……あの、答えたくないのなら答えなくても大丈夫ですよ」


エリスは空気の読める女だった。トキワの顔を見て、何か事情があるのを察した。

だがトキワとしてはどうしても許せない国を一瞬思い出しただけだ。それにもう二度とその国に行かないだけで済む話なのだ。

別に出身を言うことに抵抗はない。


「ベータクス大陸の東方にある和の国ってとこだ」


「和の国……? 聞いたことありませんわ」


「そりゃそうだ。あそこは小さい島国だからな」


そう、トキワが転生して再び生を受けたのは和の国という日本にそっくりの国だった。あくまでもそっくりというだけであり、前世の日本と違う所も多い。


「そこで、俺は……まぁマーレーンやアルサケスでいうところの貴族の出だった」


出会って三日目、話したのは二日前。

それにしてはトキワの口が軽い。これからしばらくの間一つ屋根の下で暮らし、護衛になるので友好を深めておきたいという考えの元によるものだった。

決してエリスがトキワの好みであるため、自分のことをよく知ってほしいとかではない。


トキワはエリスに和の国について話しながら、朝食をとることにした。







朝食を終えて、トキワとエリスとファーニーはトキワの借りている家の庭にいた。


「よろしくお願いいたします、トキワ様いえ師匠!」


トキワからプレゼントされた動きやすい服装に着替えたエリスは、爛々と燃える瞳でトキワを見つめている。


「…………ふっ。俺は厳しいぞエリス! ついてこれるのか?」


「もちろんですわ。私は時期が来れば必ずアルサケス王国に戻ります。その時までに力をつけておきたいのです!」



トキワは昨日、エリスからアルサケスを追放された話を聞いた。

エリスの推測が多く含まれており、正確性に乏しいものだった。そのことはエリスさえも認めていることである。

真実は未だにわかっていない。

とは言っても、トキワにとって大好きなエリスは心配だがアルサケス王国がどうなろうと知ったことではなかった。

義父様と義母様とエリスと仲の良い人間ぐらいは助けるつもりだったのだが。

それに他国の情勢に首を突っ込む気はさらさらない。もうすっかり言っていることと、していることが一致していないのだがトキワの目的はスローライフだ。トキワの今の夢はエリスと結婚して幸せな家庭を築くことだ。


だがエリス自身がしっかりと主張した。

必ずアルサケス王国に戻り、国を守ってみせると。

いつか起こる国の動乱に備えるためにマーレーン王もしくはその側近の『七星』と会談すると。アポイントメントはエリスの母親であるアイレーンが既に取っていると。

そしてメイドのメアリとマーレーン王からのお誘いが来るまで、カタリベの町にいることを聞かされた。


エリスの決意を聞き、トキワは決めた。

エリスがカタリベに居る間は自分が守るということを。

さらにそれを後押しするように、早くもマーレーン王はエリスがマーレーン王国にやって来たのを知ったらしくギルドを通して、トキワに正式な指名依頼を出した。

依頼内容は、エリスの護衛。


そこにエリスを鍛えることは含まれてはいない。

だが強くなるということはエリスたっての希望だった。それにエリスが強くなることは結果としてエリスから危険を遠ざけることに繋がる。

トキワは快く了承した。


まぁそもそも惚れた男が好きな女の子のお願いを断れるはずがなかったのだが。



それに……


(ノーブラに薄着とは……。訓練最高だぜ!)


トキワはおっぱいが大好きなのだ。


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