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第3話 こいつとラブコメに発展するわけがない

北村・・・・・・・・・・何をしにきたんだ。

 まさかとは思うけどその弁当。

「え、えっと、これ、作りすぎちゃったから一緒に食べようと思って」

 学校で話しかけてくることがそうそうない(俺との関係がバレたくないため)こい

つが、しかも弁当まで作ってくるなんて。

 初めての経験だった。

 そもそも、昨日の俺の態度からして怒るのが当たり前ではないだろうか。

 俺はわざと怒らせそして、向こうに快く、俺を恨み、そして、おあいことして別れ 

られるよう仕向けた意味がない。

 そう、実はそういう意図があったのだ。

 それも、これも、この今一緒に飯を食ってる沢村からのアドバイス。



『あなたも恨みを買えばいいのよ、そうすれば快く別れられるし、今後顔をあわせる

ことも少なくなる、向こうも憂鬱になることはない』

 と。

 まあ、確かにそうだと思った。

 浮気を見て確かに傷ついたが、俺が向こうをきうつけることも気が引ける。

 なら怒らせて、罪悪感など全てを俺への怒りに変えよう。

 そう思った。

 そう思ったのも、俺が好きでもないのに付き合ってしまったという、自分への反省

の意味も込めてのことだ。

 これが正しいかはわからないが、俺はこれでよかったと思っていた。

 なのに・・・・・・・・・・・・・・

 なぜ、俺に飯を作ってきているんだ。

 しかも、堂々と学校で俺に話しかけてくる。

 怒ってないのかこいつは。

 そ、そういえば、メールが入ってたような・・・・・

 しかもベタな言い訳までして。

 確実にそれ俺の分だろ。

 しかも最悪なことに、今この状況は・・・・・・まずい。

「で、でも、なんで、一騎が沢村さんとご飯を食べてるの・・・・・・」

 僕もしりません。

 教えて欲しいくらいです。

 そう、これも謎だ、こいつはなぜ俺のもとで飯を食っているのか。

「いいでしょう、それとも何?彼と私がご飯を一緒に食べてはいけないというの?そ

れにあなたは私たちの関係をしらないでしょう?」

 そう言って、いきなりだ、俺の腕へと沢村が抱きついてきた。

「え!?ちょ、お前!」

 と、言いながら沢村の顔を見ると、

 ニヤリ。

 そうか。

 こういうことか。

 こいつ、これを予測して俺のもとへ来たな。

 推測はこうだ。


 沢村と北村は同じクラス。

 北村がどう考えても一人では食べないようなお弁当を持ってきている。

 それを俺のためだと思った沢村は、わざと昼に俺のもとへ来た。

 そして鉢合わせるように、この状況を作った。

 いや、修羅場を作りやがった。


「お前、はかりやがったな」

「何を?こんな修羅場になるなんて思ってもみなかった」

「お前が作ってんだろうが!つか、腕離せ!」

「嫌」

 こいつ、男だったら樹海に埋めてたな。

「か、関係ってどういうことなの?」

 北村が悲愴な顔で言ってくる。

「見たまんまよ」

 お前が答えんじゃねぇえええええええええええええええ!

「見たまんまって!どう見ても一騎が嫌がってる!」

 よし、いいぞ!そうだ、俺は嫌がってる!

「私、お弁当作ってきたんだから!そこどいて!」

 そう言って、ぐいっと、沢村の手をどかし、俺の隣に座ってくる。

「え、えっとーーー」

 おい、沢村、後ろでニヤニヤするなよ、お前何ものだよ。

「ほら!どう?作ってきたんだから、はい、あーんして!」

 え?

 そう言って北村が俺に今までやったことすらない行動をしてきた。

 何なんだマジで。

 ちょ、本当に何。

「え?いや、い、いいよ」

「いいから、はい!」

 そう言って、俺の口にむりくり運んできた。

 うん、正直な感想を言おう。

 並大抵の高校生の味。

「どう?」

 その、どう?は誰に聞いてるのかな?

 後ろの沢村に、どうよ!?みた!?みたいなドヤ顔してるんだけど。

 味を聞いてるわけではないんだな。

「ふっ、そんなちまちましてたら昼休みが終わっちゃうわ」

 そう言って、いきなり沢村が立ち上がる。

「お、おい、なにする気だ!」

 なぜコイツは、重箱だけを持っているんだ。

 かりにお前もあーんをするならはしを持たないか。

「ほら、口開けて」

「い、いや、お前何する気だぼぅが」

 んーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

 沢村は俺が話しているのにもかかわらず、いきなり重箱の角を俺の口に思い切り、

入れ、傾けてくる。

 がっ、う、なんだ、何してやがるこいつ!!!

 う、うーーーーーーうまい?

「え?普通に上手くないか、これ」

「でしょう?」

 冷めてるのになぜうまいんだ。

 つか、冷めてるからこそうまい。

 つか、お前もその、でしょう?は誰に言ってんの。 

 つか、なにその、やったった顔。

 っておいおい、周りも唖然としちゃってるよ。

 つか、口の周りふこっと。

「うぅーーー」

 なんか北村も悔しそうに唸ってる。

 負けたの味だけだから。

 行動は確実に君のかちだから。

「それじゃあ、次は私から聞くけど、明智くん、このことあなたはどういう関係?」

 言わせる気か!?

 悪魔か貴様!?

 そう言った瞬間、沢村の顔がこわばる。

「ま、まあ、知ってる顔・・・・ってやつだよ」

 いうと、北村の顔が曇る。

 昨日決めたことだ。

 ソレに宣言した通りだ。

 俺とお前は何もなかった。

「そう」

「ああ」

「・・・・・・一騎」

 沢村が急に顔を上げる。

 その顔は強気な雰囲気だった。

 やっと怒ったか。

「放課後、昨日の場所で」

「え?」

「待ってるから」

 そう言って、半分以上余ってる弁当を置いて、教室を飛び出した。

 周りのギャラリーも、続々といつもの通りに戻る。

「思ったより、強敵ね」

「お前協力してるつもりあるのか?」

「何が?」

 ないのね。

 つか、逆に傷つけてるよなこれ。

 完全に俺悪者じゃん。

 ドラ○ンボールのフ○リーザ以上にうざがられるキャラだよな。

 あ、これ○いれた意味あんまないな。

 完全に脇役系のな。

ここまで読んで下さりありがとうございます。あくまでも昼ドラのようなどろどろの恋愛にするつもりはないので、一応ラブコメなので、この後の展開を楽しみにしていただけると幸いです。あ、一応、言っときますが沢村は一応協力者なんですね笑

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