表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

「思い出話」 (第6話)

 僕が歴史の勉強をすると、天変地異が起こると言う話はあまりにも有名だ。よって、二時間目の間はぼーっとするしかない。今僕は日本を、いや世界を救っているのだ。


 ここで「地球を」とは言わない。僕はなんて謙虚なんだろう。


 下らないことを考えてる間に二時間目が終わり、無事世界は守られた。


 だが問題はここから。英雄天野翔太の平穏を脅かす、二人のモンスターがこちらに向かってきている。モンスター注意報発令中。


「いつから居たんだ?びっくりしたぞ」


「一時間目から」


「一時間目!?なんで挨拶しに来なかったんだよ」


「騒ぎそうだったし」


「まあ。いいけど」


 猛が問い詰め、湊が後ろから睨む。事情聴取されてる気分だ。カーテン越しの光が卓上ライトの役割を担っている。カツ丼があれば完璧だったのに。


「今日の給食なんだっけ」


「親子丼」


「チッ」


「なんでだよ。親子丼うまいじゃん」


 猛は、物事を美味しいかどうかでしか判断出来ない。テープより澱粉のり派な理由は、美味しいかららしい。あほだ。


「お前、変わらないな」


「それほどでも」


 あほだ。


「そう言えば、土舘 細花さんって知ってる?」


「土舘?聞いたこと無いな」


「湊は?」


「5組だった気がするけど。怪しいな。」


「5組って言うと......。次の授業で合同か」


「で?誰なの土舘って」


「こないだ捨て猫拾ったんだけど。その子も拾いたそうだったから、見に来ないかって。住所渡したいんだよ」


「そう言えば猫好きか、お前。俺が勉強してる横でずっと猫の動画見て、うるさかったもんな。」


「オレなんか今日暇か?って言われて、遊ぶと思って行ったら2時間以上迷子の猫探しさせられたんだぞ」


「良いじゃん。結局見つかったし、蒲焼きさんあげただろ」


「蒲焼きさんで満足する訳ないだろ。せめてキャベツ太郎だろ」


「どっちも太郎じゃねえか。二人とも落ち着けって、と言うか次の授業 美術室に移動だぞ」


「やばっ!何が要るっけ?久しぶりすぎて」


「筆箱ありゃなんとかなるって。最悪オレが貸すし」


 こうして教室を後にした。因みに教科書すら要らないらしい。つるっぱげを書くのに教科書なんて要らないんだろう。


 なんだよ。つるっぱげを書くって......。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ