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『…たった今速報が……△△市の路地裏で……二十代と見られる男性が……通り魔の犯行と見られ…』
「えぇ何これぇ〜、日曜の夜に物騒なんですケド。盛り下がるからテキトーにバラエティに変えるよ? 」
そう言いながら彼女は、ポテトチップスの油がリモコンにつかないよう器用にチャンネルを変えた。そして、にやけた顔でこちらを振り返ると、
「それでそれで〜? どうなのよ、気になる男ってヤツとの進展はさァ! 」
にじり寄る彼女に慌てて答える。
「ちょ、ちょっと! まったく他人の色恋沙汰には目敏いんだから……それにまだ何も無いわ」
「アタシが後押しするから今ここでデートの約束取り付けよ!」
「わかった……それにありがとう。彼に連絡してみる……ん、なかなか繋がらないわ」
「まだ新社会人なのに『お洒落なバーに連れって〜』だの無茶振りするから愛想つかされて着信拒否でもされてんじゃないの〜? 」
――電話に出んわ(表)