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ギャグオチSS集  作者: 仇花七夕
1/39

#1



正月。俺は炬燵に両足を突っ込み、毒にも薬にもならないお正月特番とやらをぼんやり眺めていた。



実家から送られてきたミカンを消費すべく、炬燵の天板に積み上げられたオレンジのピラミッドに手を伸ばす。



ミカンの皮、昨夜飲んだビール缶、年末年始で読み漁った小説達。その全てが片付けろと主張しているが、その程度では俺を炬燵から出すことは出来ない。



「ふぅ・・・・・・ん?」



得体の知れない倦怠感の中で、俺の目に一冊の小説が飛び込んだ。


そしてその直後、俺はおもむろに手をオレンジ色に伸ばし、ビール缶の上に置いた。


口角が上がるのを感じながら、確かな満足感を覚えた。





















――アルミ缶の上にあるミカン

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