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古代ギリシャの線文字A(9.アルカロコリの斧、マリアの台座)

作者: 板堂研究所

7月1日、「アルカロコリの斧」の末尾で、人から病を除去し、飛び去る神話の鳥、CALADRIUSについて言及しました。

 1.アルカロコリの斧


 クレタ島のヘラクリオン近くのアルカロコリ洞窟は、金・銀を含め多数の剣や双斧の発見で知られ、これは1934年に発見された青銅の双斧で、紀元前2千年紀に遡る由。双斧の中央のそりのない長方形部分に文字が15個刻まれている。「Arkalochori Axe」で検索可能。


(1)記号の音価


 文字記号は3列に並び、各列の間に薄く縦線が入っている。線文字Aやファイストスの円盤を参考に、音価を探り、また文字の配列を再現すれば、下記の通り。解説用に各文字に(番号)を付した。

 3列目に特徴があり、(3)、(8)、(13)が、それぞれ縦長に他の2倍の長さで刻まれ、(3)が1-2行目、(8)が3-4行目、(13)が5-6行目にかかるように刻んである。


(1)I     (2)YOKE-I- NA/WA- ME/RE   (3)

(4)SA/DA  (5)ZE              (3)

(6)YAMAI   (7)(NI/RA)-KAME        (8)

(9) NA    (10)I-(WA/HA)-RE        (8)

(11)NEKKO/MIKI    (12)YAMAI         (13)

(14)NEKO/ TORI (15)TE            (13)


 記号(1):ファイストスの円盤のI(2番)とほぼ同様なので、I。


 記号(2):記号(1)と異なり、口が開き、目を見開いている。開いた口をNA/WA、目の周囲をME/REと捉えれば、I-NA/WA-ME/RE。更に、頭髪が4方向に放射しているので、YOKE。従ってYOKE-I-NA/WA-ME/RE。


 記号(3): 矢尻と捉えて、ZO。あるいは逆さまのTIに縦棒(I/YA/SI/NO)。

 従って、ZO/ [TI-(I/YA/SI/NO)]。


 記号(4):線文字AのSAとDAの混在する記号なので、SA/DA。

 記号(5):鋸と見て、ZE。


 記号(6): 髪が総毛だった、若者/子供の頭部の記号。髪の毛の輪郭をYAMA。頭髪と顔の境(弧)をIとして、YAMAI。「病」の表意文字と考える。


 記号(7):上部に横棒が2本あり、右下から、ウミガメが近づいているので、(NI/RA)-KAME。 


 記号(8):先ず、RE/MITE/SATEとし、また底部に下向きの矢尻が2重に描かれているので、(NI/RA)-ZOを加え、RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO。


 記号(9):線文字A(*06)に習い、NA。


 記号(10):記号(1)と異なり、頭が、腫れ/割れている。従って、I-(WA/HA)-RE。


 記号(11):木の根っこ/幹の形から、NEKKO/MIKI。


 記号(12):記号(6)と同様に、YAMAI。

 記号(13):記号(4)と同様に、SA/DA。


 記号(14):縦にしたネコで、NEKO。木にとまる鳥とすれば、TORI。合わせて、NEKO/ TORI。


 記号(15):線文字A(*04)や、ファイストスの円盤(35番)から、TE。


(2)解読


(ア)縦方向


(a)下から上(右の列以外)


 NEKO/ TORI NEKKO/MIKI NA YAMAI SA/DA I  TE YAMAI 

 I-(WA/HA)-RE  (NI/RA)-KAME   ZE  

 虜ね/床寝る/小鳥ね 根っこ/寝る子/君の、病、そうだ。退いて、病は、晴れえ。睨め、風邪。     


 YOKE-I- NA/WA- ME/RE ZO/ [(I/YA/SI/NO)-TI]

 行けよ、なめんぞ、そっちや、


 RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO SA/DA

 空に去って、そうだ。


(b)上から下


(H)I  SA/DA YAMAI NA NEKKO/MIKI NEKO/ TORI YOKE-I- NA/WA- ME/RE

 悲惨だ、病の子ね/君。捕りよけい、余計な目。


 ZE  (NI/RA)-KAME I-(WA/HA)-RE YAMAI TE   ZO/ [TI-(I/YA/SI/NO)]     

 睨め、変われえ。病で後、


 RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO SA/DA

 空に去って、そうだ。


(c) まとめ


 小鳥ね/虜ね/床寝る 寝る子/君の病、そうだ。退いて、病は、晴れえ。睨め、風邪。     

 行けよ、なめんぞ、そっちや、空に去って、そうだ。

 悲惨だ、病の子ね/君。捕りよけい、余計な目。

 睨め、変われえ。病で後、

 空に去って、そうだ。


(イ)横方向


 文字列を左から右へ、上から下へと読めば次の通り。


(a)最後に3列目を上から読む場合


(H)I YOKE-I- NA/WA- ME/RE SA/DA  ZE  YAMAI  (NI/RA)-KAME  NA  I-(WA/HA)-RE  NEKKO/MIKI   YAMAI   NEKO/ TORI TE

 退けよ/行けよ、余計な目、そう出せ、病、睨めかな。晴れえ、寝る子/君の病。床で寝て、


 ZO/ [TI-(I/YA/SI/NO)] RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO SA/DA

 後、空に去って、そうだ。


(b)最初から3列目を入れる場合


 I YOKE-I- NA/WA- ME/RE ZO/ [TI-(I/YA/SI/NO)] SA/DA  ZE

 退けよ/行けよ、余計な目。そっち、そうだぜ。


 YAMAI (NI/RA)-KAME RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO NA I-(WA/HA)-RE NEKKO/MIKI YAMAI SA/DA NEKO/ TORI TE

 病、睨め。勝って皆、晴れえ/言われ、寝る子/君の病。そうだ、トネリコで。


(c) まとめ


 退けよ/行けよ、余計な目、そう出せ。病、睨めかな。勝って皆、晴れえと言われ、寝る子/君の病。そうだ、トネリコで。


(3)結論


 縦方向と横方向に読んだ内容を合わせれば、次の通り。


 床に寝る子は、虜ね。君の病、そうだ。退いて、病は晴れて。睨め、風邪。     

 小鳥ね。行けよ、なめんぞ、そっちや。空に去って、そうだ。

 悲惨だ、君は病の子ね。捕りよけて、余計な目。

 睨め、変われえ。病で後、

 空に去って、そうだ。

 行けよ、余計な目、そうだぜ。病、睨めかな。勝って皆、晴れえと言われ、寝る子、君の病。そうだ、トネリコで。


 以上から、双斧は、子供の病を追い出す呪術用と判明する。

 末尾に登場するトネリコは、落葉広葉樹の高木で、樹皮は、民間薬として、止瀉薬や結膜炎時の洗浄剤として用いられる由。すると、記号(3)、(8)、(13)の構成する文字列の3列目は、トネリコの木の漫画を兼ねていよう。

「退けよ/行けよ」とされる「余計な目」については、中央の列で一番上の記号(2)と解釈し、これを指で隠すと顔が現れるが、頭にトサカがあるので、嘴を開いて鳴く、ニワトリ等の鳥だろう。ここで双斧を、鳥の左右の翼と見立てれば、「空に去って」の文脈に合う彫刻となろう。

 この双斧の文字は魔法陣の様に、縦・横に上下、何れの方向に読んでも日本語として意味が通るが、これは、決して偶然でなく、日本語の証と考えられる。刻まれた文字は、ファイストスの円盤の絵文字と同様に、線文字Aを元に、子供向けに創造された可能性がある。


(4)読み換え


 中央の列の上部に登場する、頭にトサカのある鳥をカナリアと解釈し、記号(14)を、KANERIと読んだ場合、次の通り。


(1)I     (2)YOKE-I- NA/WA- ME/RE   (3)

(4)SA/DA  (5)ZE           (3)

(6)YAMAI   (7)(NI/RA)-KAME       (8)

(9) NA    (10)I-(WA/HA)-RE      (8)

(11)NEKKO/MIKI    (12)YAMAI      (13)

(14)KANERI (15)TE        (13)


(ア)縦方向


(a)下から上(右の列以外)


 KANERI NEKKO/MIKI NA YAMAI SA/DA I  TE YAMAI 

 I-(WA/HA)-RE  (NI/RA)-KAME   ZE  

 カナリア、君の病、抱いて。今や、晴れえ、絡むぜ。     


 YOKE-I- NA/WA- ME/RE ZO/ [(I/YA/SI/NO)-TI]

 余計な目、そっちや、


 RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO SA/DA

 空に去って、そうだ。


(b)上から下


(H)I  SA/DA YAMAI NA NEKKO/MIKI KANERI YOKE-I- NA/WA- ME/RE

 悲惨だ、病の根っこ。カナリアなら、行けよ。


 ZE  (NI/RA)-KAME I-(WA/HA)-RE YAMAI TE   ZO/ [TI-(I/YA/SI/NO)]     

 是非、絡め、晴れえ。病って、そちや。


 RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO SA/DA

 空に去って、そうだ。


(イ)横方向


 文字列を左から右へ、上から下へと読めば次の通り。


(a)最後に3列目を上から読む場合


(H)I YOKE-I- NA/WA- ME/RE SA/DA  ZE  YAMAI  (NI/RA)-KAME  NA  I-(WA/HA)-RE  NEKKO/MIKI   YAMAI   KANERI TE

 退けよ/行けよ、余計な目、そうだぜ、病、絡めなん(と)言われる、君は、病のカナリアで、


 ZO/ [TI-(I/YA/SI/NO)] RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO SA/DA

 そちや。空に去って、そうだ。


(b)最初から3列目を入れる場合


 I YOKE-I- NA/WA- ME/RE ZO/ [TI-(I/YA/SI/NO)] SA/DA  ZE

 退けよ/行けよ、余計な目。そちや、そうだぜ。


 YAMAI (NI/RA)-KAME RE/MITE/SATE-(NI/RA)-ZO NA I-(WA/HA)-RE NEKKO/MIKI YAMAI SA/DA KANERI TE

 病、絡めんぞ、空に去って、言われ(る)/晴れえ。君の病は、そうだ、カナリアで。 


(ウ)まとめ


 この読み換えにより、病を治す目的で「空に去るべき、幹のカナリア」が登場する。これは双斧の中央部分の漫画と良く符合するので、採用すべきだろう。

 因みに古代のギリシャ・ローマでは、CALADRIUS、と呼ばれる神話上の鳥がいて、病人がいれば、その病を伴って飛び去り、治す事ができるとされた。

 上記(3)の通り、最上部の記号(2)を指で隠せば、鳥の頭が登場するが、これが「幹のカナリア」であり、CALADRIUSに違いない。然るに「退けよ/行けよ、余計な目」とは「記号(2)を隠せ」とのメッセージだろう。



 2.マリア祭壇石 (c.1625 BCE)


 これは1937年に発見された貢ぎ物用の台座である。「Malia altar stone」で検索可能。上部に窪みがあり、貢物を入れるためと見られる。縦に16の文字が刻まれており、「ファイストスの円盤」の絵文字や線文字A、更にはインダス文字に類似の記号が混在する。下から上へ並べ、ローマ字に転換すれば、次の通り。


 SA/NI- JA / IKUYO -TI-DWA-NA-TA-E-RO-ZO-PI-TE-RO-NA-I-TA-SI


 便宜的に左から右へ、1から16まで番号を付した場合、「ファイストスの円盤」の絵文字に類似し、音価が類推されるのは、1番(NI)、4番 (DWA), 5番及び13番 (NA), 6 番及び15番 (TA), 9番 (ZO), 14番 (I)。1番は、線文字A風にSAとも読める。2番は特殊で、線文字Aと捉えればJA、インダス文字ならI-KU-YO。残りは、線文字Aに類似し、音価が類推される。


(1)記号1番を、SA/NIと読み換える場合


(下から上へ)


 SA-JA-TI-DWA-NA TA-E-RO  ZO- PI-TE-RO NA-I-TA-SI

 さ やち とわ な  たえろ   ゾピテロ ないたし

 心の平穏とは、な、耐えろぞ、引いていろ/ ゾピテロ 泣いたし。


 ゾピテロは、西風ゼピュロス、あるいは、ジュピター神(ラテン語でIuppiter)と解釈可能。


(上から下へ)


 SI-TA-I-NA-RO-TE PI-ZO-RO-E-TA-NA DWA-TI-IKUYO-NI

 したい なろうて   ぴんぞろ えたな   とわち いくように

 慕い習いて/ 遺体になられたが、ピンゾロ得た様で、幸運だな。天国に行くように。

 日頃、慕っていたのに、亡くなられて(大変残念です)。でもピンゾロ得た様で、幸運ですね。天国に行かれます様に。


 ピンゾロとは、2つのサイコロを振り、2が出た状態ですが、石の台座の上部の窪みは、サイコロを振って出す器だろう。サイコロは、インダス文明の遺跡から出土している。

 この内容なら子供向けと見られ、刻まれた記号は、ファイストスの円盤やアルカロコリの双斧の場合と同様、子供向けに工夫された可能性があろう。


(2)記号1番をNI-SANと読む場合


(下から上へ)


 NI-SAN-JA-TI-DWA-NA TA-E-RO  ZO- PI-TE-RO NA-I-TA-SI

 にいさん や ちっとは、な、 たえろ   ゾ ピ テ ロ ないたし

 兄さんや、ちっとは、な、耐えろぞ、引いていろ/ ゾピテロ  泣いたし。 


(上から下へ)


 SI-TA-I-NA-RO-TE PI-ZO-RO-E-TA-NA DWA-TI-IKUYO-NI-SAN

 慕い習いて/ 遺体になられたが、ピンゾロ得た様で、幸運だな。天国に行くよ、兄さん。


 以上、(2)の解釈の方が理解しやすいので、NIとも SANとも読める記号1番は、NI-SANと読むべく、意図的に曖昧に書かれたと考えるべきだろう。



 3.四面体の印章


「地球ことば村・世界の文字」サイトで「クレタ聖刻文字サンプル」の印章のうち、下段「4面体の印章」の「b」。前出「Scripta Minoa」では、154頁の下部の「b」。日向数夫編「古代文字」の95頁、最上部にも簡略に掲載。石製4面体の横長の印章で、11個の記号は、「マリアの石の台座」の記号に酷似する。


(1)記号の音価


 左から右へ、1から11まで番号を付す。線文字Aに加え、インダス文字の音価を参考に、各記号に音価を付せば、次の通り。


 1番:線文字Aで、AとRUの合体したもので、A/RU。


 2番:本体は、線文字A「TI」+インダス文字風「TO-TUKI」。上部右端の支線バトンを(I/YA/SI/NO)とすれば、TI-TO-TUKI-(I/YA/SI/NO)。


 3番:左側に支線が突き出ているので、線文字A「TI-E」とし、「バトン」(I/YA/SI/NO)を加えれば、TI-E-(I/YA/SI/NO)。


 4番と7番:インダス文字のBA。


 5番:2番の記号を反転させ、インダス文字風の「目」を加えて、TI-TO-TUKI-(I/YA/SI/NO)-ME。 


 6番:2番を反転させ、上部の短い支線を省いた記号なので、TI-TO-TU。5番の右側の斜線と合わせれば、「目」が出来ているので、TI-TO-TU-ME。


 8番と9番:双方とも、2番を反転させた記号。但し、8番と9番の間に「目」(ME)が隠れているので、TI-TO-TU-(I/YA/SI/NO)-ME。


 10番:上部を舌(SITA)、全体を牛(USI)と見做せば、SITA- USI。


 11番:インダス文字のNA+横縞2本(NI/RA)で、NA-(NI/RA)。


(2)解読


 左から右へ、音価を選択しつつ、ローマ字変換すれば、次のとおり。


 A/RU TI-TO-TUKI-(I/YA/SI/NO) TI-E-(I/YA/SI/NO) BA

 TI-TO-TU-(I/YA/SI/NO)-ME   TI-TO-TU-ME BA 

 TI-TO-TU-(I/YA/SI/NO)-ME    TI-TO-TU-(I/YA/SI/NO)-ME

 SITA-USI NA-(NI/RA)


 A/RU   TI-TO-TUKI-(NO/YA)  E-TI-(YA/NO) BA

 TI-TO-TU-(SI)-ME   TU-TI-TO-ME BA 

 TI-TU-TO-(NO)-ME     TI-TU-TO-(NO)-ME

 SITA-USI NA-(NI/RA) 


(左から右へ)


 ある一月の知恵や。絵師の婆と示しつつ、飯と。婆、

 一つ飲め、ちっと飲め、

 慕うし。「なら」。


(右から左へ)


「何、親しめの」としつつ、ちと飲めば、ツバメとツキ目。飯としつ、

 婆の絵師の年月、やっと尽き/突き、土となる。


(3)まとめ


「バトン」を持つ「人」形の記号が6か所あり、それぞれ絵師、また片手に「杯」で、呑みかわす姿を表す。この文脈から、1番の記号は、怪しげな漫画を兼ねていよう。

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