表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

~子供としての生活~

早いペースですが5話まできました。

剣と魔法の物語まで長すぎ~

ジャムよ早く成長してくれ・・・あ、中身は43歳のおっさんだったね

異世界転生、強力なスキルや、かわいい女の子の仲間達とハーレム状態!悪者を倒しまくりチート勇者へと一直線!


そんな話、どこに行ったんだ・・・現実は、獣1匹殺せません・・・女の子だって、ムーアは確かにおっとり系のエルフ超美人、エッチな目で見てしまうこともある。だが、俺の母親だ、色々な意味でそこは不味い。

魔法も使えず、狩りもできない。ゴブリンっていつ倒すんだろう・・・


--------------------

あれから半年、狩りについては日々試したが、いざって時に矢を上手く放てない。もっとも、獲物を探し追う技術は上達したのだが・・・


シュッ、ドドッ


リトルイーバーと呼ばれているイノシシが倒れる。


「やったか」


「ああ」


もちろん仕留めたのはジーンだ。


「今日もダメだったな・・・」


「気にするな、それよりも血抜きをやってしまうぞ」


そういわれると、ロープを使いリトルイーバーを木に吊るし、首の動脈を切り血を抜いていく。未だに獲物を狩ることはできないが、死んだ後の獲物の処理はできるようになった。というか暮らしていくのに必要なことで、最初の方は酷く、獲物を吊るし、首の動脈を切った瞬間に嘔吐した・・・もちろん、様々部位に解体するときにもだ。43歳、大人だから大丈夫と言い切れなかった・・・転生してから初めての時は、食べることもできず、真っ青になって寝込み、ムーアが添い寝してくれたぐらいだ。その時ちょっと、エッチな気分になり少し元気になったことは内緒だが・・・


今でさえキツイ血抜き、せっかくの命、無駄にするわけにはいかないし、素早く済まさないと、他の獣や悪ければモンスターまで寄ってくるそうだ。今のところはジーンが警戒してくれていたり、血抜きをしながら、血の匂いをごまかす香草を巻いているから出くわしたことはない。


「うんうん、血抜きは上手くなってきたな。」


「ジーンのおかげさ」


「最初は火をおこすこともできないからどうしようと思ったがな」


ジーンは、大きく笑う。俺も苦笑いだ。


そりゃそうだ、マッチやライターなんてない。火の精霊サラマンダーの力を借りれば、まだ楽に火起こしはできるのだろうが、魔法も使えない。弓ギリ式火起こしなんてやった事はない。今ではスムーズにできるようになったが


「俺も何にもできない自分にびっくりしたさ」


「幼い頃のお前を思い出して、かわいく思えたからいいさ」


ジーンもムーアも俺がわからない事でつまづくと、子供の頃を思い出すと笑顔で教えてくれるようになった。まあ、今でも43歳のおっさんには変わらないのだが・・・現代の日本人がどれだけ自然の中で暮らしていけないのか思い知った。


「ジーン、そろそろ血抜きが終わる。」


ここに来てから半年は経つが、未だに父さん、母さんとは呼べていない。養子ってこんな感じなのかな


「よし、ムーアの所に帰るか」


リトルイーバー、リトルの名前が付いているだけあって、体格は小さい、とは言え元の世界で言うと豚ぐらいの大きさがある。血抜きをしたとは言え背負って帰るのは中々の重労働だが、日本にいた時よりも働いている感はある。


「ムーア、戻りました。」


「あらあら、リトルイーバー狩れたのね~」


「俺は、ダメだったよ。」


「そうなの~、まあ、晩御飯作りましょうかね~、ジーン、ジャム、解体を手伝っちょうだい。」


「はいよ」


ムーアは、多くは聞かず、リトルイーバーで料理を作っていく。プレッシャーに弱い俺としてはありがたい。


この世界の全てか、ジーン夫妻がそうなのか料理は質素だ、塩は貴重らしく、森で採取した香草と共にリトルイーバーの肉を焼いていく。その他は森で取れた果物だ。日によってこれがスープに変わるかだ。もちろん魚を捕まえて食べることもある。森の中に生息している小麦に似たものからパンに似たものも付くが元の世界に比べたら味は数段落ちる。日本の知識を使い改善したくもあるが、今は、日々の生活で精一杯、実家暮らしの時と同じようにお袋に任せられる所は任せっぱなしだ。いつかは、2人にも美味しいものを食べさせてあげたいな。


「今日も森の命に感謝を」


「「感謝を」」


ジーンの声に、俺もムーアも続く


「ジャムも日常に慣れてきたし、ここは、一度、成人の儀をやり直すか」


肉を頬張りながらジーンは話す。


「そうね~、そろそろ良い頃かもね~」


「成人の儀とは?」


「俺たち、エルフは、今でこそ平地にもクラスが、はるか昔では森で暮らす事のが習わしだった。その名残ではないが、一人前の証として、ひと月、1人で森に籠り、生きていく力があるかを試すものさ、まあ、お前は、とうの昔に終わらせたのだが・・・」


「なるほど、記憶が無い子供みたいな俺にとっては、うってつけという試練なんだな」


「そうだ、ここで命を奪う事を知り、一人前の森の民になっていく、どうだやってみるか?」


「やらせてほしい、俺もこのままで良いとは思っていなかった。」


「ならば、決まったな、ジャム明日の早朝より、お前に成人の儀を課す。」


乗り越えなければいけない事だやらなければ・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ