~助けてもらったが~
2話目書けました!
次に続くといいな~
夜が明けた。
結局、一睡もできなかった。
そして、狼達もどこにも行かない・・・・
手負いの獲物を置いていくはずはないって事か。
俺の状態はと言うと、昨夜からまったく変わっていない。
どうやら、超回復なるスキル持ちではないみたいだ。
いてて、てか、悪化してないか!?
この身体のせいか、依然よりも視力がいいみたいだ。
周りを見回す・・・森だな・・・
改めて自分の身体を調べてみるも服以外何も持ってない。
なんだ、この世界、優しくないぞ・・・
その時、一つの可能性が浮かんだ。最近のは、テイマー系も多かったはず、こいつらテイムできるのでは!?
「言うこと聞け!!」
ヒュー
風が冷たい・・・やり方が違うのか、能力が無いのか何も起きない・・・
「ギャン!、ギャン!」
うん、もしかして?!下を見ると何匹かの狼の腹に弓矢が刺さってる。
「ギャン!、ギャン!」
続けて矢が刺さり、狼達は蜘蛛の子散らすように逃げて良く。
「ジャム!いったい何をやっているんだ?」
木々の間から如何にもエルフという格好の男が声を掛けてきた。
てか、言葉はわかるのか!
ジャムとは、俺の事かはわからないけど、とりあえず助かったか。
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「ありがとう、助かったよ。」
やっと、木を降りながらお礼を言う。
「チープウルフなんかに襲われてるなんて、お前らしくもない。」
「この有様さ」
「回復魔法を使えば直ぐに治せただろう。それ以前にあいつらなんて、魔法を使えば一瞬で終わっただろう。一体何があったんだ?」
「それが、よくわからないというか、あんたは誰なんだ?俺は、××××」
あれ?
「××××」
日本語が話せない。
「ジャム、自分の親に向かって何を言っているんだ。訳の分からない声も出して、頭でも打ったのか?」
「頭は打ったらしい」
頭にできたたんこぶを見せる。
「困ったな、ふざけてるようにも見えないし、とりあえず家に帰るぞ、俺は回復魔法は使えないからな」
「うん」
助けてもくれたし、今はこの男に従うか。
帰りながらも、男に話掛ける。
「さっき、親って言ってたが、親ならなんで子供を朝までほおっておいたんだよ。」
「ジャム、何をそんな甘ったれた事を言っているんだ?」
「甘ったれてるというか、その甘そうな名前も俺の名前なのか?」
「そうだ、本当にやばそうだな。俺の名前も母さんの名前も憶えてないのか?」
「すまない」
というか、日本のサラリーマンという記憶しかないが・・・
「俺は、ジーン、お前の母さんが、ムーア、俺たちの名前を使ってお前をジャムにしたんだぞ」
ジーン、なんかすぐに死にそうな・・・その場合、俺が、よくもジーンをって言うのか?!
「それに、我々エルフは、長寿な上、成長もゆっくりだから、お前もその見た目でも中身は43歳だろう」
「ぶっ!!、43歳?」
「ああ、何を人間の子供みたいに甘えてるんだ!」
43歳って、日本での実年齢じゃねーか
「見た目は、幼く見えたって、ちゃんとした成人なんだから、一晩帰らないぐらいで心配するはずないだろう。」
「そ、そりゃそうだな・・・」
「しかも、お前は、精霊達に選ばれた者、精霊魔法を使えば、そこら辺の獣なんて敵じゃない。」
そんな感触まったくない・・・
「魔法って、どう使えば?」
「そこもか!エルフにとって、精霊は親しい友人であり、常に感じられるものだろう。」
何にも感じられん。
「いや、何も・・・」
「これは、いよいよヤバいな、父さんに捕まれ、急いで帰る。」
そう言うとジーンは、俺をおぶり
「風の精霊シルフよ、我が歩みを助けたまえ」
言った瞬間、ジーンのスピードが上がる。木々を軽々と乗り越え、ある大樹の上に
枝が重なりあいログハウスみたいなものができている。
「ムーア、帰ったぞ、ジャムが変なんだケガもしている見てやってくれ。」
ジーンが、俺を連れて入ると
「まあ、どうしたのかしら?」
とぼけた声と共に、凄い美女が出てきた。ジーンの時は、流していたが、エルフというのは、顔が整っているんだな。
「ジャムに何かがあったみたいで、俺たちのことも憶えてないんだ。魔法も使えなくなったみたいで、とりあえず、ケガから治してやってくれ。」
「そうなの~、びっくりね。お母さんのこと覚えてない?」
「すまないが」
「困ったわね~」
あれ、ちょっと、目が怖いな
「まずは、ケガから治すわね。水の精霊ウンディーネよ、癒しの水で包みたまえ~」
俺の周りをうっすらと水が纏い、少しづつ、少しづつ傷が癒えてゆく。
「あら~、おかしいわ、ぜんぜん治らない~」
「本当だ、精霊の加護があるお前なら、そんな傷直ぐに、治るだろうに」
2人が困惑している。
「いや、少しづつ治ってるから」
「遅すぎるんだよ。ちょっと、待ってろ」
その間も、ムーアさんが回復魔法を掛け続けてくれる。
「ジャム、これを持ってみろ」
ジーンが奥から水晶のようなものを持ってきた。
「これか?!」
俺は、軽くつまむ。
「光らん!?」
「あらあら、どうしましょう」
「どうした?」
「ジャム、お前、精霊の加護が無くなってるぞ!!・・・」