昏い想い
ちょっと暗い雰囲気です。
うわぁ・・・暗ぁ・・・と思いながら書きました。
「うええええええええ!!もう男なんてやだぁ!」
「ねえきいてよ!」から始まる愚痴は、この一言に終始する。
やれ今度の男はここがひどかっただの、あれもそれもテキトーでわたしのことをなんだと思ってたんだろう、ねえねえりおはどう思う?など。
落ち着かせるために、彼女の大好きな、あまいあまいカフェオレを淹れる。
「りおがいちばん!わたしのことをわかってくれるのはりおだけ!わたしにはやっぱりりおしかいないよぉぉぉぉぉ。」
ベッドに腰掛け足をばたつかせる様は、まさにこども。
「はいはい、わかったわかった。」
—————なんて軽薄なウソ。
他に男ができてしまえば、今すぐにでもわたしのことなんか忘れてしまうくせに。
わたしを必要とするのは、いつだって慰めてくれる男がいないときだけのくせに。
誰かの代わりなのに、そんなことを言う。
彼女の細い首に手をまわすと、ひやりとしたチェーンが触れる。
思いっきり引けば、たやすく自分のものにできるだろう。
わたしはこんなにもあなたをみてるのに。
いまなら、わたしだけをみてくれる。
「ねえりおってばぁ、きいてる?」
「・・・きいてるよ。」
そんな方法で手に入れても意味がない。
息を吐き、顔を上げる。
「ストレス発散に、遊びに行こうか。」
「やったぁ。やっぱりりおがいちばん!!」
今はこのままでいい。わたしがわたしになれたとき、彼女を奪おう。