表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

かいこ。


冬のある日。


1日を終えて夜布団に入る。


さっきお風呂に入ったばかりだからかまだ体がほんのりと温かい。体温と布団の冷たさの対照的な刺激がどこか心地良い。


呼吸をする度に歯みがき粉のミントを強く感じる。


目を閉じれば頭はぼんやり、口元はひんやり、その対照的な感覚もまた心地良い。


まぶたを閉じれば暗闇の中で、自分の呼吸の音が耳を支配する。



こうなれば眠りに落ちるのはいとも容易いことのように思えるが、僕の場合は違う。




なぜだかわからないが急に今日のこと、昨日のこと、先週のこと、そしてそれが加速して最終的には幼稚園に入る前の幼い頃のことが頭の中に現れる。


別に自分が思い出そうとして現れるわけじゃない。

思考だけが意思をおいて勝手に過去に向かって走っていってしまうような感じと言えば伝わるだろうか。


現れる内容は大抵美しいものばかりで、僕は過去の自分を羨ましがり、時には嫉妬する。



つまり僕は毎日寝る前に回顧して懐古しているわけだ。



時代の歩みがとても速い今の世の中では懐古というものはどこかダサい、くだらないような行為だとされている。


けれども僕は成長し、二十歳前になっても未だに過去に囚われている自分に呆れながらもどこかいとおしく感じている。




しばらくすれば意思から離れすぎた思考は煙のように消えてしまう。いつ寝たのかもわからないまま僕は次の日の朝目覚める。


その時にはもう意思と思考は一緒にいて、これから始まる1日のことだけをかんがえている。






読んでくれてありがとう。

あなたに小さな幸せがありますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ