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文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第四章 学生達の夏
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第80話 暗示

「ふふっ・・・そろそろ接触させてみても良いかも知れないわね。」

私は本棚に囲まれた空間で紅茶を啜る。

ペラリ

目の前の本のページが捲れた。

そこのページには文字が記されていない。

「あら、また人類が滅んじゃった。」

はぁ・・・やはりこの試練は人類には辛過ぎるのかしらね。

生物は争いや、飢饉といった危機に瀕すると、進化する。

それは人間とて変わらない。

これは神全体での共通認識であるし、今回も異世界から呼び出した二人の知識を【魔道具仕掛けの改変】を暴れさせて人類を危機状態にしようと考えているのだけど・・・

「なんで、この前まであったのに生存ルートが無くなるのよ~っ!」

あ~イライラする。

折角あの子の事を想像しながら、紅茶を飲んでこのイライラが収まって来た頃なのにっ!

「こんなもの~っ!」

私は今まで眺めていた本、

もとい、”世界共栄”の運命(シナリオ)を封印しようと試みる。

この本を封印してしまえば、私の世界のこの運命(シナリオ)による変化が止まると同時に、私が命令違反を起こしたと認識され、然るべき罰を上位神から受けるだろうが、今の私にはそんなことどうでも良かった。

今はこのどうしようも無い状況から逃げ出したいっ!

けど、その為にはこの運命(シナリオ)を封印しなければ・・・封印・・・封印・・・あっ。

私は今まで定まっていた人類生存ルートの一文を思い出す。


”特異点【魔道具仕掛けの改変】が人類の八割を惨殺の後、『自らを封印する』”


そうよっ!さっきまでの運命(シナリオ)は、【魔道具仕掛けの改変】が自らを封印していなかったわ。

そして、生存ルートが無くなったのはつい最近。

私は運命(シナリオ)のページを現在まで戻し、原因を探る。

「・・・あった。けど、これなら尚更あの子を接触させるべきね。これ以上魔法は創らせては封印が出来ないもの。」

そう呟いた私は早速あの子へ念話を飛ばした。


▒▒▒


「うぅん・・・ふわぁ~・・・」

私はあの方からの念話を受け、体を起こした。

「さぁ。やらないと。」

寝台から静かに移動し、あの少年の部屋へ侵入する。

そして、少年の額に触れると、この前よりも少し強力な”暗示”をかける。

(ん~余り気が進まないけど・・・仕方ないか。)

そうだね。

この”暗示”は路地でたまたま見かけた強姦が使っていた(スキル)だ。

人の頭の中というか、人の思考の中をぐちゃぐちゃと弄る感覚は余り好きでは無いのだが、一度使ってしまえば効果は絶大なので、中々使い勝手の良い(スキル)だと思う。

・・・しかし、今回のあの方からの指令の意味が分からない。

竜種に対しての恐怖心を植え付けろと言われたって、竜種に興味を抱いたところでいったい何の問題があると言うのか。

まぁ、あの方の言うことだからきっと意味があるのだろうけど。


私は様々な疑問を浮かべたまま”暗示”をかけ続けた



ここまで来たらもう【魔道具仕掛けの改変】の正体分かった人もいるんじゃないかな?

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