表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第四章 学生達の夏
80/113

第72話 ステンレスナイフ

今回も隼視点です。

男達は俺を殴った後、そのまま倒れた俺を見て、動けなくなったとでも思ったのか今度は少女の方へ体を向けた。

「お前、またそんなよく分からん石ころ売ってんのか。さっさとお家へ帰れってってそういやもうそんなのも無いんだったな!どうせこれからもこんなもん売れねぇんだから、俺達が代わりに店畳んでやるよ!」

俺を殴った奴とは別の男がそう少女へ言い放つと緑色をした石の入った箱をひっくり返した。

あれは、孔雀石ではなかろうか。勿体ない。

ここまで危害を加えられれば多少の反撃は許されるだろう。

そう思った俺は地面に寝そべったまま鬼火(フレア)を俺達の頭上で発動させた。

久しぶりだったが、割と上手くいったのではないだろうか。

「あちぃ!頭が燃えてるっ!」

「クソっ!こんなことしたのはどこのどいつだ!」

「ひぃ!お、俺の髪がぁぁぁぁっ!」

頭上に着火された三人は三者三様の反応をしている。

やばい。なんかテンション上がってきた。

俺はその舞い上がってきたテンションのまま背後に四つ鬼火を出現させ、立ち上がった。

もちろん背後の鬼火には全く意味はない。

ただ、そろそろ三人の頭皮が取り返しのつかない事になりそうだったので頭上の鬼火は消してやった。

当たり前といえば当たり前なのだが、上の部分の髪だけ燃えたので三人とも、なんだっけ・・・そうっ!ザビエルのようになっていて思わず笑いそうになる。

「さぁ、次は右手?、左手?それとも・・・」

俺は相手から分かりわかり易い様に股間へと視線を動かす。

こういう連中は基本的に多少のプライドはあるものの、それよりも損得感情の方が大きいので、自分の息子を燃やされるとなれば、ほぼ確実に逃げ出すだろう。

「クソっ!お前ら行くぞっ!」

「「は、はい!」」

俺の目論見どうりザビエルズはどこかへ去って行った。

冒険者始めたばかりの時はよく失敗することも多かったが、やっぱし経験に勝るもの無しと言った所か。

「お兄さん。ありがとうっ!」

少女が咲くような笑顔でお礼を言ってきた。

はぁ、癒されるぅっ!

学校では、基本的に人との接触が乏しいし、冒険者時代も助けられるのが当然と、お礼を言ってくれる人は少ない、冒険者をやっている人は自然とこの少女の様な心からのお礼は格段に嬉しく感じる様になるのだろう。

優しい人多いからな。冒険者は。

心からのお礼を受け、余韻に浸っていた俺に誰かが声をかけてきた。誰かと思うとそこには俺が寄った店の店主が立っていた。

「いやぁ、凄いね君。あいつらだいぶ前からこの子に絡んでいたんだけど、誰も止めに行けなくてね。助かったよ。それと、君が買ったその石は何に使うんだい?」

笑顔の老人が感謝してきたが、本題は後半の方だろう。

「あぁ。俺が使う魔術に必要なものなんですよ。」

「そうか。そうか。どれ、少し見せておくれよ。」

今は少し気分がいい。少しくらい見せても良いかな。

「分かりました。」

まぁどうせいずれはやる作業なんだし・・・

俺は腰に着けていたナイフを取り出した。純鉄なので、ナイフといえどかなり重い。

錬成はそこまで珍しいわけでも無いので、隠す為に鬼火を出現させた。

この世界の住人が使う錬成は、基本的に形を変えるくらいが限界だが、俺の錬成は物質を元素レベルまで分解して再構築するので、ただの錬成と言い切るには少し無理がある。

俺は取り出したナイフを横に置き、まずは紅鉛鉱と、針ニッケル鉱から、必要な分のクロムとニッケルを分解し、塊として再構築した。そして、ナイフの鉄と、クロム、ニッケルを錬成する。

ステンレス鋼の元素構造は思い出せないので、今度はそれぞれを超微細な粒と考え、混ぜる様なイメージで構築する。

すると、目の前には少し色の薄くなったナイフと、元と同じ大きさに揃える際、不要になった鉄が転がっていた。

すぐさま、ナイフを持ち、様々な角度から眺める。うん。我ながら良い出来だろう。

そして、俺は重大なミスを犯している事に気がついたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ