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文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第四章 学生達の夏
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第69話 出発

旅行当日・・・

隼達はジョンと合流し、馬車で火山島へ向かっていた。

その後ろには、荷物を積み込んだ、別の馬車(ジョンの部下が馭者)が走っている。

馭者のジョンを除く四人が乗り込んだ馬車の中では一人、金属の筒に囲まれた隼が周りの雰囲気から浮いていた。

「それにしても暑いですねシンタロウ様。それと、その金属の筒はなんだ?答えろ寄生虫。」

「ちょ、コハクさん・・・」

コハクが隼を睨むのをガジャが止めようとするが、隼はその質問に答えた。

「あぁ、これは”魔法瓶”だな。」

「えぇ・・・それでいいんスか!?」

「慣れろ。これが俺達の通常運転だ。」

ガジャが食い下がるのを慎太郎が制す。”諦めろ”と。

「魔法?魔術ではなく?」

「確かに魔術瓶も飲み物を冷やす事の出来る優れものだが、魔力(マナ)をいちいち注がなきゃいけないだろ?だがな、この魔法瓶は、飲み物をいちいち冷やすのでは無く、冷やした飲み物を温まる事の無く保存する事が出来るんだ。こんな風にな。」

そう言って隼はコハクに魔法瓶の一本を差し出す。

コハクは、魔術陣などが無いかこれでもかという程調べてから中身の飲み物に口を着ける。

「・・・!?冷たいっ!それと、なんですか、この妙に酸味のある飲み物は?」

「ふっふっふ・・・それは、人が生きていくのに必要な成分を詰め込んだ飲料だ。酸味は後から別に味付けしたが、そんぐらい酸味とかあった方がさっぱりするだろ?」

「確かに・・・というか、こんな物をそんなに作るなんてやっぱり、博号(アチーブメント)取ってから、貴方、暇してましたね?」

「まぁ、確かに暇はしていたが、これは必要だと思って作ったんだよ。火山なんか行って、生温い水なんてものしか飲んでなかったら、確実に倒れるからな・・・」

「というか、隼。これってスポーツドリンクだろ?」

そろそろ会話に混ざりたくなり、魔法瓶の中身を飲んだ慎太郎が隼に問う。

「んまぁ、そうとも言う・・・」

「ハヤテ、俺も貰っていいっスか?」

「・・・うん。いいよ。持ってけ。」

この世界で初めてスポーツドリンクを生み出した人として、新しい名前を付けたかった隼は肩を落とした。

慎太郎が今、コハクとガジャの前で明言した事でその道の可能性は潰えたからである。

「まぁ気を落とすなって。代わりに魔法瓶の仕組みを教えてくれよ。」

「・・・」

慎太郎が隼へそう囁くと、隼はどこからともなく黒板を取り出し、まずは熱伝導についてまとめ始めた。

(やっぱし、隼は科学の事考える時が一番機嫌良くなるんだよなぁ。)

慎太郎は急に生き生き仕出した親友を眺めながら、”やっぱり全然理解出来ねぇ”と理解するのを諦めたのだった。



夏休みはかなり投稿出来ていましたが、これから、こんなに更新出来なくなると思います。

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