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文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第四章 学生達の夏
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第60話 夏至祭直前

今回は前半が慎太郎、後半が隼目線です。

夏至祭当日の朝。

校内のどこを歩いてもこの話題で沸き立っているのが分かる。

そんな様子は研究室群前の廊下も変わりなく、俺は隼とガジャを連れて食堂へ向かっていた。

何やらガジャが異様に興奮している。

完成した花火でも見たのかな?

「そういや、もう花火って完成したのか?」

「あぁ。これから飯食った後は、マテリアル達のセッティングで精一杯だよ。」

隼が自慢気に答えてくれた。

けど、”達”?

「確か、隼の作ったマテリアルってアレ一機だけじゃなかったか?」

「いや、さ。俺、国に製造権を献上したじゃん?」

「うん。」

「ンで、アレクの命で大量生産されたらしいんだけど、結局今は新型が開発されて俺の作った旧式は製造を中止、後は資源として再利用されるだけだったのを最初で最後の仕事だって借りてきたんだよ。」

「ふ~ん、で、結局上手くいきそうなのか?」

「まぁな。マテリアル総台数五十台。花火の数はちょっとした大量生産したおかげで二百発。最初思ってたより遥かに規模はデカくなっちまったけど、上手くいきそうだよ。」

「そうか。楽しみにしとくわ。」

「おう。楽しみにしとけ。あぁそういや、もう時期夏季休業ってあるだろ、その期間使ってまた俺と慎太郎とコハクでひと狩りいかないか?」

隼が提案をしてきた。隼が自分から狩りへ行こうなんて言い出したのはあの、森海月(モリクラゲ)の一件以来だろうか。

「まぁいいが、もうどこに行くとか決まってんのか?」

「今んところは火山に行こうかなんて考えてる。」

「は?」

理解出来ない。なんでわざわざ夏に暑い場所へ行こうとしているのだろうか?

「いや、これにはれっきとした理由があってだな・・・」

隼が俺の顔を見て慌てて弁明し始めた。

・・・不機嫌になったのがそんなに顔に出てしまったのだろうか。

「最近”錬成”を割かし使いこなせる様にもなってきたから、金属類とかも取って来たいんだよ。そしたら、慎太郎の大剣とか他の金属と掛け合わせた合金とかにして性能を高められるだろうし、前から頼まれてたガジャの武器もやっと作れるからな。」

そう言いながら隼はガジャの方へ向き返った。

「すまんな、ガジャ。頼まれてたのやっと作ってやれそうだよ。」

隼が声をかけると、ガジャは首を横に振る。

「いや、ハヤテに暇も与えない様にしたのはこっちっスから気にしないでください。それと・・・一つ頼みが・・・」

ガジャの頼みって一体?

「その狩りに連れて行って欲しいんスけど、いいっスかね?」

その頼みは至って普通なものだった。


~~~朝食後~~~


「はぁ~これであと、十五台だぁ~」

俺は夏特有の暑さに心も体も蝕まれながら、本来二時間ある筈の作業時間を一時間まで短縮して、急ピッチでセッティングを進めていた。

「くそぉ。こんだけ人を急かすなら、増援くらいくれてもいいじゃねぇか。あのクソショタジジィィィィィィィィッ!」

あ~イライラしてきた。今の校長に聞かれてないかな・・・聞かれてたら多分校長への暴言で退学処分なんだけど・・・

「お~い。なんか叫んでいたけど、どうしたんだ?」

猛烈な直射日光に照らされ続けた俺に声をかけたのは、手伝いに来てくれた天使ではなく、何故かマグカップの中に淹れたての、それもまだ冷めていないお茶を持って来た悪魔でその隣にはフェルもいた。

「まぁまぁ、ハヤテ君。これでも飲んで落ち着きたまえよ。」

普段とは違う丁寧な物腰が余計に腹立つ・・・

「なんですか?先生は作業の邪魔をしに来たんですか?こんな事になったのも八割くらい先生が悪いと思うんですけど・・・」

「あはは、ハヤテ君君はいつからジョークなんて覚えたのかなぁ。今度僕にも教えてくれよ。」

違う。決してジョークなんかじゃない。こんな事になったラルグ先生の悪い割合は八割でも少ない。寧ろ、十割ラルグ先生が悪いと言っても良いくらいだ。

「確かに、校長の前で花火の存在をバラしたのは謝るけど、別にハヤテ君なら困らないだろう?」

「なら、あと、開会式まであと、三十分。残り十五台。セッティング手伝って下さいよ。」

「わーた。分かったよ。手伝ってやる。」

それから、俺と先生で作業を終わらせた頃、

夏至祭の開会式が始まった。


_(ˇωˇ」∠)_ スヤァ…←書いてる時の松房

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