表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第一章 ケモ耳との出会い
6/113

第5話 アレクガランに向けて

「申し訳ございませんでした!!!

どうか命だけは!!!命だけは許して下さい!」

そう言って土下座する男と、それを受ける男、

そして退け座している男を見つめる男女。

退け座しているのは隼でそれを受けているのは

コハクの父・ジョンだ。

「どうか頭を上げてください!

命と娘の恩人の命なんて取りませんから!」

「じゃあせめて何か私に出来る事があればなんなりとぉぉぉぉ!!!」

中ば発狂して頭を振り回している隼の退け座にジョンはオロオロしている。

そんな隼をコハクと一緒に見ていた慎太郎は隼

の後頭部を掴み、その顔を正面から見つめる。

「まぁジョンさんもそう言っているんだし、そのまま水に流してもらおうぜ。」

「け、けどぉぉぉぉ!!!」

隼は渋る。

そんな三人を見てコハクは

なんなのこのカオス!

と心の中で嘆くのであった。

まずどうしてこうなったかといえば

隼がスライム爆弾を投下→爆発して辺りに爆炎が広がる→近くにあったキャラバンの荷馬車に引火する→結果8台(コハク専用車含む)あったキャラバンの馬車が5台まで減ってしまう→一旦冷静になる→想像のつく自身に降りかかる罪の数に揺り動かされ、隼が中ば発狂気味に退け座している訳だ。

「ほら慎太郎君の言うとうりだよ!私は何も取らないから落ち着いて!!!」

そしてジョンがオロオロしながら宥めた。

しかし、

「そんな訳にはいきませんよぉぉぉぉ!!!」

隼の発狂退け座は収まらない!

先程の戦闘の恐怖や焦燥が一気に押し寄せて来ているのだろう。

そんな隼に二人が困惑していると、荷馬車の中から額に青筋を浮かび上がらせ手には金属の部分に幾何学模様があしらわれたトンカチの様な物を持ったコハクが出てきた。

「おい、コハク、それは・・・・・・!」

「コハク、それは何?」

コハクの手に持っている物に疑問を抱く慎太郎。

その横ではジョンが戦慄の表情を浮かべている。

「うふふ・・・慎太郎様。これは意思の強さに比例して叩いた時の衝撃がます戦鎚・・・トンカチです」

今のコハクは一見笑っている様に見えても目が笑ってない。その可憐な瞳のハイライトが消え、狂気と殺意を纏っている。

「こ、コハク流石にそれは使わなくていいんじゃないか?」

ここですかさずジョンの制止がかかる。

しかし、

「お父様、言葉では解決出来ない事もあるんですよ・・・・そんないつまで経ってもうるさい奴なんて殴って気絶させればいいんですよ。」

そしてコハクが・・

「「ちょ、ま・・・」」

「死ねぃこのクソ虫がぁぁぁぁー」

グシャ!・・・

女の子が言ってはいけない様な暴言と共にトンカチを振り落とし、隼の頭からはなってはいけない音がした。

「「・・・・・・・はぁ」」

ジョン、慎太郎、コハクは手負いの隼を残った馬車に放り込み、道を進んで行くのであった。

馬車に揺られること一時間今回の目的地が見えて来た。

「そ、そう言えばコハク、今から行く街ってどんな所なんだ?」

「えーっとですね、あそこにそびえ立っている壁の奥が要塞都市 アレクガランです。

もし慎太郎様とそこに寝ている爆弾魔がお仕事をお探しなら一度ギルドに登録してみてはどうでしょうか?」

「おぉギルドがあるのか!」

ギルド・・・なんていい響きだろう。

ちなみに隼は荷馬車の中にあった回復薬(?)

で傷は塞がったもののまだ気絶している。

死んではいない。

隼は気絶しつつ、慎太郎はこれからの冒険に思いを馳せ、コハクは人知れず覚悟を決める。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 退く座?土下座じゃあ無いんですか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ