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文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第四章 学生達の夏
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第52話 アレクと取り巻き

「すいませ~ん。ハヤテ君いるっスか?」

「お~いるぞ。」

ノックに対して隼が軽く応えるとガジャが扉を開く。

部屋に入ったガジャはもはや定位置と化した椅子へ腰掛け、鞄から書類を取り出すと早速作業を始める。

(どうせ、また後から慎太郎辺りが来るんだろうな。けど、流石に一つの部屋に五人も入ると椅子も足りないし、少し手狭だな・・・)

隼は最近友人の溜まり場になっているこの研究室の増設計画を脳内で立てていると、ガジャが自分を呼んでいる事に気がつく。

「あの、以前相談した事ってどうにかなりそうっスか?」

「あぁ、大体構想は出来たから、後は作るだけだけどその前に色々許可とか取らなきゃいけないしまだかかるかな~」

隼が以前受けた相談とは夏至祭の大トリ。そのイベントのあれこれをガジャが丸投げされたというもので、ガジャは何となく隼なら何とかなるだろと思い、相談したのだ。

だが、ガジャは”許可”という言葉に反応する。

「あ、許可なら僕、委員ですし、貰って来ますよ。誰に貰えば良いんスか?」

ガジャの言葉に隼の表情がパァーっと明るくなる。

「え?マジで!?有難う!」

(よっしゃ!王子の所に交渉とか行くと取り巻きの女子とかに無茶苦茶睨まれるしガジャには犠牲になって貰おう。)

「で?いったい誰に許可を貰えば・・・?」

「あぁ。うん。アレク殿下に貰って来て。隼の変わりにマテリアルの製造許可を貰いに来たって言えば大体通じると思うから。」

「あ、アレク殿下にっスか・・・分かりました・・・」

その名前を聞いて受けなきゃ良かったと後悔するガジャであった。


それから、二十分後。


さっきまで静かだった筈の研究室。

「ふむ・・・。」

そこには若干不機嫌そうに眉を顰めたアレクが床に正座した隼を眺めていた。

周囲にはアレクの取り巻き達が軽蔑を孕んだ視線を隼に向けている。

「なぁ。ハヤテ君。いや、ハヤテ=ノグチ。ここからは友人としてでは無く、王族として言わせて貰う。」

隼は感じたことのない様な重圧に息を飲む。

(これが王族の風格ってやつ?ヤベーなうん。)

「お前が申請してきた此度のマテリアルの製造、及び利用の許可だが何故ゆえ必要になった?」

アレクの質問に隼が多少狼狽えつつ答える。

「げ、夏至祭の最後の演出をしてくれないかとそこにいるガジャに頼まれ、その演出にマテリアルを使おうかと。」

アレクは取り巻きの中に紛れるガジャに向かって問う。

「それは誠か?」

いきなり自分に視線が集まり驚くガジャ。

「は、はいぃっ!」

「そうか。」

アレクはガジャの返答に頷くと、目線を隼へ向ける。

「では、此度の無礼どうするつもりか聞かせて貰おうか。」

「ぶ、無礼でございますか・・・」

アレクの言葉に戸惑いを抱く隼。

そんな表情を浮かべた隼を見てアレクは口を開く。

「どうやらお前に無礼を働いたつもりは無いようだが、王族に無礼を働いた事に変わりはない。何か罰をを与えねばならんが・・・そうだな。お前が決闘祭(フェスタ)の時着用していた鎧の製造権と製造法を献上して貰おうか。」

「え?」

隼はその言葉を聞いて更に戸惑う隼。

(え?なに?どんどん話が進んでくんだけど。何周りも頷いんてんの!?)

それから三分程するとアレクとその取り巻きは部屋を出ていった。

「「はぁ・・・」」

取り残された隼とガジャはテーブルの上に置かれた紙に気がつく。


『ハヤテ、ガジャ、すまない。

君達は知らないだろうが貴族や王族の間では何か頼み事をする時本人が来ないのは無礼と取られるんだ。私は気にならなかったのだが、取り巻き達が五月蝿くてな。何より王族としての威信が掛かっていたのでな、許せ。

それとあの鎧の製造権だが、私が持つというだけで、使用や、製造は特に縛らないので気にしなくていい。だが、鎧の販売や、譲渡は認められないので気を付けて欲しい。

アレク』

紙には文章と共に”マテリアルの使用を許可する”と書いてある紙が挟まれていた。

「貴族って大変だな・・・」

「そうッスね。」

二人は天上を見上げるとそのまま溜息をついた。





アレクさんが出てくると長くなるな・・・・

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