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文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第三章 学校行事とエルフと
34/113

第30話 礼服の準備

今回から新章突入です。

「ほら、起きろ~隼~」

「ん・・・あぁ・・」

”マテリアル”を完成させた翌日、隼は慎太郎のそんな一言で目覚める。

「あぁ、慎太郎。おはよう。」

「おはよう。よし、じゃあ飯食い行くぞ。」

「おぉ・・・」

隼と慎太郎はそんな短い会話を交わすと、部屋の扉を開け、食堂を目指す。

ガジャはもう扉の外で待っていた。

「おはようっス。」

「んあぁ、おはよう。ガジャ。」

そうして、三人は食堂へ向けて歩き始めた。

その道中ガジャが隼に尋ねる。

「そういや、ハヤテ。」

「うん、何?」

「昨日両肩脱臼したらしいっスけど大丈夫なんスか?」

ガジャのその問いに隼は頷く。

「んまぁ、そうだけど、何処でそれを?」

「いやぁ、僕、コジロウさんと仲良いんスよ。

それで昨日コジロウさんに廊下で会った時に聞いて。」

「そうか、まぁ保健室の回復術士らしい人に一瞬で治して貰ったからいいんだけど。」

「へ~この学校の保健室にはそんな凄い人いるんだな。」

隼とガジャの話に慎太郎も参加する。

「ん?慎太郎が入ってるのって騎士育成科だよな?

なんかそこが一番保健室利用してそうだけど違うのか?」

「いや、俺はまだここ来て一度も怪我してないから。」

隼は慎太郎のその言葉を聞き、今まで慎太郎が見せて来たチートスペックを思い出す。

「確かに慎太郎に怪我を追わせる方が難しそうだな。」

「え?慎太郎さんってそんなに強いんスか?」

「うん・・・強いよ。」

ガジャの質問に隼は据わった目で答える。

「それだったら僕、慎太郎さんと一戦やってみたいっス!」

「うん、いいよ。」

この後、慎太郎と闘ったガジャがボコボコになり、保健室行きになったことをまだこの時のガジャは知らない。

そんなこんなで食堂で朝食を食べた後、三人はⅡ組の教室へ向かう。

その日はオルタ先生から明日の入学式の詳細が聞かされた後、授業も講義もないと言われ、解散となった。

なんでも講師陣はその入学式の準備があるそうな。

解散と言われ急に暇になった隼と慎太郎は明日の入学式に着て行く礼服をどうするかという話になった。

そこにガジャが入り、いつもの三人になる。

「それなら一度アレクガランに出て、貸し物屋に借りに行ったらどうスかねぇ?」

「そんな店あるのか?」

「はい。良かったら僕が案内するッスよ。」

「それじゃ、頼むわ。」

そして、三人はアレクガランにある貸し物屋へ二人の礼服を借りに行った。

この世界の礼服は黒い生地に金の縁取りが施されたとても格好良いまるで軍服の様な礼服だった。

「はい。二人分で千八百十八ベンになります。」

「う・・はい。」

貸し物屋の恰幅のいいおばさんは笑顔で隼が差し出した金を受け取る。

「ではまたのご利用をお待ちしております~」

財布から大金が消えた隼の顔は悲壮感たっぷりだった。



追加情報

一ベンはじゃがいも一つ分としていましたが、

日本でのじゃがいも(メークイン)の平均価格は十キロ二千八百円(一個八十グラムとする)なので、計算すると、一ベンは約二十二円になり、

ギルド登録料は百ベンで二千二百円。

礼服は二人分で四万円ということになります。

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