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文系剣士と理系魔道士の六年傀儡記  作者: 松房
第二章 そして学校へ
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第14話 入学試験

「うお~やっぱ近くで見るとでけぇな~」

「そうですね、慎太郎様。」

「受験受付そっちらしいぞ。早く行こうぜ」

そうして、三人は国立騎士戦闘魔術師養成学校の校門をくぐる。

「予想はしてたけどやっぱ受験生多いな。」

周囲は獣人や、貴族、平民っぽい人達で埋め尽くされてる。

それもそのはず、何せこの世界には学校は少なく、中でも卒業と同時に行きたい進路に必要な資格が取れるとあってこの国立騎士戦闘魔術師養成学校は人気で、倍率は五倍。五人に一人が受かるという計算になる。

そんなことを考えながら三人が受付に着くと、

身分証の提示を要求される。

当然ながら身元不明な輩を学校に入れる訳にはいかない。

隼が受付の教師にミラープレートを手渡すと

教師にこんなことを言われる。

魔道士(マジックヒューマン)?私も長く教師をやっているがこんな才能見たことない。

少し詳細を見してくれるかい?」

「あぁ、はい。いいですよ。」

その言葉を聞いた教師は暫くミラープレートを眺めてからこう言った。

(”失敗者(ルーザー)”持ちか、ここは他人に見せないようにちょっと話を盛ってやるか)

「多分この才能はこの世界を常識を崩し兼ねない。本当に信用出来る人じゃないとミラープレートを見しちゃ行けないよ。」

「はい。分かりました。えっと、受付して貰えたんでしょうか?」

「あぁそうだったね。はい、これ受付票ね、

自分の受けたい学科に丸をして、その学科の試験会場にいる先生に渡せば入れて貰えるからね。」

「ありがとうございます。」

「いえいえ、じゃあ頑張ってね。」

そうしてその教師は「次の人~」と列を進める。

(やたらひょろひょろしてたけどいい人っぽいな)

そんな様子を見て振り返ると隼は置いてあった鉛筆で”魔道工学科”に丸を付ける。

この学校には四つの学科がある。

まず、”騎士育成科”若き騎士や、剣士を育成する学科。慎太郎がここを受験する筈だ。

二つ目が”魔術科”騎士育成科と同じく、若き魔術師の育成を行う学科。

上二つは将来国に仕えたい人が集まっている。

三つ目が”魔闘士育成科”魔法と近接戦闘を併用する”魔闘士”を育成する学科だ。

ここには将来冒険者となり、活躍したい者達が集まる。確かコハクがここを受験するらしい。

そして、最後に”魔道工学科”。

ここには直接戦闘に関わる事は少ないが、魔道具を制作し、世の役に立ちたいという者達が集まる。

そんなふうに将来は世のため人のために働きたいという者達が集まる中、慎太郎と隼はここに集まった志高い若者とはまた違った思いで試験に挑む。

その思いとは、(是非とも、学園ものでよくあるテンプレを見てみたい!)というものだった。

二人がそんな思いを抱いているとはいざ知らず、試験は始まった。



まず、初めは、皆さんご存知ペーパーテスト。

だがしかし、もちもん地球の様な科学に満ちた物でなく、やれ、呪文だの、やれ、魔法陣だの、

日本の厨二病達が見たら悶絶するであろう魔法学の難問が勢揃いしている。

だが、今の二人はかつての二人はもう違う。

異世界で遊び倒したい衝動を抑え、二年勉強漬けの日々を過ごしてきた二人には赤子の手をひねる様に・・は行かなくても、何とか全て解ききる事が出来た。

(けど、こんな問題、俺TUEEEEみたいな人がいたら簡単に解いちゃうんだろうな。)

そして異世界学園ものでお馴染み実技テスト。

内容は人型の模型を破壊するというものだったのだが、よくラノベなどで書かれているのとは違い、なんと、二十メートルある試験会場を推定六百キロあるであろう金属の体を揺らしながら突進してくるのだ。・・ダッシュで。

その形相に怖気ずく受験者がほとんどだが、時々眉一つ動かさず突破して行く受験生もいる。

多分ああいう受験生が試験に受かるのだろう。

そして隼に順番が回って来て、試験会場に入ると、鉄人形は当然とでも言うように隼に突進してくる。

(どうしよう・・金属なら炎も聞かないだろうし。)

そう思考した隼の脳裏に隼のあるスキルが浮かぶ。

(仕方ない。とんでもない威力出るかも知れないけど、俺には他に方法がないんだ。)

そうして、隼は床に手を当て、スキル”倍速理解”を駆使し、材質を理解し始める。

二秒程して、床に可燃性物質が含まれている事を理解すると、スキル”爆発物作成”を使い、粉塵を作っていく、

(よし、可燃性物質発見。粉塵にして、表面を固めればいいよな。)

そして、粉塵が十分に集まると手のひら程の大きさの球体を形作る。

鉄人形までの距離、実に八メートル。

そして、

鉄人形が隼まで残り五メートルを切った時、隼は動き出す。

まず、可燃性球体を鉄人形に向かって投擲。

球体が人形に当たり、粉塵が程よく舞った所で隼は指を鳴らし、鬼火(フレア)を出現させ、着火。

ちなみに指を鳴らす必要はないが、隼はマ○タング大佐みたいでカッコイイといつもこうしている。

ドォォォォォォォォォォン!!!!

凄まじい風圧と熱が隼と、審査していた教師、並んでいた受験生達に襲い掛かるが、すぐ数人の教師が立ち上がり、結界を張ることで、怪我は免れた。

鉄人形も灰すら残っていない。

気不味くなった隼は試験会場を後にするが、

審査をしていた教師達は、はぁ、と深いため息をついた後、問題なく試験を再開した。


思いの外長くなってしまった・・・

感想など御座いましたら是非とも今後の執筆に役立てたいと思いますので、よろしくお願いします。


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