第9話 不穏な技
「うぅ・・・」
あれからギルドに歩き出してはや五分。
コハクの機嫌は直ってなかっ・・・
「うぅ慎太郎様!あいつが小物の分際でぇ~」
いや、直ってた。
ここぞとばかりに慎太郎の胸に顔を埋めている。
「ほら~隼が言い過ぎるからコハクが拗ねちゃったじゃないか~」
(いや、お前言葉は俺を責めてる様だが、鼻の下が伸びまくってるからな・・・)
隼は口に出してはならないと我慢する。
「ん?どうしたの隼、眉間にシワが寄ってるよ?」
(あぁ爆発しないかな~いやむしろ爆破していいよねぇ・・・)
隼はギルドに着くまでの間スライム爆弾で二人を爆破したい衝動に必死に抑えるのであった。
そんなこんなでギルドに着いた三人。
「なぁ慎太郎。ギルドと言えばあのテンプレだよな。俺としては是非とも回収したいんだけど。」
その声を聞き、初めてのギルドに感動していた慎太郎は振り返る。
「あぁそうだな・・・」
慎太郎はまだ見ぬ自分の才能に思いを馳せる。
「じゃ行くか。」
「おう。」
二人は静かに頷き合いギルドの中に進む。
「ちょっと置いてかないでくださいよ~慎太郎様~」
そんな二人について行くコハクであった。
ギルドの中は想像どうりだった。
装備の上からでも分かる膨れ上がった筋肉を付けた冒険者達が昼間から酒の瓶を開け、どんちゃん騒いでいる。そんな中ウェイトレスをしていたのであろうお盆を持った女性が話掛けて来た。
「いらっしゃいませ、お食事でしょうか、それともギルドの方に御用でしょうか?」
どうやら案内してくれる様だ。
それにしてもこのギルド職員?に限らず全体的に女性の露出度が高い。まだ思春期の十五歳には刺激が強い様で慎太郎は立ちすくしているが、
隼は続ける。
「あの、冒険者登録?しに来たんですけどどこですかね?」
その隼の言葉を聞き女性は言う
「あぁ登録ならここから右手側にあるカウンターで出来ますよ。」
「ありがとうございます。」
「いいえ、ではごゆっくり~」
そうして三人は指示されたカウンターへ向かう。
「じゃあ私はここで待ってますね。」
「なんで?」
コハクの言葉に慎太郎は聞き返す。
「いや、私もう登録してあるので。」
「そうか、じゃあ俺達は行くぞ。」
「はい!行ってらっしゃいませ慎太郎様。」
「なぁ何かコハクって俺に懐きすぎじゃないか?」
「まぁあいつがチョロインなだけだろ、」
そうしてカウンターの前へ立つ
「あの、冒険者登録したいんですけど」
「あぁ、はい。では登録料を頂けますか?」
「「はい」」
ここで登録料が無いなんてヘマはしない。
この金はジョンさんに貰った。
「はい。それぞれ百ベンしっかり頂きました。ではこちらの板に血判をしてください。」
そう言って職員は二枚の金属の板と小さなナイフを差し出す。
ちなみにベンと言うのはこの世界の通貨だ。まだこの世界の事をよく知らないので分からないが
この国ではこのベンが主流だという。
だいたいジャガイモ十個で十ベンだ。
(つまり、俺はジャガイモ百個で登録しているのと同じなんだな。
けど、血判!?えぇいもう、ちょっとずつ当てて、すぅーっと・・)
そうすると隼の指先からちょうどいい量の血が出てくる。
「・・・」
そうして隼は金属の板に指を押し当てると、
金属の板に文字が浮き上がる。
ーーーーーーーーーーーーーーー
名 ハヤテ=ノグチ
歳 十五
性 男
才 ”魔道士” ”理数学者” ”失敗者”
称 小物 爆弾魔
技 ○ラ 爆発物作製 冷静思考 倍速理解
イメージ低下 魔法作製(残り二回限り)
ーーーーーーーーーーーーーーー
何か不穏なのもあるな・・・
次回慎太郎に対してのコハクの溺愛の理由が明らかに
追伸・・・一ベンが日本円でいくらなのかは第三十四部の後書きにて説明しております。




