表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『ロマンティック依存症』

作者: ひろち
掲載日:2017/09/02

気づくかどうかであって、物事には必ず予兆がある。後から見れば明確な原因から、予想が可能だったと思われる些細な出来事、数十年前に書かれた小説まで。時間の流れを無視すれば、将来、起こる大事件に、その前までの時間や出来事が引っ張り込まれる、そんな感覚。

現実の時間でも、少しずつ、少しずつ、危険性は高まるが、人は危険性に慣れてしまい、遂に事件が起きる時には、その流れから逃れられない。

ドラえもんが誕生して、タイムマシンは机の中にあるはずだが、待てど暮らせど、人もロボットも訪ねては来ない。

僕は時間を戻せるんだ。

業を煮やした私たちは、遂にタイムマシンの能力を自らの体内に宿した。

その能力により恋人を救う、幾多の悲しいストーリー。バタフライ効果はストーリーに抑揚を付ける為に欠かせないし、物事を変えればハレーションは避けられない。

実は、私にも似た様な能力がある。

これまで使っていないのは、機会に恵まれなかったからに過ぎない。機会さえあれば、こんなロマンティックな能力を、自分がどうなろうと使わない者はいないだろう。

絶世の美女でも、難しい病気の美少女でもなく、欲しかったのは機会だけだった。

だが、恵まれなかった。

米国は、キューバを警戒しアジアには手が回らない。だから、かの国に対応していないのだろうと、素人ながら考えていた。そして、米国はキューバと和解した。

かの国は実験という名のテロを繰り返す。

どちらの国の指導者も慎重と言うには凶暴過ぎた。

繰り返す金融危機、テロ、異常気象、将来への不安。世界はフラストレーションで充満していた。

フラストレーションという名の危険なエネルギー。

日々、日常のフラストレーションにさえ、私たちは耐えられず、破綻を何処かで望んでいる。正常な者は、その欲望を抑制するが、異常者は身を任せる。そのタイミングは分からず、普通は、ある時、突然に。

一週間の仕事が終わり、土曜日、私は、カフェでアイスコーヒーを飲んでいた。

若い女の子が多い店で気にいったのに、私が来るようになると、おじさんばかりが目立つ様になった。

やはり、機会には恵まれない様だ。

そんな事を考えているうちにも、Jアラートは鳴り響いている。

かの国は遂に核ミサイルの使用に踏み出した。米国との最終決戦を行う、世界を変える為には犠牲を厭わない、米国の傀儡国家日韓は許されないと。

自分にこんな能力がなければ、どうせ何も出来ないのだから、好きにしろと無関心でいられただろう。

だが、私には能力があった。

実は、人生で一回だけ、時間を止める事が出来る。

おっしゃる通り、一回だけなので試した事はない。だが、誰でも人生は一回だけで試した事はないが、生きられると知っている。例えて言うならそんな事で、止められる事には間違いはない。

素敵な機会は、巡って来なかったが仕方ない。日本に3度目の核攻撃は許されない。

私は、能力を使う事にした。

だが、時間の停止を解除する能力を持っている者はいるのだろうか。私にはない。そんな凄い能力を二つも持っているはずがない。

最後の瞬間に考えたのは、素敵な女性の事でも何でもなく、そんな事だった。

まったく、最後の最後まで、ロマンティックでかなわない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 文章自体は読みやすいです。内容もタイムリーで、切迫感があります。 [気になる点] 段落ごとに一マス開けるのが「なろう」のルールらしいです。 それと、適度に改行した方が、より読みやすくなると…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ