何でも屋人情歌 ~別に私が勝手にやっただけだから!~ 2
リザードバレー、ここには多種のトカゲの魔物が住み着いていることからそう呼ばれている。そんなリザードバレーにやってきたアイル。
「さて・・・必要なのはトカゲの涙だっけ・・・水トカゲが出るのは奥のほうかぁ・・・」
リザードバレーはセオルト山を割ったように存在していて入り口は1箇所しかない。それ以外の場所は崖になっておりそれなりの道具が必要になってくるし、普通に入ったほうが早いのだ。入り口付近に現れるのは岩トカゲだ。
「キシャア!」
「あんたたちに用は無いけど・・・邪魔!」
岩トカゲは他の種類のトカゲとは異なり実体のあるトカゲが岩を纏っただけの魔物だ。岩の部分は地の魔法で強化されていて物理の耐性は高いが隙間を突けばそれほどの強さがあるわけでもない。
ここには他にもトカゲの姿をとっている風の魔物、風トカゲが居るが風トカゲは実体が無いためアイルは無視して進んでいる。用があるのはリザードバレーの最奥部分にある泉、そこに生息している水トカゲだ。
水トカゲも岩トカゲと同じく普通のトカゲが属性の力を持った魔物で、見た目は普通のトカゲだが口から水を吐き出してくる。この水鉄砲は木の板くらいであれば貫通する威力があるため、安定して避けられるほどの機動力か鉄で出来た防具を持つまでは挑まないほうが良いと言われる。しかし水トカゲの攻撃手段はこれしかないため、この攻撃に対処が出来れば安定して狩ることができるため、討伐難度はD級に分類される。
「居た居た!さて・・・トカゲの涙、もらうわよ!」
夕方・・・
「あぁもう!こんなに狙いのものが出なかったのも久々だよ・・・疲れた・・・」
ようやく手に入ったトカゲの涙を持ってアイルは町に戻っていた。トカゲの涙とは呼ばれているが、実際に水トカゲが涙を零すわけではなく、水トカゲの体の中に生成される白い結晶である。すり潰して薬効のある素材になるし、見た目もいいので研磨されて装飾品にされることもある。ただ、全ての水トカゲから取れるわけではないので安定供給はされ辛い品物だった。
「さて・・・あの子の家は・・・うわぁ南西地区かぁ」
依頼をしに来た際に家の場所は聞いている。この仕事をしていると逃げて踏み倒そうとしてくる人間も居るため住所はしっかり確認しておくのだ。怪しい人間でもなければ聞いた住所の裏づけを取ったりはしていないが。
そうしてトカゲの涙を持ったアイルは女の子の家がある南西地区に向かったのだった。




