このへんに幸せ
短いのに投稿ペース遅くて申し訳ないです。
休日。
恵の家。
「…………ねえ」
「む?」
「幸せってどういうものだと思う?」
「かなちゃん」
「ぐっ、ふ、ごほっ、いや、そうじゃなくて」
「あっはは、冗談冗談。ん? いや、本当なんだけどね? ほら、あれ、あのー、あれ」
「はいはい。で?」
「えーーーー…………、こう、人生っていう道があるとする」
恵がぐいーっと両手で前に道を描く。
「うん」
「んで、その道にちょくちょく置いてあるの」
「置いてある」
「んで、まあ気づいたり気づかなかったりするわけだけどさ。気づいたら、手にとって、撫でてみたり、大事にしたり、たまに壊したらどうなるんだろうとか思ってみたりしてさ」
「壊すのもアリか」
「アリです。でもほとんどは大事にするよね。基本的に自分にとって良いことだもん。大事にして、ずっと手放したくない」
「そうだね」
「私にとってかなちゃんがそれなんだけどねー」
「……………………」
「おおう照れちゃって」
「言うな」
分かってるんだから。
「だから、そうだなー。やって来るとかじゃなくって、置いておくから、ご自由にどうぞーって感じかな」
「なるほどね」
「まあかなちゃんがいれば私は幸せだけどねっ」
「ありがと」
「かなちゃんは幸せってどういうものだと思う?」
「んー」
あたしかー。
「誰かから貰うもの、かな」
「貰うもの」
「人は1人じゃ生きていけないって言うじゃん。あれみたいなやつ。例えば、美味しいもの食べて幸せってのは、それを作ってくれた人のおかげじゃん」
「うん。単純」
「単純でいーの。で、まあ、なんというか、幸せを感じるってのは、感謝してるのと同じかなって思う。で、伝えるために言葉にする。ありがとうって」
「おおーー。じゃあさっきのありがとは?」
「あたしも恵といて幸せだし、感謝もしてるよってこと」
「わあーー照れくさっ」
いひひーって恵が笑った。あたしも照れた。
「じゃあ、なんか美味しいものでも作りますか」
「あたしも手伝うよ」
「お、愛の共同作業ですな?」
火照った。
「あ、愛の……」
「あらら……。かなちゃんかなちゃん、大丈夫ですかい」
「だ、大丈夫」
「幸せ?」
「……………………幸せ」
「そりゃあ良かった」
あたしにとっての幸せは恵。恵にとっての幸せはあたし。
なんか、両思いって感じで嬉しい。
「…………ねぇ」
「んー?」
「あたしって、恵の道に、置いてあって、手にとって、大事にしてくれてるってこと?」
「えー、違う違う。私はかなちゃんと一緒に道歩いてんの。最初っから、ずーーーうぅっと」
「……そっか」
もしかしなくても、あたしは恵から幸せをもらいっぱなしなのかもしれない。
逆もまたしかり、かな。だといいな。
でも、ごちゃごちゃ考えなくても。
今日も今日とて幸せだ。
更新早くしたいとは思っているのですが、これがまあなかなか。書きたいときにかいてるので遅くなってしまいます。ごめんなさい。
読んでくださってありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。