第9話:その日の夜
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「承知してしまった……」
星々の輝きと月の光が出る夜空の下にて。
そのハリのない呟きと共に、翔真はベッドへ腰を下ろし両手を頭に抱えて困惑していた。
現在、翔真がいるのは自分が住んでいるマンションの七階の七○十二号室内の寝室にあるベットに腰を下ろしている。
翔真が住む場所は、第七県の第八区(住宅区)にある一つのマンションである。
その翔真が住むマンション名は、『バーブルーマンション』と呼ぶ。
なぜバーブルーマンションなのか。
それはこのマンションの持ち主の女性は、結婚しており、その結婚した男性とはバー(酒場)で出会ったのと、このマンションの持ち主である女性の好きな色が青で……バーとブルー(青)を繋げ、バーブルーマンションと言う名が出来上がったと言うわけだ。
そのバーブルーマンションの最上階である七階の一番奥側室の七○十二室に翔真が住んでいるのだ。
そしてなぜ翔真は困惑しているのか、それは数時間ほど前に遡る。
突然と優奈から『白銀の召喚師』の探索任務を手伝いなさい! と命令的に言われ、なぜそうなった!? と疑問に抱く。
翔真はどうして自分が手伝わさせるのか理由を聞くと、優奈は『もう翔真は、私の正体と極秘任務の事知っちゃったし、それに一人より二人の方がいいでしょ』と事だ。
それを聞いた翔真は、それでも退こうとするが……最終的に優奈の強引に手伝わさせる事になってしまった。
「なってしまった事はしょうがないか……。確か明日の9時までには第八区二番駅前に集合だったな」
と、何時迄も引きずってもしょがないと開き直った翔真は、優奈との明日の集合場所と時間を口にする。
優奈なから強引に手伝わさせられる事が決まった後に、優奈から今日はここで解散すると言い、続けて明日の集合場所と時間を言い残して去ったのだ。
翔真は流されるがままになり、ここバーブルーマンション七○十二号室の住処へと帰ったのであった。
これが数時間ほど前から今に至るまでの経緯である。
(まぁいいか、別の事を考えた方いいな。寧ろこっちの方が重要だ。ついに国は『白銀の召喚師』探索がエスパダにまで探しに来たことだ。日本から優奈さんが来た。他の国からも『白銀の召喚師』を探しに来るのも近いかもれしない。これからは何時もの日常を送れないかもしれないな…………僕は静かに暮らそうとしたいのに)
と、後に翔真は溜息を吐く。そして、
(それに、もう異能は使わないって自分に言いかけたはずが……今日一回使ってしまった……)
次に優奈に掛けられている固有異能を解く為、《絶》を使った事を思い出し、やってしまった感が翔真から溢れ出る……が、
(まぁ、しょうがないか。あの固有異能はアレだからな。あのままにしてしまうと、あの人が任意で操作する可能性が高い。そうなれば、色々と僕にとってヤバイからな。でもーー)
ーーなぜ、あの人が優奈さんへ自分の固有異能を掛けたのか?
翔真はその事に疑問に抱いていた。
確かに、英雄『白銀の召喚師』の探索は重要な事だ。
だが、各国が総出で探しても見つからない異能者を、たった一人で探すのは無意味と言える。
どうせ見つける事は出来ないと諦めている者の方が多い。
なのに、あの固有異能は優奈へ掛けたと言う事は、あの人は優奈が『白銀の召喚師』の探索をサポートしていると翔真はそう感じ思った。
(多分、今後も異能を使う時が来るかもしれないな。はぁ〜、異能は使わないって自分で決めたのに、それを自分が破ってしまった……)
だが、それよりも重要な事が危うくなっている為、この際致し方ない、と感じて今後異能を使う場面になったら使う事を決めた。
「だが異能を使う事になっても、異界にいる彼奴らを呼ばないのは変わらない……」
と、窓から通す夜空に浮かぶ月の光を見ながら、翔真はそう呟く。
と、ここで、ブブブブーー!と手持ちの自分のスマホから着信音が鳴り、翔真は「だれだ?」と言いながら、スマホ画面を見すると〔佐々木 流介〕とあった。
「あ! やべ!」
友達の流介からだと分かると、翔真は直ぐに様慌て出す。
何故なら、喫茶店騒動が勃発し始めた時に、また会おうと約束したが、優奈との邂逅により結局は喫茶店騒動後にまた会う事はなかったのだ。
それを思い出した翔真は、慌てているわけだ。
そして翔真は直ぐに電話にでるとーー、
『ばかやろおおおぉぉぉぉぉぉーー!!』
「っうわ!」
途端、電話越しから流介の怒号が寝室中に響き渡り、そのせいて翔真のスマホを当てていた右耳はピリピリと震えてしまった。
だがそんな翔真にお構いなく、流介は怒鳴り文句を電話越しから投げつける。
『テメェ翔真! また会おうっつったのになぜ合わなかった!? あの後俺は店員を病院へ担ぎで連れた後に喫茶店へ戻ってみれば、異能騎士団と野次馬たちしかいなかったぞ! お前は俺との約束を破って喫茶店騒動後に何処へ何をしていたあ!?』
「わ、悪い! ちょっとこっちは色々とあったんだよ」
「ぁあ? なんだ、その色々とってよ?」
「あ〜、それは流介に言えない事なんだ、いや、他の人の言えない事だから言えない」
流石に優奈な件の事は誰にも言えなく、翔真は直球に言えないと言うと流介は「ああ、分かったよ」と素直に承知する。その直後、流介は只らなぬ声音で言った。
『それより、お前へ電話をしたのはまた会おうって約束を破って事への文句だけじゃないんだな。これが』
「なに?」
流介からの只らなぬ雰囲気を感じ、翔真は真剣な雰囲気へとなる。
『実はな。どうやら、俺たちが住む第七県内の何処かにA級犯罪集団『風ノ忍衆』が隠れ潜んでいる。奴らは風魔一族の者達だったが、過去に強盗、強姦、殺人と様々な犯罪に手を染めたことにより、風魔の里から追放された忍者の犯罪集団だ』
「なんだと!?」
流介からの凶報を聞き、翔真は驚く。
そして翔真は今流介から聞いた犯罪集団の『風ノ忍衆』に関する情報はある程度知っている。
流介の言葉通り、『風ノ忍衆』は異能の一つである忍術に最も得意とし、忍者世界で最強一族と言われた、風魔一族である事も知っている。
だか、翔真は疑問に思った。
彼ら『風ノ忍衆』は、日本にいるはずだ。
それなのに、太平洋中心部にあるエスパダへ、どうやって来たのか? だ。
『風ノ忍衆』は犯罪集団故、空港から飛行機でエスパダに来る事も、船で来る事も、どちらも不可能である。
(どうやって、エスパダに?)
翔真はここで一番に『風ノ忍衆』の移動手段が気になった。
『まぁ一応伝えとくよ。この情報はアメリカ魔導機関から俺への報せてきてな。もし暇なら潰してくれと言われたわ』
「はは、そうか」
日本とアメリカは日米同盟な為、情報の遣り繰りもしており、こういった情報も明け渡しいる。
その後『風ノ忍衆』を潰す為、日本魔導機関とアメリカ魔導機関から各二、三人程の魔導士を派遣して来る事や、それに伴い第七県の治安を守るエスパダ第七異能騎士団も動く事等、様々な情報を流介から教えてもらう事、数十分経過し、そこでお開きなる。
『じゃあな』
「ああ、じゃあな」
と、挨拶を交わした後翔真は流介との電話を切った。そして翔真は徐に前を向き、
「A級犯罪集団、『風ノ忍衆』か……」
と、呟くのだった。
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