第8話:手伝いなさい!
そして暫し呆気に取られた優奈は、ッハ!と正常に戻り、
「え、嘘でしょ!? な、なんで分かったのよ!?」
目の前にいる少年、翔真へ慌てながら聞き出しに行った。
優奈は、実は心の何処かで期待していた。
実は、自分は日本魔導機関に所属する魔導士なんだと教えれば、目の前にいる少年、翔真の目を見開き口を大きく顎が外れるかの様に開けると言う硬直した、驚き様を。
だがそれは起きなかった。
知っていたのだ。
自分が魔導士である事を。
確かに自分は他の異能者よりも強いが、それだけで魔導士である事までには気付かないはずだ。
それが何故……。
そんな蟠りになる優奈へ、翔真は魔導士だと分かった、気付いた理由を言う。
「優奈さん。すき家にいた時も言ったけど、喫茶店騒動時に異能レーダー出してただろ?」
「っあ!だから気付いてたのね!」
「異能レーダーは軍の者達しか持ち合わせていないし、それに優奈さんは喫茶店騒動時に見たあの飛び抜けた戦いの動きからして戦闘特化の異能者、軍の異能者組織。魔導機関に所属する魔導士だと」
「つまり……バレた原因は私がミスったって事ね。はぁ〜」
気付かぬうちにミスった事で自分が魔導士だと気付かれた事に優奈は、気を落とし溜息を吐く。
「優奈さんは、極秘任務によりエスパダに訪れたって事だろ? で、その極秘任務の内容が『白銀の召喚師』の探索って所か」
「……ええ、そうよ。全く! だなら私はこんな隠れての任務は性に合わないのよ! もう!」
「は、ははは〜」
両腕を上げて振り下ろしながら愚痴る優奈に、翔真は苦笑い。
「優奈さん。そもそも、極秘による探索任務ならどうして僕へ『白銀の召喚師』の居場所を聞きに来る? もう既に極秘じゃなくなってるよ。外部の僕がその極秘任務を知っちゃってるから」
「あ、確かに……任務失敗ね、私……」
「ゆ、優奈さん?」
既に極秘任務だと言うのに外部に漏れた所か、自分から言ってしまった事に優奈は落ち込み出すが、
(ん? ちょっと待て。 そもそも、私が翔真へ『白銀の召喚師』の居場所を教えないって言わなければ、こんな事にはならなかったわよね? いえ、私が魔導士なのはこうならなくてもバレていたけど。でもそうならなかったら、極秘による『白銀の召喚師』の探索任務はバレてなかった事になるわ。つまり……お父さんの所為で極秘任務は失敗したのよ!)
と、父親による指示がなければ極秘任務は失敗しなかった事に気づいた優奈。
確かにそうだ。
喫茶店騒動時にスマホから電話が入り、その時に父親から付近の少年から聞き出せと言う指示がなければこうはならなかった。
それがなければ、恐らく喫茶店騒動の後は互い少し話はするだろうが、その後は直ぐに別れるだろう。
「優奈さん、そんなに落ち込まなくてもいいじゃないか?」
「はぁ!? どうしてよ!?」
「そ、その前に離れてくれない? 近いから」
「ーー!!」
翔真の言葉に聞いた優奈は、気付く。
自分が翔真の目と鼻が僅か数センチ程までに押し寄せていた事を。
気づいた優奈は直ぐに翔真から離れる。
その際、顔は赤くなっていたので又もや恥ずかしかったのだろう。
案外、優奈は妖艶差もあると反面女の子らしさもある様だ。そして優奈が離れてくれた後、翔真は気にせず話し出す。
「それで、落ち込まなくてもいいって言った意味なんだけど、僕が黙っていればいいんじゃないか? そうすれば、バレずに極秘任務を遂行できる」
「ん〜、確かにそうね」
「うん。だから僕が黙っていれば大丈夫だよ。それに優奈さんも言ってたとおり、この話は他言無用にする。これでいいだろ?」
「ええ、分かったわ」
翔真の提案に、優奈は頷き賛成する。その後直ぐに、優奈は今日何回目かの溜息を吐いた。
「どうした?」
「いえね。もう今日いれて三日も『白銀の召喚師』による手掛かりが一つも掴めてないのよ」
「それはしょうがないと思うな。各国が総出で探しても見つからなかったからな。たった一人で探すのも不可能に近い、いや、不可能だな」
「……はっきり言うわね」
「事実だし」
「まぁそうれはそうね」
翔真の『白銀の召喚師』を見つけ出す事は不可能という事に、優奈は認めざるを得ない。
そして翔真との話で優奈は今更気付いた。
そもそも、各国が総出で探しても見つからないのに一人で見つけるなんて無謀だ。
何故、日本魔導機関は『白銀の召喚師』の探索任務なんかを下したのか? そこに疑問を抱く。
確かに唯一探索していなかった、エスパダにいるかもしれない。
事実エスパダでは、『白銀の召喚師』がこの都市島であるエスパダにいると言う噂等が出ている。
その中に、第七県第七区に住んでいると言う噂もあり、三日経った後、第七県第七区に優奈はここに来たのであった。
「あーあ! 翔真、貴方が『白銀の召喚師』だったら直ぐに任務達成なのにね」
「はは! そんな都合の良い様にはいかないよ。そもそも、『白銀の召喚師』の英雄名の通りに白銀の髪と目だろ。僕は金髪の碧眼だから、容姿から見ても違う」
「分かってるわよ。言ってみただけなんだからね」
「優奈さんは、今後にどう探すつもり?」
「ん〜、そうね。もう第七県の第七区にはいないと分かったから、隣区の第八区へ向かうかしらね。と言うより、第八区には私が日本魔導機関が用意してくれた借りてるマンションの一室があるのよ。そこに私住んでるからね」
「奇遇だね、僕も第八区のマンションに住んでるよ」
「へぇ〜、そうなの。 ……あ! そうだわ!」
翔真と同じく第八区のマンションと同じだと知ると、優奈は突然と何かピンっ!と閃き、声を上げる。突然の事により、翔真は「な、なんだ?」と言いながらビックリした。
そして優奈は翔真へ言った。
「翔真、私と一緒に『白銀の召喚師』の探索を手伝いなさい!」
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