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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第1章:舞い戻り召喚師
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第5話:自己紹介

 

「ねぇ、貴方。ちょっと聞きたい事があるんだけど、この後時間は空いてる?」


「え?」


 翔真に向かって歩いてきた美女は、いきなり驚くような発言をする。 その言葉を聞いた翔真は、不審に思った。


 今さっき会ったばかりでそれも初対面の人に聞きたい事なんてあるのか? といぶかしく思う。そう思考を巡らせた翔真だったが、


(まさか……僕に用があって来たのか? いや、違うな。初め、僕の事を異能者ではなく一般人って言って勘違いしていたし。 それに対応も他人行儀だった。でも魔導士である美女さんが僕に聞きたい事ってなんだ? ……まさか!?)


 ここで翔真は一つだけ心当たりがあった。だが、それはあり得ない。


 何故なら世界最高の隠蔽者・・・・・・・・の力を借りており、絶対に自身の正体を突き止められないのだ。故にこの事は絶対に知る事は出来ない……はずだが。


(……もしそうなら、ここで拒否したら怪しまれる。ここは誘いにのるか)


 と、あえて誘いに乗ることした翔真は、素早く返事をする。


「は、はい。空いてます」


「そう、良かったわ。ならこの場はエスパダ第七異能騎士団に任せて、貴方は私に付いて来て。ここじゃあ話なんて出来ないし、場所を変えようかしら」


「わかりました」


 それから暫くして、エスパダ第七異能騎士団が翔真達がいる喫茶店へ到着した。


 騒ぎの原因をつくり加害者である気絶中の男異能者はエスパダ第七異能騎士団へ連行され、翔真達は一通りの事情聴取を受ける。


 この時、騎士団員達が美女へ敬礼をしていたのを翔真は目にした。


  おそらく美女が魔導士であるため敬礼したのだろう。 だが、彼らは単に魔導士というだけでそんなにも敬意を払うだろうか? 彼らの姿を尻目に、つと目を眇める。


 もしかして、あの美女は日本魔導機関の中で高い地位や権力を持つのではないか? と、翔真はそんな疑問を抱きながら、暫くして事情聴取終わり、後の事はエスパダ第七異能騎士団に任せ、翔真は美女と共にこの喫茶店から退散した。






 ーー第七県・第七区(市街区)、騒動が終始していた喫茶店から五百メートル程離れた商店街。


 翔真も美女の2人は、騒動が起きた喫茶店からこの色々な商品が売って立つ多数の店が左右に並ぶ、商店街まで20分ほどで到着した。


 その後、美女は「付いて来て」と言って商店街内へと歩き始めた。翔真は美女の言葉に従い、後を付いて行く。


 そして美女と共に歩いている際、周囲の人達からの視線が美女へずっと向けられていた。

 それもそうだろう。

 ここらではお目にかかれない、圧倒的な色気や美貌がある褐色の肌をした美女なのだ。

 目を惹くのもわかる。

 それに美女は露出度が高めな服装をしている。それがより一層、彼女の魅力を惹きたてているのだ。

 翔真はその美女へ見惚れている者達の話し声が聞こえた。


「すっげぇ〜美女だ……」

「まさかに絶世の美女だな」

「わたしもあんな風に綺麗になりたいな〜」

「あれ程の美女なら、モデルか何かやってそうだね!」


「お、俺の女よりも美人だ……」

「ちょっと! それはどう事なのかしらねエ!」

「ひぃっ! す、すませぇぇん!!」


「や、やばいやばいよ! お、俺見てるだけで興奮して来たよ! 本当にやばいよやばいよ!」

「やべぇ! こいつ視姦して興奮してる! 変態に覚醒しやがったぞおおおお!」


 美女へと様々な驚嘆ものだったが……若干後半の方はヤバイ話し声だけしか聞こえたが、翔真は聞こえなかった事にした。


 ただ、目の前の横で共に歩いているこの美女は、確かに凄い美貌と言う事は翔真も認めている。 翔真はこれ程の美貌を持つ女性と会った事一度しかない。


 翔真はよくよく観察して行くと、圧倒的な美貌を持つだけではなく、スタイルも良く豊満な身体をしており、胸は服を押し上げる程でありEカップ若しくはそれ以上あるのではと言えるほどだ。今は服をしっかり着ており谷間は見えていないが。


 それとは別に美女はホットパンツを履いている為、褐色の太腿があらわれになっており、その両脚は頬ズリしたくなるような美脚足だ。


「……なにジロジロと変な目で私の身体を見てるのよ? 変態なのかしら?」


「あ! す、すいません! それと変態ではありませんよ!」


 翔真がずっとジッと自分の身体を見てる事に美女は気付き、身体を隠す様に抱きながら翔真へ鋭い睨みでそう言う。すると、翔真は観察してたのを謝るが変態なのは否定する。


「へぇ、見てたのは否定しないの」


「ええ、まぁそれは否定しませんよ。事実ですし。それに貴女の様な美女がいたらついつい目がいっちゃうのはしょうがないですよ」


「まぁ確かに私は女神とも呼べる絶世の美女なのは本当だし、それもそうね」


「…………」


 自分の美人なのは自覚しての自信満々な美女の答えに、翔真は何とも言えなかった。と、その直後、美女は周囲を見渡しながら翔真へ言った。


「でも、貴方も優れたルックスじゃない。周りの人達の中にも、貴方へ視線をチラチラと向けてる若い女性もいるわよ」


「へぇ〜、何処にいるんですか?」


 と、翔真が周囲を見渡すその寸前、彼をチラチラと向けていた若い女性達は何故か直ぐに顔を反対側へ逸らす。

 故にその後に見渡したので翔真は一人も自分へ視線を向けて来る者はいなかったとすれ違いになってしまった。


「一人もいないじゃないですか? 貴女ってつい先ほど初めて会った人へ嘘を吐くんですね」


「そんな訳ないでしょう! 貴方が周囲へ見渡す寸前に彼女達は顔を逸らしたのよ!」


「まぁ、そんな事はどうでもいいでしょう」


「……まぁ確かに今はそうね」


 確かに翔真の言う通り、今はこんなくだらない事をしてる場合ではない。それに美女も同意する。


 そして二人はそのまま歩き続ける事数分経過すると、今大事な事を聞き忘れていた事に翔真は思い出し、それを美女へ聞く。


「あの、すいません。僕、まだ貴女の名前を知らないんですけど」


「あ! そうだったわね。でも人に名を尋ねるならまず自分からって言うでしょ?」


「まぁ確かにそうですね。僕の名前は加藤 翔真と言います」


「加藤 翔真、翔真か〜、うん、いい名前だわ! 次に私ね。私の名前は(やなぎ) 優奈(ゆうな)よ! 宜しくね!」


 と、翔真の名前を聞いた美女、柳 優奈はそれに元気良く応えた。



 これが、加藤 翔真にとっていずれ掛け替えのない存在となる優奈との出会いだった。

お読み下さりありがとうございます!

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