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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第1章:舞い戻り召喚師
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第17話:優奈と日本魔導機関長の関係

 ◆◆◆



「そ……それってどう言う事なんですか澤田さん!? どうして奴らが、(かぜ)忍衆(にんしゅう)が私を狙っているのですか!?」


「それを話す為に来たからそう慌てるな。まず落ち着いてくれ」


「あ! す、すいません!」


 澤田に言われて、自分がうるさい声を出した事に気付きた優奈は謝罪をし落ち着く。だが優奈の驚き、慌てようは当然だろう。

 何せ"柳 優奈"と"A級犯罪集団の風ノ忍衆"との何処からどう見ても、調べても、何一つ関係や繋がりなんて皆無なのだから。


「ふぅ……それで奴らが私を狙ってる理由はいったい?」


 そして呼吸を整え、落ち着いた楓は澤田へ聞くと……澤田が言う寸前、


「あの〜? その前に挨拶とかは? 失礼ながら、勝手に話を進めないでくれませんか?」


 と、おずおずと手を挙げながら三人へそう言う翔真。確かにそうだ。


 知らない人だろうが、知ってる人だろうが、挨拶をしないのは失礼である。

 ましてや、翔真とこの男魔導士の二人は、直接的な意味も含めて今回が初対面だ。挨拶含め、自己紹介も必要だろう。


 挨拶の先に、この場……自宅の主を素っ気のけて自分達の本題に入るのは駄目だろう。

 ましてやその本題は、もし魔導士でもない一異能者が聞いてはならないものであったらどうするか、である。


 それらの事を翔真の言葉を聞いて思い出した澤田と江本はハッ!となり気付く。


「ああ、すまない。勝手に話出してしまい……」


「あ、はい。分かって貰えばそれはなりよりです」


 申し訳なく謝る澤田へ、翔真は手を振りながらそう応える。そして澤田は一度咳き込みんだ後、


「では自己紹介と含め挨拶としよう。俺の名前は、澤田(さわだ) 辰久(たつひさ)だ。宜しく。突然自宅へあがらせてすまなかった」


「……オレは江本(えもと) 小太郎(こたろう)だ」


 澤田は微笑で自己紹介と挨拶をし、そして何故か無愛想で自己紹介をする江本。……若干、江本は少し翔真を睨んでる様だが、それに当初から気付いていた翔真は何か睨まれる事でもしたのだろうか? と疑問になるが、今気にしない事にした。


「いえいえ、気にしてませんから。それに二人の事はニュースなどで知ってますので、世界的有名や軍人と会える事が嬉しいですよ。 僕の名前は加藤(かとう) 翔真(しょうま)と言います。どうぞ、宜しくお願いします」


 兎も角、今二人の自己紹介と挨拶に応えた翔真。だが世界的有名や軍人と会えた事が嬉しいと言うのは、己の感情とは正反対ではあるが。

 何故なら翔真は出来る限り、国軍との接触は避けたいからである。

 まぁ既に優奈とその彼女が受け持つ任務に手伝わされているので、時既に遅し、であるが。


「それで、話を始める前に……又しても申し訳ないが、席を外して貰えないだろうか? 一般人が聞いてはいけない事で」


「あ、分かりーー」


「その必要はないわ、翔真。澤田さん、彼は私の極秘任務の事も知ってますし、それに手伝って貰ってますから」


「「……は?」」


 澤田からの指摘に従い、この席から外しリビングから自室へと行くこうとする翔真だが、それを優奈が制止し、澤田と江本へ自身の極秘任務は翔真を知り且つ手伝って貰ってる事を伝えた。すると、聞いた二人は呆気になる。


 一方で翔真は、なぜそれを二人にバラしてしてるんだ!? と、内心焦る。そしてその直後に、又もや面倒事を増やされた……と、溜息を吐くだった。


「ちょっ!? な、なんでどこの馬も骨知らないこいつが、それを知ってるんだよ!?」


「おい! 小太郎! その言い方は無礼だぞ! 彼に謝るんのだ!」


「っぐ、っ! す、すいません、でした……!」


 澤田に頭を下げられ、渋々ながらも謝る江本。後、澤田もすまんと謝り、そんな二人に翔真は気にしてませんと言いながら、二人を安堵させようする。

 澤田は安堵したが、江本の方は少しだか睨みはやめずいた。


(さっきかなんで睨んで来るだよ。気にしない様するけど、僕は何か恨みなど買う様な事でもしたのか?)


 出会った当初からずっと睨まれてた翔真は、流石にこれほどはっきりとした睨みをされ続ければ気になりだす。


 そして翔真は、江本の睨みの目を一瞥すると、彼はより一層睨みが上がった。それと同時に翔真は目を逸らす。

 だがそれで翔真はなぜ睨んで来るのかわかった。翔真の高い洞察力を持つ故、江本の目を一瞥する事で瞬時になぜ睨んで来るのか理解した。


(なるほど。妬み、嫉妬の睨みだな。だとしたらそれは男女関係によるもので……)


 翔真はチラッと優奈の方へ一目見た後、再び目線をテーブルへ戻す。その際、又もや江本からの睨みが重くのし上がった。


(なるほど。江本さんは優奈さんの事が異性として好きなのか。いや、まだ分からない。別の友達としてや、仕事仲間としてや、尊敬や憧れ等からの嫉妬もあるし……あ、そういえばテレビでーー)


 この時、翔真は三人が来る前……自身の血契約しているゼニラ達が現れる前にテレビで澤田達四人の魔導士が空港で到着した時にインタビューで、江本が優奈の彼氏発言していた事を思い出した。そのあとに澤田が彼氏ではなく、優奈に告白し振られたと言っていたが。


(う〜ん、やっぱり異性として優奈さんの事が好きの可能性が一番あり得るな、うん)


 心中、江本の優奈に対する想いを推測する翔真は二、三回頷く。そしてその一方で澤田は頭へ手を当て、横に首を振りながら溜息を吐いた後、


「優奈。なんで加藤くんがお前が担当している極秘任務を知ってる? それも手伝っているとは……まさか、教えたんじゃないだろうな?」


「っうぐ! そ、それは…………はい」


 澤田の威厳なる言葉に、優奈は弱々しく教えた事を言いながら頷く。それに澤田は「なんて失態だ」と、口にしながら再度溜息を吐く。だがそこには優奈は異論を言う。


「け、けど! それに色々と込み入った訳があってーー!」


「うむ、ならその訳とはなんだ?」


「聞きたいぞ! なぜこいーー彼が優奈ちゃん担当の極秘任務を知り、尚且つ手伝っているのかを! そしてなぜ彼の自宅に優奈と、二人きりだったのかを!」


 うっかり翔真を“こいつ”と口しそうな所を言い直して言う江本。


「うん。あんたの後半からの質問は関係ないなら答えないわ。 翔真、言うわね?」


「ああ、別にいいじゃない。と言うより、僕の許可って必要か?」


「一応よ、一応を!」


 それから、色々と想定外な事や込み入ったトラブル等を含め、これまで翔真と初めて会った喫茶店の時から今日までの経緯(喫茶店騒動・一緒に店での食事・一日中『白銀の召喚師』探索等)を澤田と江本へ伝えた。

 そして一通り熱心に説明し伝えた優奈は、もう息も絶え絶えな感じ「はぁはぁはぁはぁ!」と息が上がる。


「なるほど、まぁ優奈は今回の探索による極秘任務を受け持つのは初めてだからな。今までは犯罪者や魔物魔獣による捕獲や討伐といった任務を担当していたから、いたらない事もあるだろが ……うむ」


 澤田は一度考え深く唸った後、


「喫茶店騒動時に、それを起こした異能者を捕らえる為に優奈は異能を駆使した所を加藤くんは目にしている時点では優奈も異能者だと分かっただろうが、その時に異能レーダーを人前に出し、それが加藤くんが目して、それで優奈が魔導士だと加藤くんは分かったと言うわけか」


「……はい」


「だが、それでも極秘任務の事は知らなかったのだろう。それを教えなければ、彼は優奈が魔導士と分かっていても、なぜエスパダにいるのかも分からなかったはずだ。それも優奈、君の二つ目のミスだ」


「っうぐ、はい」


 澤田に説教され、優奈は力なく垂れ、はい、と言い反省するしかなかった。

 極秘任務の事を教えたのは、完全に自身の感情による勝手な行動だったので、弁解する事は出来ないのであった。


 それなら数分間に渡って優奈は澤田に説教を受けた後、


(しかし、優奈からの説明を聞いたが……この少年は何者なのだ?)


 と、澤田は翔真へ気付かれない様に一瞥する。加藤 翔真と言う少年。

 澤田は玄関にて、加藤 翔真と言う少年と邂逅した時に彼へ目にした瞬間直ぐに、ただの少年ではない、と己の観察眼で見抜いたのだ。


(あの方……日本魔導機関長が何故この少年から『白銀の召喚師』の居場所を聞き出すんだ、と優奈へ言ったのだろうか?)


 兎も角、優奈が担当している極秘任務等を知ってる時点でこれから話す事を知られても大丈夫だろうと、澤田はそう解釈した。


「加藤くん。君も今から話す事に立ち会ってくれ。君にも聞いてもらいたい」


「そうですか、分かりました」


 澤田の言葉に翔真は承知する。その際、江本が何か反論しようとする素振りがあったが、そこは何とか渋々と耐えた。反論しても無駄であると諦めたのだろう。そしてーー、


「まず……俺と江本、そしてアメリカ魔導機関から来た二人を合わせ、俺たち四人は風ノ忍衆を対処しに来たのは確かにそうだ。だがその他にもう一つ、風ノ忍衆から優奈を守護する事も課せられている。これは表向きに秘密にしている」


「澤田さん。その事は考えれば分かる事です。私が知りたいのは、なぜ私が奴らに狙われているのか? と言う事です」


(うん、優奈さんの言う通りだな)


 優奈の異論に、黙って聞いている翔真も心中同意した。そして優奈の発言を聞いて澤田、江本は苦いな顔付きに突然となる。


「それが……分からないんだ」


「「……え?」」


 苦い顔付きなものだから、余程の凶報なのだろうと更に緊迫感が高まっていた翔真と優奈だったが……予想外な澤田の言葉に二人は間抜けな声を洩らす。


「わ、分からないってどう言うことです?」


「なぜ優奈を狙うのかは分からない。ただ、日本魔導機関長から必ず優奈を守れと、勅命で言われた。兎に角、娘を守れ、とな」


(マジか……ん?)


 澤田の話から、なぜ優奈が狙われているのか、それは優奈の守護する澤田達すら分からなかったと聞いて優奈は釈然もしない様子で、勿論翔真もそうではあるが……それよりも今の澤田の言葉から気になる所があった。


 それは、娘を守れ、である。


「あの、日本魔導機関長が澤田へ娘を守れと言うのはどう言う意味です?」


 と、翔真は気になったので澤田へ尋ねる。だが、その尋ねに応えたのは別の者であった。優奈である。



「あ、言ってなかったっけ? 日本魔導機関のトップである機関長、(やなぎ) 志郎(しろう)は私の()なのよ」



「ーーっえ!!」


 ここで、柳 優奈の父が日本の魔導士達を束ねる、日本魔導機関の機関長だと言う……驚くべき優奈の父の正体が明かされ……翔真は驚愕するのであった。


お読み下さりありがとうございます!

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