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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第3章:異能学園への潜入調査(仮)
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第115話:時間は急速していきーー。

 ◆◆◆



 翌朝、すなわち日曜日の朝にて。

 翔真は流介とともに男子学生寮から出て、昨日の夜にはいったクレス団長から連絡通りに、教えてもらった落ち合いする秘密の場所へと向かった。

 それから途中で、朝に誰も通らない人気ない道端にて優奈、小太郎、エミリーの三人と合流。

 そして再び足を動かし、秘密の落ち合い場所へ進み始める。

 因みに外出用の普段着は同じだが、一つだけ優奈たち四人とは別に、翔真だけは今回の不可解な現象事件への任務時に被る黒の仮面を被っている。

 理由は単純で、自分の正体を隠すためだ。

 おそらくはクレス団長だけではなく、何名かの異能騎士も同行しているだろう。

 優奈たち魔導士ならともかく、翔真はあくまで協力している一介の異能者とだけ、クレス団長以外の異能騎士たちには知らせていないだろう。

 協力者たる異能者が誰なのか知りたいと興味が出たり、あるいは怪しんだりなどするだろう。

 しかし今回の任務、事件において関わっている間、翔真は学園生活以外の方面では、自分の素顔を隠すことにしている。

 つまり、怪しいかも知れないが、クレス団長以外には自分の素顔を、正体を知られてはいけないのだ。

 なるべく厄介事に関わる際は、正体を知られないように素顔を隠すことにしようと、先にザーナ島の一件から、翔真はそう決めたのであった。


 そして――。

 暫く経った頃に。

 クレス団長との秘密の落ち合い場所へと到着した。

 その秘密の場所は、エスパダ第七異能騎士団が使用する第五区の隠れ家であった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 エスパダ第七異能騎士団が使用する第五区の隠れ家にて。

 それから到着してすぐに待ち構えていた一人の異能騎士の案内の元、隠れ家の密室状態となる応接室に入り、そこには一人の異能騎士を背後に付き添えさせているクレス団長が、長椅子に座り、待っていた。

 どうやら付き添いの異能騎士は二人だけらしい。

 一応秘密裏での会議なので少数できたのだと窺える。

 そして入室した翔真たちはクレス団長らと軽く挨拶を交わす。

 そのあとに残りの座席に各自着席したのを見計らい、クレス団長は会議開始の台詞を口にしようとした。

 がその寸前に、後ろの二名の異能騎士から、協力者の異能者がなぜ黒い仮面をつけいるかという質問を挟んできた。

 そこはなんとかクレス団長と、その場限りで口裏を繋ぎ合わせ、納得させるようにし……最終的にはなんとか素直に引くように承知しくれて、素顔を知られずに回避できた。

 ……釈然としない表情はしているが。

 ともかくこれで、


「それじゃあ、不可解な現象事件の解決に向けて会議を始める」


 不可解な現象事件の解決へ向けて、少数人によるクレス団長のその開始宣言でにより、会議が開くのだった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 それから会議は約1時間ほど経った頃に終了した。

 要約しても長くなるが、翔真たちの約1時間に続いた会議の流れを最後まで説明すると――。


 会議の最初は、不可解な現象事件に関連する話が次々と報告しあった。

 クレス団長たち側が調べた事、そして翔真たちが調べた事、その中には昨夜の会議で今回の会議に出すつまりで伏せていた内容も出して一同は議論し続けた。

 そうして異能騎士組と魔導士組、両側で調べた情報を一通りして伝え、共有する。

 すると、その間で生徒たちによる異常症状の原因が、クレス団長たち異能騎士団の調査で既に発覚したのがわかったようだ。

 どうやら異常症状の原因は、生徒たちの心の奥底に宿る負の感情を、何らかの術によって爆発的に増幅し、その影響によって、自身の精神崩壊を招く発狂をしたのだという。

 その術についても何からの障害網が術に組み込まれており、解読するのに困難だったが、時間をかけての異能術式専門の学者の力を借り、解読を行った結果、それが《状態異常系による精神崩壊へと及ばせる“悪魔術”》だということが、つい先日にやっと確認されたとのことだ。

 ということは。

 生徒たちの異常症状の原因は、異能学園に潜む敵の悪魔使い、あるいはその契約悪魔たるあの女悪魔の仕業だと。

 それがわかった。

 だがなぜ生徒たちにそのような状態異常系の悪魔術をかけたのかという疑問はまだ謎のまま。

 しかし――。

 これで不可解な現象事件を引き起こした二件の原因は解いた。

 それだけでも大きく進歩したことは確かだ。

 それを自覚し、翔真たち五人はそれぞれ顔を見合わせ、頷きあった。

 これで一先ずは任務の半分は完了したことになり、頷きあった翔真たちは安堵した。

 だがすぐに気を引き直した。

 まだいくつか片付けてない件もある。

 まだ全てが終わってはわかったわけではないのである。

 まだ、正体隠す元凶である敵や女悪魔、そして異能原爆の件が残っている。

 それから先は残り時間――40分間による時間は、敵の悪魔使いとその契約悪魔たる女悪魔、そして異能原爆の処理と、それらにむけて作戦会議を行った。

 そして敵への作戦を立てた後――。

 それらの作戦内容は決行する際に説明するとし……一方で一同の議論で作戦が決行する日も作戦会議中にて決まった。


『作戦決行は日曜日、つまり今日の夜だ。 先ほど立てた作戦のプラン1通りに、敵の正体を暴露させ、そして捕獲。 ―――長く続いた不可解な現象事件に終止符をうつため、明日の早朝までには決着をつけるぞ』


 クレス団長のその宣告を最後に、1時間にわたる会議は終了となったのであった。



 ◆◆◆



 そして――。

 時間は瞬く間に過ぎていき、あっいう間に日曜日――すなわち今日の夜になった頃。

 人気のないエスパダ第七異能学園の北方にある、森林地帯の各所に隠れ、暗闇の中を静けさに靡くそよ風と共に『卒業試合の間』に向かう部隊が、まるで敵地に行くかのようや足取りで、警戒して向かっている。

 彼らは、その先にいる対女悪魔と異能原爆処理のためにクレス団長が動員した異能騎士隊だ。

 その隊の人数は五十人だ。

 重要な役目であるため、その五十人の殆どが長い異能騎士歴を持つベテランだ。

 そして闇に溶け込むような闇色の異能騎士戦闘服を着用している。

 その他に異能騎士隊と共に行動する者もいる。


「よし。みな配置についたか?」


 そして、『卒業試合の間』――正確には地下の悪魔礼拝場がある旧校舎を囲むように、異能騎士隊が配置についたのかを、その隊の隊長である35歳の男が、隊のみなへ、取り出した無線機で確認を行った。 すると次々と静かな声で次々と配置についたと応答に答えた。


「さて。女悪魔の方は任せたよ? 協力者くん。 こちらはこちらも、課せられた任を達成次第、君の援護に回る」


 と、後ろで共にきた協力者の黒い仮面の青年――加藤 翔真へと隊長は真剣の面持ちで言った。

 そう、異能騎士隊と共に行動をしている者が、翔真である。

 作戦会議時に、翔真は異能騎士隊とともに行動することになったのだ。

 そして対女悪魔戦では、主に翔真が交戦にでる担当となっている。

 異能騎士隊は対女悪魔戦の任をうけた翔真のサポートに回るように命じられている。彼らの第一の優先は異能原爆の処理――そして第二の優先は、どこかにひっそりといるだろう鴉兵カラス・ソルジャー隊の討伐。

 先に魔導士のエミリーが鴉兵カラス・ソルジャー共と交戦した事例がある。

それを推測するにあたり、鴉兵カラス・ソルジャー隊がいる可能性も大いにある。

 エミリーが交戦した鴉兵カラス・ソルジャー共は、どこかにひっそりと隠れている鴉兵カラス・ソルジャー隊の一握りの数だろうことも。

 異能原爆の処理。

 対女悪魔戦。

 鴉兵カラス・ソルジャー隊の対処。

 この三つが、ここにいる翔真含め異能騎士隊が担当だ。


「もちろんですとも。それでは、行きましょうか」


「ああ。 ―――それでみな、行くぞ!」


 翔真の言葉に頷いたすぐに、無線機を使い配置についている隊員達へと隊長は任務開始の合図を言い放ち、それに隊員達は『了解!』と一斉に応答し――。

 直後。

 半数の異能騎士をその場に待機させ、残り隊長含めた異能騎士達とともに、翔真は旧校舎へと速度向上黒魔術『魔風脚』を用いて、静かなる激風の如く、猛速度で突入。


(第二回戦だ、女悪魔)


 地下の不気味な礼拝場にいるであろう女悪魔へ、翔真は闘志を燃やす。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 翔真と異能騎士隊が動き始めた頃。

 一方で優奈・小太郎・エミリーの三人の魔導士は、事件の元凶たる黒幕……異能学園に潜む敵の悪魔使いを炙り出すため、こちらも動き出した。

 更にもう一方で、エスパダ第七異能学園を見渡せるほどの高い高層ビルの屋上にて、ある大物なる敵が参じてく・・・・・・・・・・のを、クレス団長は待ち構える。


:次回の最新はGW明けの5月7日に投稿します。


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