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最強召喚師の舞い戻り英雄譚  作者: 林 小
第3章:異能学園への潜入調査(仮)
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第112話:事件解決へ向けて(中)

早い所で区切りがよかったので、今回はいつもと文章量は少なめです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 それから、クレス団長からの落ち合いする秘密の場所を翔真は四人に伝えた後、再び会議に戻った。


「それで、次に新たに入った追加任務ーーある二人の探りだが……その一方の人物、シャリル・デネーナだな。流介、今日彼女とデートして何かわかったことはないのか?」


 と、次は追加任務についての話に入り、その担当をする流介へ翔真は聞く。他の三人も、翔真に伴い流介へ視線を向ける。


「…………」


 四人に視線を向けられながらも、流介は今一度、今日のデートでシャリルの事を考え始める。


 彼女と今日一日デートして、優雅で充実した時間を過ごせた。

 しかし、昼食の時間に彼女へ探りを入れた話を持ちかけた時、所々に僅かに動揺や、必死に話を遠回して逸らしている場面がいくつかあった。

 最初に話した不可解な現象事件についての時に、彼女は微かに動揺した。

 その話をする間に、彼女の瞳の奥には言い知れぬ悲しさがあった。

 その悲しさには、流介はなんとなく罪悪感なる感情が隠れ見えたのである。


 そして話の流れに連れ、事件の噂で悪魔を見た、という話をいれた。

 課せられた追加任務には、悪魔使いの一族の関連が入っている。

 悪魔関連、もしくは悪魔という単語が出てれば、何かしら反応するじゃないか? と、流介は読んだ。

 そしてその読みは、まさしく的中したのである。

無論、悪魔と不可解な現象事件が結びつく話をしても、彼女は大きな変化はなかった。

 しかし流介のある言葉によってーー明らかに大きく動揺していた。

 それは、ある名によって、だ。


 ーー『デモネス』。


 それを不可解な現象事件の話の折に、そのワードを口にすると……流介が戸惑ってしまいそうに、彼女は大きな動揺を見せたのだ。

 それからはすぐにそれを隠すように取り繕い、そして話を逸らされた。

 その後は、まるで昼食の会話を無理やり終わらせようと食事を早く食べて、流介もそれに倣い早く食べ……あっという間に終わり、すぐさま席を立ち、シャリルによってそそくさと映画館へ向かった。

 シャリルにとって幸いなのは、食べ終わった頃には映画の上映時間が近づいてきたお陰だろう。

 もし上映時間がまだ先の時間だったのならば、再び流介は不可解な現象事件の話を始めるところだった。

 しかし映画を見終わった後にも、デート終了までにまだ一時間三十分もの時間があったが……、


(そこでまた不可解現象の事件の話を持ちかけると、流石に怪しまれるからな……)


 その理由もあって、彼女へ探りにいくことはなく、それっきり本来のデートを満喫するだけで終わってしまったのである。しかし、


(1回目の探りを入れた話を終始彼女の様子から見ればーー)


 流介を四人に視線を向け、躊躇いがちに、答えた。


「現段階で、まぁ色で判定すれば……黒に近いグレー、だろうな……」


 それが、流介が出したシャリルを探った結果だ。デモネスは、街を破滅させんとした悪魔使いの一族だ。

 その行いを阻止せんとアメリカ政府から派遣したアメリカ魔導機関の部隊によって、壊滅させたのである。

 そのデモネスというワードを聞いた彼女の動揺っぷりは、明らかに意味深く関係するようなものだった。

 おそらく、彼女は今回の不可解な現象事件に何かしらの秘密を握っていると思われるだろう。


「つまり、シャリルさんが今回の事件に深く関わっていると、考えていいのかしら?」


 と、少し悲しげな顔で優奈が言った。

 彼女も、流介からの探りを入れた話の際に、シャリルが大きく動揺した時の様子を遠くから目にしている。

 最初は蟠りのような関係になってしまったが、今は優奈にとってまだ出会った時間は浅いが、それでもシャリルは友達になった愛柄である。

 そんな彼女が、もしかしたら敵もしくはそれに近い者だという可能性が出てしまっては、やはり悲しさが込み上げてくるだろう。しかし、


「それは……ない! と俺は信じたい」


 思い詰まった、信じたくないような表現で言葉強く、流介は言い放った。


「…………」


 そんな彼の心境に翔真は察する。

 流介独自に調べたシャリルが今回の事件とは無関係である結果が出た理由。

 それを流介は今もそうなのだと、どこかで強く思いっているのだろう。

 翔真は、それが今の彼の表情から読み取れた。

 だが、それは他の皆も同じだった。

 その一人である小太郎が、流介へ聞く。


「お前、なんでそんなにシャリル・デネーナのことを庇ってるんだよ」


 それは翔真、優奈、エミリーの三人も思っていたことだ。流介は明らかにシャリルを庇っている節が所々見えるのである。


「それは……」


 しかし、小太郎の質問に流介は言葉を詰まらせた。

 それから先は、小太郎のその質問に答えることはなかった。

 一変して気まずい空気になってしまったが、まだ会議は終わっていない。

 顔を伏せる流介をそのままにし、四人は会議を続けるのだった。


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