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クラス リニュニアン  作者: 藤いろ
7/17

7・江戸川区編4・ソノアトデ

「シンノジョウ・・・さん?」

「どうも!こんにちは!古臭い名前でしょ!?いや〜でも俺は気に入ってるんだよね!彼女さん!?奥さん!?妹さんだったら俺なんかどうですか!?」

とてもグイグイ来た。明るい人で悪い人ではない印象だった。

「シンノジョウと義兄弟にはなりたくない」

「ひどいなぁ〜ケゲン〜」

「というかクラスのやつ誰ともそういうのないたくない」

「俺らのこと大好きのくせに〜♪」

「違うよ」

「真面目に否定すんなよ!」

昨日も会っていたかのような2人の会話。ケゲンくんはクラスの人とは仲いいんだなぁと見てた。

「で、結局どっち?」

「私ケゲンくんとお付き合いさせてもらってます。ソヨコ・ショウノです」

「彼女さんかぁ良いなぁ良いなぁ!よろしくお願いします!」

そこで手を差し出して来た。和服なのに握手。和風なのか洋風なのか分からない人だ。

「2人とも和んでるけど、飛行機落ちてるからね」

「ええ〜!!?」

「ケゲンくんこそ何で冷静なの!?」

「もう手の打ちようがないから」

「諦めてたよ、この人!」

「くそぉ!誰のせいだ!」

「お前だ」

窓から外を見ると雲が斜めになってきた。確かに落ちていた。

機体は前方に傾き、私たちは他の乗客と一緒に操縦席の方へ叩きつけられた。

乗客の中には気絶している人達もいて、どうしようもない状況だった。

「さて、どうしようかなぁ」

私とケゲンくんの下でシンノジョウさんが言った。

「タカキさんも冷静ですね」

「シンノジョウで良いですよ〜。冷静なのは諦めてるから」

「諦め早いな!皆!」

泣き声、怒号、壊れゆく機体の音、機体の切り裂く空気の音、色々な音が鳴り響いていた。

その中で音を発していなかったのはケゲンくんとシンノジョウさん。

本当に諦めているのか何なのかその時の私には分からなかった。

不思議と2人を見ていた私も喋りもせず冷静だった。

ドンドン高度を下げていく機体。

そして機体がどうなったかは私は知らない。

読んでいただきありがとうございます。

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