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クラス リニュニアン  作者: 藤いろ
13/17

13・江戸川区編10・イラットネ

陽が完全に上がり、体感的に感覚的に10時を過ぎた頃だと思う。特に寒くもなく、寧ろ暖かいともいえる気温。凍っていた服が溶けてきて風邪がより冷たく感じる。

よくこんな服でビルの屋上で夜を乗り越えたと自分を褒めてしまうよ。普通死ぬよ。

ずっと何かを考えてた事に関係あるのかな?

私はとりあえず最初のビルを出て黒く暗いビルを目指した。

何故かって?う〜ん勘かなぁ。一番大きいから遠くまで見渡せると思うしね。

とりあえず自分の現状把握。場所くらいは分かってなきゃ。

昨日からの出来事・・・・その前のケゲンくんの事から私の頭はまともに使われていなかったんだと思う。じゃなきゃ勘なんかであのビルには行かない。

頭がまともに使えなかった事とあとビルを目指した事はアレのせいもあったんだとこの時の私は気付いていない。

黒く暗いビルに近づこうとするたび他のビルが密集していく。

けれど歩けど歩けど中々黒く暗いビルには着かない。

そして人一人にも会わない。出会ってもこんな所だから怖いけど。

廃墟のビルばかり、江戸川区ってこんな所だったんだ。初めてだからなぁ。

周りをキョロキョロ見ながら歩く私は完全なお上りさん状態。

ビルの隙間隙間から当たっている光が眩しい。

本当にここは日本で東京で江戸川区なのか?

人がいない。そればかり気になってきた。

それにしてもあのビルに中々近づかない。

迷路のようなビルの密集地をもう何時間も歩いたのか分からない。

ある程度近づいたと思ったら巨大な壁が目の前に現れる。

コンクリートをガチガチに固めたような金属のような私にはよく分からない。

巨大過ぎて登って先に進むことも出来ない。

「どうしよう・・・・」

思わず声が出た。

「お困りですか?お嬢さん」

何かの映画のようなベタベタな声のかけられ方。

それより私が気になったのはお嬢さん。

私はお嬢さんという歳じゃないからちょっとイラっときた。

「いえ・・・・別に・・・・」

ここでの初めての人なんだしもっと愛想良くしても良いだろうけど、お嬢さんのせいでそれが出来なかった。

「お嬢さんなのは認めるんだw」

殺す・・・・この言葉で頭の中が埋め尽くされた。

どう殺してやろうか!一瞬で色々考えた。

えっと中学の時読んだ拷問の本には確かぁ。

水責め!水がないか。

火あぶり!私が火欲しいわ!

よしっ!とりあえず撲殺だ。殴り殺そう!

「おっ殴り気か!怖い怖いw」

ホントに何だこの男は!

見た目長髪で顔も全然見えなくて、着てる服も和服だし。青い和服。

青い和服って私知ってるなぁ。ジェット機でケゲンくんの友達のシンノジョウさんと揉めてた相手と同じだ!

って事はあんまり良い人じゃない?

・・・いやそう考えるのは止めよう。

重要なのはこの人がどういう人かって事だから。

「あなたあのビルに行きたいの?」

青い和服の長髪は黒く暗いビルを指差した。

「そうだね」

「何で?君は何を持ってるの?」

「持ってる?」

「ん〜まぁ言わないよね普通。そうだよね〜ん〜どうしようかな〜」

「うん!しょうがない連れて行こう!」

「何さっきから?怖いんですけど」

「あぁごめんね〜。あのビル行きたいならナカガワザトが連れてってあげるよ!」

「えっ!?何で!?ナカ〜って誰!?」

「ナカガワザトはナカガワザトの為にあなたを連れていくだけだよ。ナカガワザトは自分の名前ね。よろすく〜w」

読んでいただきありがとうございます。

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