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僕の三日月

新月

作者: ゐ虎



隙間を覗かないで

知らない間に落ちるから

闇に潜む黒い怪物に

食べられてしまうから



落ちるのはあっという間


私が落下するスピードに

私はついていけず

落下する私の身体を

私は掴み取れず


落ちる私を必死に追いかける

落ちる私の顔は見えない




いつかはそこにたどり着く

奈落の底にたどり着く


真っ暗なそこに

私たちの音だけが鳴り響き

直ぐに黒に吸い取られては

静寂がこの夜を支配する



そっと私を抱き寄せると

ぬるりと赤の感触がした













上にある、ぽっかりと開いた穴

私が落ちてしまった穴

私の希望となる穴

鎖につながれた私にはたどり着けない穴


私は耐えられない

希望が絶望に変わることに

でもそれが今日という日

穴の扉が閉じられる日

私が諦める日



希望の白を塗り潰されて

カピカピに乾いた赤でさえ見えなくなって

真っ黒な真っ暗な私は今日、

怪物になるのだ。









もう人として、

苦しまなくていいよ












嘘だ。嘘だ。嘘である。

私は大嘘つきだ。

何が諦めるだ。

怪物になって気がついた。

私は貪欲なのである。浅ましく望むのである。

私は怪物を切り裂いて、三日月の扉をこじ開けた。




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