OperationPrepare
気温30℃近い気候の中。
公園のマンホールの前に男女がいた。
ボストンバックを持ったラルス。
キャリーバックを持ったシャルン。
大きな風呂敷包みを持った雪姫。
少し待つとマンホールが開いた。
3人は荷物を先に中に運び入れ順番に入っていった。
「何度も集まってもらってわりぃな。」
ルスカルトはそう切りだした。
「お前等もそろそろ夏休みだと思う。その期間に片を付ける。いいか?」
明日からラルス達の学校は2ヶ月間の夏休みに入る。
ルスカルトはその2ヶ月間ですべて終わらせようとしているのだ。
3人は事前にそれぞれの家族に『3人で勉強合宿、社会勉強を含めた長期旅行に行ってくる』と言ってあるので、夏休み中は家に帰らずとも怪しまれない。
覚悟はできてる。という意志を込め3人は頷いた。
「よし。あとそれからもう一人仲間を紹介しよう。おーい、あすk ヘブッ!」
ルスカルトの頬に何かがめり込み、吹っ飛び壁に叩きつけられた。
「人の名前気安く呼ぶんじゃねぇつってんだろが!クソカルト!・・・あ、どうも。ボク、カノ明日香と申しますのです☆」
満面の笑みでそう言いながら一人のツインテールの女性が出てきた。メガネをかけ、ドレスとワンピースの中間のような服を着た小柄な女性だ。
ルスカルトが這い上がり、
「お前・・・少しは上司に気遣いを・・・ホブッ!」
再びルスカルトの顔に踵がめり込んだ。
「うっせぇよ!いいから黙ってろやぁ!・・・あ、えと。ウチのクズカルトがいつもお世話になってるのです☆」
明日香の行動に唖然としている3人と撃沈しているルスカルト。しばらくの間沈黙があった。
鼻血を出しながらルスカルトが再度立ち上がった。
「まぁ、俺のぶk・・・ではなく!いつもお世話になっている明日香・・・さんだ。」
明日香に睨まれ言葉に訂正を加えながらルスカルトが説明した。
「よろしくなのです☆」
服を整えたルスカルトは椅子に腰掛けため息を一つ吐いた。
「で、これから削除者を潰すわけだが・・・
「ちょーーーっとまって!」
ルスカルトの言葉を途中でシャルンが遮った。
「あの~。あたしたち、作戦内容?的なもの何も聞いてないんですが?」
その瞬間明日香とシャルン以外全員が『ハッ!』と言った。
暫く沈黙が流れる・・・。
「おいコラ、ゴミカルト。てめぇなんも話してなかったのか?ぁん?」
「あ、いや、忘れて・・・ホブーッ!」
ルスカルトが蹴り飛ばされ悶絶する。
「アホカルトが役立たずのゴミクズですいませんなのです。内容はボクから説明させていただくのです。内容と言いましてもこれといった大掛かりなことはないわけなのでして、削除者の本拠地に乗り込み中枢プログラムを破壊するというわけなのです。まぁ、そこに転がってる粗大ゴミが考えたものなのですので『作戦』と呼べる様なものではないわけなのですが。」
ここで明日香は言葉を切り、
「そぅそぅ。あなた方は人を殺せますか?」
一瞬明日香の顔が冷徹な殺戮者のようになった。
3人は息をのみ、そのまま俯き黙り込んでしまった。
殺せるか?と聞かれてハイ殺せます。と答える人はまずいない。いたらソイツは間違いなくサイコパスだ。
「できません?でしたら今から帰ってもらっても大丈夫なのです。」
そこで一旦言葉を切って
「まぁ殺すと言っても削除者の大半はPHですし。」
そう続けた。
そう言われても殺す事に抵抗は消えない。その気持ちを揺るがせたのは
「あたしは殺るよ。」
という、シャルンの言葉だ。
「おま・・・」
「シャルン・・・」
「造られた人間殺すならゲームと同じだよ。冷酷って思われるかも知んないけど、世界征服されるくらいなら偽の人くらい死んでもいいよ。
だけど。と言いかけたラルスはシャルンの表情を見て言葉を飲んだ。とても怯えた顔をしてたからだ。さっきのセリフは自分に向けた言葉でもあったのかもしれない。
「そうですね。殺りましょう。」
雪姫も賛成の意を示した。
ラルスはため息をつくと、
「ハッ。俺も1人殺っちまってるし今更1人も2人もかわんねーか。」
と、ラルスは少し強がりつつ言った。
「全員可能なのですね。」
明日香はそう言うとルスカルトの首根っこを掴み、
「ほらっ!とっとと起きろ!説明してやったから。」
子猫のようにつまみ上げられたルスカルトは椅子に座り言った。
ルスカルトは咳き込み、
「殺しなんてさせて悪いな。で、奴らのアジトだが───




