Organization
「俺を追いかけている奴等だが、お前も知っていると思う。削除者だ」
ラルスは数時間前のことを思い出した。突然現れ突然消えたCenterを覆い尽くすほど大きな円盤。削除者を名乗る謎の組織。
あの時はたちの悪い悪戯だと思っていた。しかし、帰り道での出来事を考えるとルスカルトの話は本当としか思うことができなかった。
削除者という組織は存在する。
ラルスは非日常的すぎる状況を信じざるをえなかった。
「その様子だとただの悪戯だと思ってたみたいだな」
ラルスは考えを読まれ少しドキッとした。
「無理もねぇ。突然わけのわかんない物が現れて『世界征服をします』。信じろって方が無理があるぜ。だけどな、削除者は実在しちまうんだ。信じるか?」
ラルスは頷くことしかできなかった。
「こっからが本題だ。前に『話の進み方によってはこれからも一緒にいることが多くなるかもしれない。』って言ったよな?単刀直入に言う。手伝ってくれ!」
ラルスが飲んでいた紅茶を吹き出した。
はぃ!?と言う言葉を呑み込み頭の中で渦巻く疑問に自問自答した。
手伝え?なにを?⇒しるかぁ!
ラルスはできるだけ感情を抑え聞いた。
「な・・・なにを?・・・・・ですか?」
「そーゆーと思ったよ~」
(だったら最初から説明しろやぁ!!!)
すると突然ルスカルトが真面目な顔になった。
急な表情の変化にラルスはやや戸惑った。
「悪いが『協力する』の言葉を聞かないと内容は話せない」
「そうは言っても内容がわからなきゃYESもNOも言えませんよ?」
「無茶苦茶なこと言ってるのはわかってる。けどな、それだけデカいことやろーとしてんだよ。アンタみたいな一般の学生を巻き込むなんて俺でも気が引けるよ。だがな、今は少しでも味方がほしいんだ。自ら巻き込まれる勇気があるか?」
少しの沈黙がありルスカルトが続けた。
「NOなら丁重に返そう。口封じもしないし誰にも言うなとも言わん。YESと答えた場合これからそれなりの危険と隣り合わせだ。最後に聞く。協力してもらえるか?」
ラルスは俯き考えた。
今まで何の特徴もない人生を送ってきた自分が世界征服なんてメチャクチャなこと目論むキチガイ組織とかかわる?そんなことごめんだ。
が、なぜか心の片隅に『協力しよう!』と叫ぶ自分がいる。
ラルスは口を開いた。
「考えさせて・・・くれませんか?」
ラルスにはこれがやっとの返事だった。
「かまわん。けどな、時間はそうあるわけじゃねぇ。・・・三日後。またこの時間ここに来い。そこで最終決断だ」
ラルスは無言でうなずいた。
ルスカルトに連れられラルスは出口に向かった。
出口はマンホールのようになっており、地上に上がるとそこはラルスの学校の近くにある公園の公衆トイレの裏だった。
「またな。」
ルスカルトはそう言い残すと地下へ戻っていった。




