Kill
学校が終わりラルスは帰り始めた。
その帰り道のこと───
いつもの帰宅路を歩いていたとき。
突然目の前の壁に人が叩きつけられ砂埃が舞い上がった。叩きつけられた人はフラフラしながら起き上がるとデバイスを取り出しメモリーを挿そうとした。そのとき、その人が飛んできた方向からあり得ない速度で人が突っ込込んできたかと思うとそのまま叩きつけられた人に激突した。その人の手からメモリーが空を舞い、ラルスの目の前に落ちた。
ラルスは目の前の現実離れしすぎた状況を理解できていなかった。
すると、さっきより濃くなった砂埃の中から声が聞こえた。
「そこの人!そのメモリーを・・・
グアッという声とパキッという軽い音が砂埃の中から漏れてきた。
ラルスはよくわからないままメモリーを拾い上げ、とりあえず自分のデバイスにインストールした。
メモリーの中身は拳銃《デザートイーグル.50AE》の実体化用プログラムだった。
「ちょ、これ禁止プログラム!」
OneWouldの法律で銃刀類の実体化及びプログラミングは禁止されている。
こんな街中で禁止プログラムの実体化などするわけもない。が、状況が状況である。
ラルスは銃を実体化させた。
ずっしりと重い鉄の塊。太陽の光に反射して黒く光る。引き金を引けば間違いなく人を殺せる。
本物だ。
ラルスは震えながらトリガーを引き、銃を構えた。自分の震えを恐怖ではなく武者震いだと思いこませ気持ちを支えた。
構えて数秒後。砂埃の中から両手にメリケンをはめた男が飛び出してきた。
「ひゃわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」
ラルスは謎の悲鳴をあげて銃を乱射した。
空の薬莢があちこちに飛び散り弾を全て撃ち終えた拳銃は沈黙した。
恐る恐る目を開けると目の前には体のあちこちが消し飛び血の海に横たわる一人の男がいた。
さっきとは別の恐怖がラルスを支配した。
(人を、、、殺した、、、、、)
ラルスが死体を前に呆然としていると、薄くなった砂埃から先程壁に叩きつけられていた男がでてきた。
「ここにいるとマズい。こいっ!」
男はラルスを抱えるとデバイスを取り出しバイクを実体化させた。
それに飛び乗るとそのままどこかへ走り去った。
次の日、ラルスは学校に来なかった。
「ラルスさん、どうしたんでしょうか。」
「アイツが休むなんて。珍しいこともあるわねぇ。」
シャルンと雪姫はいつもいる人がいないことに寂しさを覚えていた。
そのころラルスはとある地下施設にいた。




