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.07

より賑わいを増す商店街を、波をかき分けるように走る。息が上がり、心拍数が異常に上昇しているのが手にとる様にわかった。

(クソッ…何でだ?)

走っても走っても一向に追い付かない。そう、“走っても”。

行き交う人が少女の姿を一瞬遮るたびに、距離が広がる。まるで何かの手品のように。



   Blood*Beat



「クソッ…」

叱咤も口から滑る。完全に日は沈み、夜になっていた。

「コッチ…か?…だよな…」

ついに見失ってしまった。月明かりでも、暗がり全てを照らしてはくれない。路地裏へ消えていくのを最後に、少女は幻のように消えた。

ケイスは気が付いたかのように辺りを見渡す。

(…ここは?…暗くてよくわからないな…)

昼と夜とでは、同じ街でもこんなに表情を変えるものなのかと思わせる。

(キツネに化かされたみたいだ…)

携帯の液晶を見ると、時刻は午後の九時を記していた。

「…流石に帰らないとマズイよな」

着信が貯まった画面を見て、少しネガティブになりながらケイスは大通りを目指す事にした。

見上げると満月だった。金色で、とても綺麗だ。


──満月を背にした高層ビルの屋上に、誰かがいた。全身が白く輝いていた。まるで刃のように──


直感ではあるが、目があった気がした。同時に、物凄い悪寒(プレッシャー)

「ッ!?」

瞬きとともに人影は消えた。

「…げ、幻…覚?」

目がしらを押さえ、頭を振るう。気を取り直そうとした時だった。


目の前に、ソレは立っていた。

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