眞實は知られざるもの
掲載日:2026/08/16
眞實は知られざるもの。
知られるは眞實にあらず。
草葉に翳り、苔むして、風雨に磨られ、碑文の読めぬ、平石の墓牌。半ばは土に埋もれて、訪う人もなかりせば、はや自然なる哉。
同じくも自然のごとく孑然と、誰も覧もせぬコンテンツ。作者も既に世になかりせば。
あるいは火星の紅砂に点綴と遺る人の足跡。
奥深い神域で、人見ることなき神儼な、遙かな巖。
二万五千七百年前、帰郷の途で氷河に裂けたクレパスへ落ち、家族も誰も知るすべのない、旧石器人の亡骸木乃伊。
ぽつり寂と在りき。
儼しき哉。
神の領域。




