婚約破棄の危機・前編
誤字脱字日本語がおかしいなどあまり気にしないでいただけると嬉しいです!!
「ちょっとぉおっ!!!アルヴィンーーっ!!!」
バンっ!!
扉を豪快に開けて入ってきたのは
綺麗な白髪を揺らす女性だった。
「あ、アーネント……!?」
アルヴィンが目を見開く間もなく、
アーネントは手を机に叩きつけた。
「ちょっとぉおっ!!あんた何してんのよ!!?」
「……はい…?」
「はい?じゃなくて!!
あんな可愛い子にあんな顔させるなんて……!!
未来のお嫁さんへの敬意はどうした!?敬意は!」
「……」
アルヴィンが黙りこくっていると
隣にいたレオンもここぞとばかり言った。
「そうですよ!!殿下はセシリア様の気持ち考えた
ことあります!?
あの方がどれだけ自分を責めているか
殿下は知らないでしょう!!?」
「……でも、俺は…」
「でもじゃないです!!私がセシリア様なら、
とっくに見捨ててますよ!!殿下のことなんか!」
「そうよ!!今まで待ってくれてたのが逆に
奇跡だわ!!!」
2人からの集中砲火にアルヴィンはぐうの音もでなかった。
そして、ようやく口を開いた。
「……俺は……どうすればよかったんだ……」
ぽつりと溢れたその声に、2人は一瞬だけ静まった。
そしてーー
「そうやって黙ってたら恋が叶うとか思ってたの?」
「ちゃんと伝える努力をしてください、殿下」
少しの静寂のすえに、アルヴィンが重たい腰をあげた
「……わかった…」
ようやく立ち上がり、深く息をする。
「セシリアの元へ行く」
「よっしゃ来た!!行ってこい未来の義弟!」
「頑張ってください!殿下!!」
アーネントとレオンが見事にガッツポーズをした
その瞬間ーー
バァン!!
「殿下っ!!」
勢いよく飛び込んできたのはアルヴィンの側近だった
「……何事だ?」
「へ、陛下が!セシリア嬢及び公爵一家を謁見室に
呼び出したと連絡が!!!」
一瞬で部屋の雰囲気が変わる。
「何……?父上がーー」
「ちょっとまずいんじゃないこれ!!?」
「急ぎましょう殿下!!このままでは
誤解されたままで終わってしまいます!!」
「あぁ。確実に取り戻す」
こうして、アルヴィンはようやく進み出した。
ーー謁見室。
荘厳な扉の先でセシリアは緊張を押し隠すように
目を伏せていた。
(な、なにこれ……めちゃくちゃ緊張する……)
視界の端で父が堂々と構えているのが見える。
そして、セシリアより年下であるはずのフィーネも
真っ直ぐに正面を向いている。
その姿に不安や緊張といった感情は見受けられない。
(お父様もフィーネも強すぎない……?)
「よく来てくれたな」
ふと、重厚な声が玉座の上から響いた。
「こたびのご息女のことを、わしは誠にーー」
「陛下、建前は結構ですので早く本題に」
(お父様ーーっ!!?陛下にそんな言い方ありなの!?
陛下だよ!!?国のトップなんだよ!!?)
セシリアの心の中の大騒ぎとは裏腹に
父はどこまでも冷静だった。
「あぁ、そうだな……」
国王は小さく苦笑し、口を開く。
(いいんだ!?こんな口の書き方でいいんだ!!?)
「そなたの娘、セシリア嬢はーー
わしの息子、アルヴィンと婚約しておるな」
「えぇ」
「それを、解消してほしいのだ」
謁見室がシンと静まり返る。
「もちろん、そちらに不備があったわけではない…
……わしとしても、まことに残念に思っておる。
だがーー2年半では……」
「……そうですね…。私の娘に王妃の座は少し
手に余りますし、残された時間も少ない。
こちらも婚約解消を受け入れる所存にございます」
「……そうか…。悪いのう。ここまで支えてもらって
このような形で別れることになるとは……」
セシリアは静かに頭を下げた。
「…私は大丈夫です、陛下。
私は、残りの人生をまっとうする所存にございます
ので。
婚約解消の件、謹んで……承りーー」
ーーその瞬間だった。
バンッッッッ!!!
謁見室の重厚な扉が轟音と共に蹴破られた。
「待ってください!!!!」
風のようにして現れたのはアルヴィン。
そして、息を切らすレオンだった。
「この婚約解消、認めるわけにはいきません!!!」
(あ、アルヴィン様ーー!!?)
セシリアが驚いている中、
フィーネは全く別のことを思っていた。
(なんか、デジャブね…この展開……)
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