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ウサギの様な何か

 クッキーをほおばっていた海くんは目を大きく開けて、

「ウサギさん来たの?」

 と驚いた。ちなみ海くんの食べているクッキーはまだ二個目で、食べ過ぎないようにという言いつけをしっかり守ってくれいる。偉いね。

「ぼくのところにも来て、いろいろとね説明しくれたよ。でもウサギさんには悪いけどあんまりよく分からなかったかなー。でもなんか今なら分かるような気がする」

 思ったよりもしっかりと説明してくれた海くん。

 何となく気づいたことがある。田阪さんの話が始まった最初の頃はどうしても海くんにとっては難しい言葉が多かったので、何度も「どういういみ?」と聞かれていた。けど少し前から質問が減って話の解説がいらなくなってきた。


          *


 それはただのウサギのぬいぐるみにしか見えなかった。もこもこした柔らかそうな毛の色は現実ものとは違いグレーで、こちらを見上げているように座っているので腹側の白色も見える。

 そのウサギのいる方向からとしか思えないが、こちらに話しかける声が聞こえた。

「突然で驚くだろうが怪しいものではない、と信じにくいだろうがそう言うしかないな」

 落ち着いた、しかし厳しさも感じるはっきりとした声だった。

 思わず目を見開いて、その物体を凝視する。

「ただ私のように、明らかにこの世の理から外れたものがある事には少しは抵抗が無くなっているだろう」

 確かにそうだ。もっとあり得ないような事が実際に起きてきている。ぬいぐるみが話し出したことに驚きはしたが、それよりも話の内容の方が気になってきている。

「そう――、ですね」

「理解が早くて助かるよ。さて、君は人間のスイッチングはやめることにしたのか?」

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