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増え続けるキャラたちに人物紹介の文字数が増加の一途を辿るので、仕方なく切り離されてしまったこれまた長々しい用語解説とざっくり地図と一、二、三作目の申し訳程度のあらすじです。こちらも恒例今作のテーマも!

 もちろんこちらもぴったり百文字!


〈用語解説〉


●龍

 魔物の頂点。それゆえ魔物が寄りつかない。護り龍として人里の傍に棲む龍や、人の姿で人に紛れて住むものもいる。人へも、人以外へも姿を変えることができ、容姿を変えることと重さを偽ることはそれぞれ別に魔力を使う。司るものへと紛れることができるが、これには魔力は使わない。

 水龍、地龍、火龍、風龍の四種がおり、稀に種を問わず金の鱗を持つ黄金龍が生まれる。水龍と風龍は手足が短く体の細長いヘビ型、地龍と火龍はどっしりとした体に太めの手足と尻尾のトカゲ型が基本形態。魔力で空を飛ぶので飛びながらの攻撃はできない。風龍を除き、基本飛ぶのは不得手。

 すべてを見透かす眼を持つといわれ、人の悪意を見抜くことができる。龍の意思なく剥がすことのできない鱗と龍の名は、ともに信頼したものにしか渡さない。

 万物から生きるための糧をもらえるため、基本経口での栄養摂取は不要。個から種へと声を伝えることができる。時折会合と称して集まっている。

 龍の子は卵から生まれるが、その卵は魔力で作られる。

 (つがい)である場合、一般的に雌の方が生まれ持つ魔力が多く、かつ魔力の質的にも向いているため、殻を作るのは雌となることが多い。

 そうしてできた魔力の殻に子どもの核となる魔力をともに分け与え、殻を作らなかった方が定着のための魔力も注ぐ。この魔力には雄の方が向くこともあり、ほとんどの番は殻を雌、定着を雄が担うこととなる。

 ここまでに使った魔力は子どもを形成し引き継がれる分として、本人たちからは削がれる。また、殻の魔力は子どもの形成とこの先の成長の両方に使われるので、失われる魔力が定着を担う側より大きい。殻を作る側の魔力量により卵の数は決まり、大抵はふたつか三つとなる。

 その後魔力を注ぎながら育てていくが、ここからの魔力は削がれるほどは使わない。

 子どもは殻の魔力と注がれる魔力、そして周りの環境から得られる糧を取り込みながら成長していく。取り込む量も卵により異なり、それにより生まれる順番が自然と決まる。黄金龍の場合は末子となることが多い。

 番を持たない場合は、寿命の最期に卵をひとつだけ作り、残るすべての魔力を殻に込める。

 護り龍の場合は卵を残さず土地の護りに充てることも。


●護り龍

 龍のうち、人の傍で生きることを選んだもの。龍であって龍でない龍。

 龍の力は己のための力だが、護り龍となった時点で攻撃する力を護る力にシフトする。種として君臨するので魔物に襲われはしないが、何かあっても攻撃はできない。土地と繋がりを持つので離れると生きられないが、番がいればふたりで責を担うため片方は出られる。土地を汚されたりなど、糧の貰えぬ地になると護り龍も死ぬ。会合は番がいるならどちらかが出て、いない護り龍には後に連絡が来る。護りの範囲内でほかの龍に攻撃の魔力を使われると、威力は弱く、その後暫く護りにも影響が残る。


●片割れ

 龍は長い一生の間に数人の『片割れ』となる人を得る。互いに絆を結ぶことで、相手の感情と所在地がわかるようになる。人にはわからないが、龍には出逢えば片割れとわかる。龍の愛子(いとしご)は例外なく黄金龍の片割れとなる。片割れとなる人はほかの龍にも好意的に感じられやすい。


●龍の愛子(いとしご)

 人の身に龍の魂を持つと言われる存在。

 決して龍に害を与えることはなく、むしろ幸運をもたらすといわれる。

 例外なく黄金龍の片割れとなる。また、黄金龍にとっても生涯得られる数人の片割れの中で愛子(いとしご)はひとりだけである。

 具体的には、龍に好かれ、出逢った龍との繋がりを得るため近付くと居場所を悟られる。

 龍の魂を持つためか、エルフに絆されない。


●エルフ

 長い耳が特徴的な、ほぼ例外なく整った容姿をしている魔法に長けた種族で、多くはその集落でひっそり暮らす。寿命は三百年ほど。

 魔力量もその器も人と比べ物にならぬものを持つが、魔力を溜めおくことができないため常に垂れ流しの状態。魔力が切れたままだと、すぐに影響はなくとも、最悪の場合は死に至ることも。そのため集落は魔力の溜まる場所に作られている。集落を出るときは魔力を溜める性質を持つ石を持ち歩かねば経口での魔力補給に頼ることになるが、ほとんどのものは集落を出ないため知らぬままである。

 その存在が人を絆す種で、耐性の低い者は無条件に恋情に近い想いを抱くことも。尤も容姿がいいのでそのせいもあると思われる。

 基本引き籠って暮らしてきたため、常識に疎く頭が固い、ちょっと残念な種。エルフと人との混血であるハーフエルフに対しても、あまり好意的でない様子。

 現在は人の世に出るエルフも少しずつ増えてきているが、集落に残るのは昔通りの価値観を持つものたちなので、生まれた子もまた同じようになる傾向がある。


●ハーフエルフ

 エルフと人との混血児。継がれるエルフとしての特性とその程度はまちまちだが、人にはなく、エルフには足りない。それゆえエルフの集落にも人の中にも馴染みにくい。クォーター以下、混ざる血の量に関わらず、少しでもエルフの特性を持つものはすべて『ハーフエルフ』と称する。


●ドワーフ

 総じてずんぐりとした体型。手先が利用で美的感覚にも優れ、多くは良き造り手となる。

 請負人(コート)組織内にある鍛冶屋街バラスは施設も整いドワーフにも人気の街。店を構える半数以上がドワーフである。


請負人(コート)組織

 依頼を受けて解決をする組織。組織員のことは請負人(コート)と呼ぶ。青の二番三番、紫の二番三番に区切られたユシェイグ地区を本部とし、主に魔物に関する依頼を引き受ける。

 街道の交差部にある各宿場町に支部があり、近隣の依頼を受けることができる。依頼主と受けた請負人(コート)はともに割板を持ち、依頼の完了の際には割板を交換、各々が支部へと報告書とともに提出する仕組みとなっている。

 請負人(コート)には三段階の級があり、それぞれで受けられる依頼や手数料が異なる。手数料は上級四割、中級三割、下級一割。複数人で依頼を受けた場合に級が異なる時は、一番高い手数料が取られる。

 その場での金銭のやり取りはなく、依頼料は年に二回、二の月と六の月、各五十日ずつの猶予期間のうちに本部で手続きをすれば、前年度の給与を受け取れる。もちろん手数料や借入金は差っ引かれたあとである。すぐに必要のない分は預けておくこともできる。

 その分の保障はしっかりしており、各支部で金を借りたり、武器防具の融通など、手元に金がなくともどうにかなるだけの体制は整えられている。

 各支部の職員は引退した元請負人(コート)がほとんど。

 組織本部の職員には龍とエルフ、そしてハーフエルフがそれなりの数いる模様。龍は通信運搬にも便利に使われている。


請負人(コート)養成所

 二年の過程を受け終えることで請負人(コート)となることができる。入所は成人となる十六歳以降なら何歳でも可能。二年間の授業料と生活費込みで角金貨一枚を納めればいいが、後払いも選択できるため、文無しでも入所できる。もちろん請負人(コート)となってから徴収され、なれなければ後々払うこととなる。


●研究所

 請負人(コート)組織の敷地内にある、様々なことを研究開発する施設。

 第一は魔物について。第二は合金。第三は防具。第四は道具。第五は薬剤。

 リーとアーキス愛用の薄手の防刃素材は第三研究所が開発、製造をしているもの。素材と方法は聞かぬ方がいいらしい。


保安(セリド)協同団

 対人の治安維持のための非営利団体。職業としての保安(セリド)、勤務する保安員(セリド)、ともに『セリド』と呼ばれる。

 組合、技師連盟、そして請負人(コート)組織の三団体から資金と一部人員の援助を受けることで、どこか一方、かつ自団自体の影響を受けない公平な団として存在する。

 治安を守るという点で、請負人(コート)と共同での出動も多い。

 各区画内の大きな街のほか、宿場町、中継所にも支部がある。本部は青六番の宿場町近く、テーラーに南本部、黄の二番の宿場町近く、アルザスに北本部の二ヶ所。


●リルダヴ

 保安(セリド)協同団が本部と各支部への連絡に使う魔物。真っ白の体に長い尾羽と頭に二本の飾り羽根があり、目と嘴と足は青がかった黒。一見小さな鳥にしか見えないが、飛翔速度、感知能力、地形把握能力に優れている。

 保安員(セリド)はリルダヴを呼ぶための笛を持っており、放たれているリルダヴはすべてどちらかの本部へ戻るよう訓練されたもの。本部には受け持つ半数の支部と、もう一方の本部へ向かうリルダヴがいる。

 魔物であるリルダヴが人に飼われるのは、決して強くはないリルダヴが安心して暮らせる場所を人が提供するから、であったのかもしれないが。

 現在は少し違う理由も含まれる…かもしれない。


●組合

 商、農、漁、林、建設の五部門からなり、個々ではなく集団として技術と方針と利益を保有し、各部門ごとに生産と流通も含めた一連の事業を担う。商業組合は各部門の流通の補佐のほか、主に芸術分野や技師連盟との連携を担っている。

 農、漁、林は自然相手の産業であるので、制度を整え秩序を保ち、安定した供給と不慮の事態を補い合うことを目的とし、そのために過ぎた利益を徴収する。個として大きな利を得ることはないが、代わりに困窮することもない。

 商業組合の本部が赤四番近く、マリツェ地区内のデーリッドの街にあるのは、四番街道を隔てて向かいの位置にある技師連盟本部と連携を取ることが多いため。


●反組合

 元々は組合が超過利益を徴収することに異を唱える者たちの集団で、組合を通さず生産流通を行っている。最近では子どもの誘拐や窃盗品の販売などを行う犯罪集団となりつつある。


●技師連盟

 技師連盟は個人で技術を保有する職種の集まりである。鍛冶、細工、調薬、芸術など、手に職と呼ばれるようなものが多い。個人としてではなく職種として在籍するが、組合とは違い職種内では個人の技量が収入を大きく左右する。販売も基本は個人で行い、それが困難な場合はその職の連盟と商業組合が代行することもある。

 例外はあるが、多くの場合誰かの弟子となり研鑽を積み、師に認められることで一人前の技師となり、技師名を名乗って独立することができる。また、師が定める基本事項を習得した者は弟子名を名乗れる。技師名及び弟子名がなければ扱えない道具や素材、技術があり、名と技師名及び弟子名を記した登録証がなければ買うことができない物もある。

 弟子名を持つ者は、師の許可があれば自作品の販売もできる。

 本部は赤四番近く、ローザル地区内の街ハウアーンにある。南支部は紫六番近くのリグ地区内に、北支部は橙二番近くのアリグラス地区内にある。


●お金

 高い順から、丸金貨、角金貨、丸銀貨、角銀貨、丸銅貨、角銅貨。それぞれ十枚で次の硬貨一枚分。

 丸銅貨二枚ほどで大人が一食食べられる。


●暦

 一の月から七の月まであり、各月五十日まで。七の月と一の月の間に(あい)の月として七日間。

 計三百五十七日で一年となる。

 一の月一日が寒の日とも呼ばれる、一年で一番寒い日。


●街道

 街道は格子状に七本ずつ。

 東西を結ぶ街道は、北から一番〜七番まで。

 南北を結ぶ街道は、東から白黄橙赤紫青黒の七本。

 一区画は徒歩二日、馬なら一日。中央に中継所がある。両側に木が植えられた光景はどの街道も同じような造り。

 交差部には宿場町、たとえば白の一番と、交差する街道名で呼ばれる。請負人(コート)支部の屋根には交わる街道の色で数字が書かれている。

 各町村へは街道から横道があり、分岐点には道標が立てられている。




〈主要町位置〉


請負人(コート)組織本部

 紫三番の宿場町が窓口、ユシェイグ地区。


●メルシナ村

 黄の六番近く、レグルス地区内。

 水龍ウェルトナック一家が棲む。


●バドック村

 橙三番近く、ノートルド地区内。

 リーの故郷。


●ドマーノ山

 橙四番と黄の四番の間くらい。ドマーノ地区内。

 フェイが棲んでいた。


保安(セリド)協同団南本部

 青六番近く、テーラー地区内。


保安(セリド)協同団北本部

 黄の二番近く、アルザス地区内。


●ソリング

 赤四番近く、マリツェ地区内。

 アーキスの故郷。デーリッドの隣町。


●デーリッド

 赤四番近く、マリツェ地区内。

 商業組合本部がある。


●ハウアーン

 赤四番近く、ローザル地区内。

 技師連盟本部がある。


●ヴォーディス

 黒の一番から北西に広がる森林地帯。

 魔物も多く、気温も低め。




〈フリーハンドなざっくり地図〉


挿絵(By みてみん)

 三作目終了時のものです。




〈かなりざっくりなあらすじ〉


『双子のエルフとはぐれ火龍』

 成り行きで水龍ウェルトナックの依頼を受けることになったリー。シングラリアと名付けられた未知のものに関わる騒動に巻き込まれて行く中で、龍について、そして己自身について知ることとなる。


『小さな黄金龍の冒険』

 片割れのリーに会いたい黄金龍アディーリア。兄のユーディラルとともに池を抜け出したところ、誘拐事件に巻き込まれる。旅を通し、龍であること、人について、そして人と龍との関わり方を考えるようになる。


『統括技師の娯楽と憂鬱』

 百番案件を手伝うこととなり、リーに連れられメルシナ村とバドック村で龍との対面を果たしたアーキス。

 その過去に関わる騒動と護り龍絡みの事件から、改めて自身の在り方を見直し、ひとつの決断をする。




 第一弾のテーマは『葛藤』

 第二弾のテーマは『挫折』

 第三弾のテーマは『解放』

 第四弾のテーマは『受容』です。



 長い人物紹介と用語解説、読んでいただいてありがとうございます。


 今作は前作の数日後から始まります。

 今回は作中にあまり説明を入れられずで申し訳ないです…。

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