なぜだか恒例長々しいサブタイから始まる残念なキャラたちの長々しい人物紹介です。最早三作目までのあらすじと言ってしまっても過言ではないくらいネタバレを存分に含みます。もちろんここだけのお話もありますよ!
今回のサブタイもぴったり百文字!
人物(人外含む)紹介です。
初出時に【】のついているものは、次の用語説明内に説明があります。
各町村などの位置は用語説明にて。
一番最後に日浦海里様作の人物相関図を添付いたしました。
●名前(あれば別名 髪色/目の色 実年齢もしくは換算や外見上の年齢)
〈シリーズメインと今作メイン〉
●リー(本名リーシュ 茶/金茶 二十二歳)
シリーズを通してのメイン。魔物絡みの依頼を受ける【請負人】組織の一員。童顔小柄な上に女の子っぽい本名がコンプレックスな酒好きの高所恐怖症。肩越しに抜けない大剣を使っていたが、普通に抜ける長さのものに変えたばかり。
とある依頼でメルシナ村の【護り龍】であるウェルトナックと知り合ったことで、現在は同期の親友アーキスとともに【龍】絡みの依頼である百番案件を担当している。
人の身体に龍の魂を持つとされる【龍の愛子】で、幸運をもたらすといわれる彼を見るために現在龍からの依頼が殺到中であるが、どれも緊急性は低い様子。龍の愛子という特性上、龍に好かれ、一度出逢えば半区画先でも居場所を悟られ、【エルフ】に絆されない。
ウェルトナックの娘の黄金龍アディーリアの【片割れ】でもあり、久し振りに逢う際には激突されるほど懐かれている。防具は服の下に着ている組織開発の薄手の防刃素材のもののみであるため、毎回身構え必須である。
物心つく前に両親を亡くしたため、兄姉と村の住人たちに育てられたようなもの。恩を返そうにも村では己のできることは少なく、それならばと村を出て請負人になることを決めた。
口はあまりよくもなくツッコミ気質。常識のない某エルフや龍たちを怒鳴り飛ばすことは日常風景。ただ種族を問わず子どもには優しい。
鈍感奥手であるのだが、ようやくラミエへの想いを自覚し、晴れて恋人同士に。ただ、ヘタレの称号を返上するにはまだ足りぬ様子。人生初彼女に内心浮かれているが、さほど表に出せないところもヘタレたる所以。甘々カップルには程遠く、この先のラミエの苦労が偲ばれる。
彼女ができたらやりたいことのひとつは一緒におでかけ(日帰り)。手を繋いで散歩して、一緒にご飯を食べられればそれで幸せ。どこまでもヘタレ。
●ラミエ(本名ラミエ・ワクラー・アス・ロットシェル 金/青 エルフ年齢三十二歳 人換算二十歳)
恋愛ごとはマイナスに振り切るつもりの作者を押し切ってとうとうメインヒロインの座に登りつめたエルフ。作者にとっては圧強めの自由気ままなキャラであるが、作中の本人は肝心なところで勇気のでない、ちょっと自信の足りない女の子。バレバレなリーへの想いも、本人を前にしてはあからさまに出せずにいた。この度晴れて恋人同士に、リーのヘタレっぷりに押しの強さが発揮されるかは…まだわからない。
請負人組織の事務員で、紫三番の宿場町の食堂に派遣されていたが、新年からは同行員として働くため辞めることが決まっている。攻撃魔法は苦手な様子。
幼い頃から家族で組織敷地内に住んでいるため、ほかのエルフほど常識知らずではない。その反面、人を絆すエルフであることを気にしてもいる。
●エリア(本名エリア・シェーザ・アス・ミオライト 赤/赤 エルフ年齢二十歳 人換算十六歳)
とある騒動でリーと知り合い、そのまま請負人組織の同行員になることを決めた双子のエルフの妹。
常識外れのエルフ理論と独自の双子理論を繰り広げるため、リーにツッコまれる日々。定番は食べながら喋る。
リーへの想いは恋愛感情であるとの自覚はあるが、それを告げるつもりはなく、現状維持でいいと思ってはいる。ティナと火龍のフェイ、エルフのヴィズは彼女の気持ちを知っている。
事務員としての資格は各自で取れそうだが、同行員としてはティナとふたりセットでの資格となる。もちろん手当は半分。
中の下だった魔力量、技術、威力も少し伸びてきている様子。
同行員となることを決めた理由は、面白そうだから、だと本人も思っていた。
●ティナ(本名ティナ・シェーザ・アス・ミオライト 金/金 エルフ年齢二十歳 人換算十六歳)
とある騒動でリーと知り合い、そのまま請負人組織の同行員になることを決めた双子のエルフの姉。
碌に喋らず黙々と食べていることが多く、事務員として働けるのかとリーには疑問に思われているが、本人は問題ないと言い切る。同行員としてエリアとふたりで一人前扱いであるのは、ティナが補助魔法を使えないことが主な理由。
攻撃魔法も初級魔法しか使えないが、規格外の高威力。魔力量が増えたお陰か、魔力のセーブが少しは利くようになったのか、二発撃っても昏倒しなくなった。しかしまだ三発目は撃てない。エリアとの魔力のやり取りを含め、エルフとしても珍しいその性質も同行員となれた理由のひとつである。
〈請負人組織〉
●レジスト(金/赤褐色 四十三歳)
第十代請負人組織長。上級請負人でもある。
事務的なことは副長のマルクに丸投げして、自分は現役として外に出ていることが多い。組織長室もすっかりマルクの執務室となっている。
人当たり良く大雑把に近いおおらかな性格に加え己が率先する行動力と実力に、彼を慕うものも多い。
●マルク(龍の名フィエルカーム 銀灰/銀 五十歳くらい)
請負人組織副長である風龍。上級請負人でもある。
机仕事はさっぱりなレジストに代わり、組織の事務を切り盛りする。レジストの甘さを埋めるかのように効率主義なところもある。
【保安協同団】幹部のジャイルこと風龍のハリスガジェックと同行員のネルとは兄妹同然に育った。本来の姿はネルに近い年齢。
●アーキス(調合師アクス・レーヴェ 銀/藍色 二十二歳)
リーの同期で親友の中級請負人。リーとともに百番案件の担当に。色々とハイスペックな双剣持ちだが、料理だけは残念な結果しか生み出せない。
請負人でありながら、【技師連盟】に所属する技師でもある。二十を超える技師名(調合師以外は弟子名)を持つことからアクス・オルナートとの統括名がついていた。
父親は商業【組合】の幹部で芸術分野に携わっている。母親は物心つく前に亡くなり、ふたつ下の双子の弟たちとともに、三人の乳母に育てられた。
その優秀さもあり父親には将来を期待されていたが、それが重荷となり縁を切って家を出た。現在は乳母と弟たちとは手紙のやり取りがある。
リーにとってのアーキスが請負人としての立ち方を教えてくれた恩人であるように、アーキスにとってのリーは生きる楽しさを教えてくれた恩人である。
リーには止められるが、まだ料理することを諦めていない。
●フェイ(龍の名エルトジェフ 真紅/真紅 二十代真ん中くらい)
幼い頃はウェルトナックと人の世を旅していたが、その後ドマーノ山で引きこもっていたところをリーと出逢う。
今は請負人組織事務員かつ同行員として研修中。組織職員となった理由はこれからもリーと旅歩くため。無為に生きてきた間を埋めるように、人の世に生きることで己が龍であることを見つめ直している最中。
龍には足りず人には過ぎるからだけでなく、生来どこか抜けていて、リーにはよくツッコまれる。しかし自由であるがゆえの言葉は、時にリーの背を押すこともある。
今作メインとなり得る立場なのになぜかこちらに。そして更に(後書き参照)。どこまでも残念な龍。
●グレイル(焦げ茶/砂色 四十三歳)
レジストの理解者である上級請負人。
これぞ大剣持ちという体格。
率先して依頼をこなそうとするレジストを後進のためにならないからと窘める一方で、仕方ないなと言いつつ一緒に依頼を受ける。仕事は好きだが一辺倒にならないのは、妻にベタ惚れだから。三人の中では一番の常識人。
●デイン(暗緑/山吹色 四十五歳)
レジストの理解者である上級請負人。
童顔ではないが、年齢より若く見える。それ故かは不明だが、割り切ったお付き合いの相手が数人いる。いい加減落ち着けとグレイルには事あるごとに言われているが、本人にその気はない様子。気儘にしたい仕事をし、合間に一緒にいられる誰かがいればそれでいい。
●ギル(龍の名ギルスレイド 少し暗めの金/金 二十八歳)
リーの同期の中級請負人。
リーは知らないが、ウェルトナックやフェイと旧知の、かつて龍であったもの。人の身体にくすんだ金の鱗を持つ。
時とともに剥がれていく鱗は残すところ僅かとなっている。
●セーヴル(濃灰/灰 三十五歳)
リーの同期の中級請負人。
しっかり者の妻に頭が上がらないが、それもまた幸せである。
たまにはリーを連れてこいと言われているが、なかなか都合が合わない様子。
●ミゼット(紫銀/金 エルフ年齢を記そうとすると某かの妨害に合う 見た目は二十代後半くらい)
請負人組織事務員のエルフ。上級請負人でもある。
表向きは一同行員であるが、初代組織長の妻で現在は裏ボス。夫が残した組織を守ることを生きる支えとしてきた。
実力者であり、それゆえ行動も大胆な時がある。優しく穏やかな物腰だが、リーは本能的に逆らってはいけないと感じている。
年齢を聞くと確実にキレられる。ヴィズとは同郷の幼馴染。
●ヴィズ(蜜柑色/黄緑 エルフ年齢はミゼットよりひとつ上 二十代後半くらい)
請負人組織事務員のエルフ。上級請負人でもある。
ミゼットと同郷で、彼女とともに村を出てきた。初代組織長とは友人。裏ボス補助。
穏やかで気遣いに長けている一方で、少々意地の悪い一面も持つ様子も。ミゼット絡みの話題でネルとマウント合戦を繰り広げるが、傍目にはただのじゃれ合いにしか見えない。
エリアの気持ちに気付いたのは、自分も同じく口に出せない想いを抱くから。こじらせ度はこちらが数段上で、もはや悟りの域。
●クフト(深緑/金 エルフ年齢は二百歳を超えている 三十代真ん中くらい)
請負人組織事務員のエルフ。上級請負人でもある。
組織内ではトップクラスの常識人、もとい常識エルフ。それゆえ苦労人と思われるが、そんな様子は窺えない穏やかな人物。
ミゼットを窘められ、ヴィズに言い逃れをさせない、唯一の存在かもしれない。
●セイン(セイン・ワクラー・アド・ロットシェル 金/青 エルフ年齢百五十歳くらい 二十代後半くらい)
【請負人養成所】の教師のエルフ。事務員かつ上級請負人でもある。ラミエとカレナの父親。
リーとアーキスは養成所時代に対魔法の授業を受けた。
リーからは先日ラミエを家まで送った際にお付き合い宣言をされている。その場では受け入れたものの、あとでまだ早すぎると嘆いていたことは妻しか知らない。
●カレナ(カレナ・ワクラー・アス・ロットシェル 金/青 エルフ年齢四十歳くらい 二十代前半くらい)
請負人組織の事務員。今はラミエのいない時間帯に紫三番の食堂に派遣されている。
妹思いの姉であり、恋を知って色艶の増した妹を請負人たちから守る一方、煮えきらないリーを焚きつけた。
自身は色恋にはまだ興味はないらしく、言い寄る請負人たちを上手くあしらっている。
●トマル(龍の名チェドラームト 濃茶/黄土 五十歳くらい)
請負人組織の職員で百番案件担当の地龍。普段は庭師として敷地内の植物の手入れをしているが、敷地内の移動の補助や各支部への連絡なども行う。
ウェルトナックとフェイ、リーの故郷の護り龍ネイエフィールと旧知。リーとは養成所時代に知り合った。
カルフシャークにも懐かれた模様。
●ネル(紫銀/金 本来は銀/銀 二十歳くらい)
請負人組織の事務員の風龍。ミゼットのことは尊敬を通り越している。
実兄のハリスガジェックのことはおにい、兄同然のフィエルカームのことは兄さんと呼んでいる。通常は雌の方が生まれついての魔力量が多いが、ネル曰く自分はおにいほど強くないらしい。
●リリック(白金/蜂蜜 二十代くらい)
請負人組織事務員で、受付棟常勤の【ハーフエルフ】。耳は長くないので人と変わらぬ外見。ハーフエルフであることには思うところもある様子。
ラミエ、エリア、ティナと友人。バレバレなラミエの様子から、よくリーもからかわれている。
●コルン(赤銅/碧 二十代くらい)
請負人組織事務員で、受付棟常勤のハーフエルフ。耳は長くないので人と変わらぬ外見。リリック同様自身の境遇には思うところがある。
ラミエ、エリア、ティナと友人。恋人同士となったリーとラミエを相変わらずからかっている。
●イアン(白髪交じりの濃灰/栗色 四十八歳)
引退した元請負人。現在は職員。
先日ラミエたちの同行員としての研修時、リーの相手役として手合わせをした。基本力押しのリーに対し、技量で圧倒。現在リーから訓練相手として指名されている。
引退理由は家族の事情。旅回ることができなくなったので職員となった。
●べムス(栗色/金褐色)
請負人組織職員で、敷地内の【研究所】に在籍。現在は第三研究所で防具の開発に携わっている。
元々の容姿はいいが、研究に没頭するあまり外見には気が回らない。
アーキスの葛藤と解放の一端を知る。
●ドーザ
請負人組織敷地内の鍛冶屋街、バラスに店を構える【ドワーフ】。気さくで商売っ気はないが、造ること、そして造ったものに誇りを持つ。リーの剣を鍛えた。
●ハシェク
請負人組織敷地内の鍛冶屋街、バラスに店を構える。アーキスの剣を鍛えた。
〈メルシナ村〉
●アディーリア(人の姿時アリア 金/金 十歳前くらいの外見)
メルシナ村の護り龍、ウェルトナックの末子。その鱗を持つと幸せになるといわれる、龍の中でも珍しい黄金龍。愛子であるリーの片割れで、今はアディーリアからリーへの絆だけを結んでいる状態。リーへの『大好きで大切』な気持ちはこの状態であるからこそのものだと、アディーリア自身にも自覚がある。
性格は明るく素直。甘え上手なところは父親と兄の影響と思われる。
家出をして【反組合】が関わる誘拐事件に巻き込まれたり、兄妹でほかの護り龍の手伝いに行ったりと、池の外で家族とリー以外のものに触れる機会も増えたことで、まだ未熟な己を知った。
●ウェルトナック(人の姿時カナート 本来は水色/青だが、フェイとともにいるときは髪、瞳とも煤けた赤 四十代くらい)
メルシナ村の護り龍。妻と五人の子どもと森の中の池に棲む。
かつて人の世を旅していたこともあり、龍にしては俗っぽい。特に酒や食べ物など、嗜好品が好きな様子。
末娘が黄金龍であることは知られているのに、その片割れが請負人のリーであることまで大っぴらにしてしまった。結果として増えただろう龍からの依頼を申し訳なく思っている。
●メルティリア(人の姿時アイリス 水色/青 二十代にも三十代に見えない)
ウェルトナックの妻で家庭内トップに君臨する。普段は恥ずかしがって姿を見せないが、ミゼット同様逆らってはいけない雰囲気を醸し出している。甘いものが好き。
元々魔力量は多く、技量を力でカバーするやり方を得意としていた。もちろん当時からウェルトナックより強かった。
●シェルバルク(人の姿時クレイ 水色/青 二十代前半)
長男。ウェルトナックに代わり請負人組織へ赴くこともよくある。甘いもの好きは母似。
穏やかに弟妹たちを見守る兄。魔力操作に長けており、相手に合わせることも得意なことから、カルフシャークのサポートに回ることも。
●オートヴィリス(人の姿時シルヴァ 水色/青 二十歳くらい)
次男。シェルバルクの一歩うしろから見守っているような、控えめな性格。ただ、怒らせると一番怖いところは母似かもしれない。
自己認識の足りないカルフシャークと人との関わり方を見つめ直しているユーディラルを、心配しつつも信用している。責任感が強いせいで、背負いがちなところもある様子。
●カルフシャーク(人の姿時ケルト 水色/青 十五歳くらい)
三男。母譲りである兄弟妹一の魔力量を誇るが、扱いは苦手。先日ようやく本人がそのことに気付いたところである。
人懐こく好奇心旺盛だが、無茶はしない。器用で機転の効くユーディラルと黄金龍のアディーリアに比べてぱっとしない自分に思うところはあるものの、それでも兄らしく在りたいと願っている。
フェイのことを慕っており、請負人組織にも興味を持ち始めた。
●ユーディラル(人の姿時ライル 水色/青 十二〜三歳くらい)
四男。何事にも器用で知識もあるが、実経験は伴わず。己の判断を迷いなく貫くには、まだ心の成長が足りなかった。
人の良さと昏さ、その両方を目の当たりにしたことで、自身の弱さも自覚することに。騒動の際に人を傷つけてしまったことも尾を引いている。
今は己自身と人というもの、そして人への感情を整理しているところである。
〈バドック村と関連〉
●ジーク(金細工師ジーク・フェルズ 茶/金茶 二十九歳)
リーの兄で金細工師。両親の記憶のないリーの父親代わりでもあったことから、昔から落ち着いた子どもであった。
工房を故郷に構えたのも、リーの戻る場所をなくさないため。橙三番にあるメイスンの店で作品を売ることができるからこその決断でもあった。
●シエラ(茶/金茶 二十七歳)
リーの姉。夫のナバルは幼馴染。
叱り役ということも含め、リーの母親代わりを担ってきた。リーと顔を合わせる度に言い合いになるが、お互い今更素直になれないからだとわかっている。
普段は村の仕事を手伝いつつ、ナバルとジークを支えている。
●ナバル(濃茶/黒 二十八歳)
シエラの夫でリーにとっても幼馴染。橙三番の菓子店に務めている。今はまだ修行中でもあり、店の菓子をすべて手掛けているわけではない。双子を始め、メルティリアたちもここの菓子を気に入っている。
感情的に怒ったりしないナバルは、衝突しがちなリーとシエラを窘めるのに一番適任。リーにとってはある意味実の兄姉よりも素直になれる相手でもある。
●ネイエフィール
バドック村の護り龍である地龍。村の裏手の山中に棲む。
チェドラームトとは旧知。ネイエフィールからすると、フィエルカームはまだまだ若造。
リーが龍の愛子であることとは別に、その存在を大切に思っている。
●メイスン(細工師メイスン・フォードナー)
ジークの師匠。バドックから徒歩で半時間ほど離れたニキールスの町で工房を構えるほか、橙三番に弟子たちも出品できる店を持つ。
アーキスがアクス・オルナートであることに気付いていたが黙っていた模様。
●ミルコ(細工師ミルコ・ツァーリ)
アーキスの細工の師匠。マリツェ地区に大きな工房を構える。
●アクス(銀細工師アクス・オルファード)
アクス・オルナートを騙り詐欺行為をしていた男。たまたま名が同じであったことから道を踏み外した。
〈保安協同団と関連〉
●ジャイル(龍の名ハリスガジェック 銀/銀 五十歳くらい 新米保安員セルジュ 飴色/灰 十六歳の姿を取るときもある)
保安協同団幹部の風龍。団内に龍は彼のみ。
ネルの実兄で、フィエルカームとは兄弟同然。両親もどちらが先に生まれたのか見ておらず、何かと張り合うふたりはどちらも弟にはなりたがらない。
大柄な姿に反してかわいいものに目がなく、団で連絡用に飼われている【リルダヴ】という鳥型の魔物の世話を嬉々としてやいているが、リルダヴからすると龍は圧倒的上位種、怯え従っているだけで、彼の思いは一方通行の様子。
幹部として動きづらい時は、小柄な新米保安員のセルジュとして活動する。
ソリッドの片割れだが、まだ絆は結んでいない。
●モートン(朽葉/深緑 四十一歳)
本来は幹部の保安員でありながら隊長クラスに籍を置くのは、もちろんジャイルが理由。
セルジュがジャイルだと知りつつ新米として扱わねばならない苦労人。隊のほかの人員はもちろんセルジュの正体を知らない。
●ソリッド(黒/黒 二十歳)
成り行きで元反組合集団の一員に。アリアとライルを拐ったが改心し、酌量された。ふたりが龍だと知りながら、両親に謝りに行き許された。
元々は請負人になりたかったのだが、今は保安員見習いとなり、南本部でジャイルにしごかれる日々を送っている。
ジャイルの片割れだが、片割れとは『大好きで大切』なものだとアディーリアから聞き、絆を結ぶことを躊躇している。
リーを想うアリアの様子には、少し感じるところがあった模様。
●ヤト(暗青/濃紺 二十歳)
成り行きで元反組合集団の一員に。アリアとライルを拐ったが改心し、酌量された。ふたりが龍だと知りながら、両親に謝りに行き許された。
元々は料理人を目指していた。今はソリッドのいる南本部近くで仕事を探している。
ソリッド同様龍の片割れになり得る存在ではあるが、相手はまだ見つかっていない。
●サーシャ(青/濃紺 二十三歳)
ヤトの姉。恋人だと思っていたテレスに騙され多額の借金を背負ったために、身代わりにヤトが反組合集団へ身売りすることに。
男性恐怖症に陥っていたが、周りの優しさに少しずつ克服し始めているところ。当面はヤトとともに暮らす予定。
●テレス(茶/琥珀)
サーシャを騙した男。捕まっていない。
〈アリュート〉
●ヤシューエント
アリュート川上流にあるレジア村の護り龍である水龍。川のワンドに棲む番の雄。
アリュート山から流れ込む汚染水に困り果て、原因究明を請負人組織に依頼した。
護り龍になってまだ日は浅い。ふたつの卵を育てている。
●サルフィエール
アリュート川上流にあるレジア村の護り龍の水龍。川のワンドに棲む番の雌。
子どもを育てるための殻を作ったばかりのところに水質が悪くなり、かなり弱っていた。
助けてくれたリーたちに、この先生まれる子どもふたりの名付けを願う。
〈反組合と関連〉
●イグニス(金/琥珀 二十八歳)
木材の横流しをしていたラジャート村で指示を出していた男。ソリッドとヤトがいた集団が拐ってきた子どもをどこかへ連れていっていた。
シエスタの話から保安の介入を察知し、見限って逃げる。
●エイラン(紺/黒 三十二歳)
イグニスの小間使いをしていた男だが、立場は対等な様子。イグニスとともに姿を消す。
●シエスタ(栗色/深緑 二十六歳)
ソリッドとヤトのボスで、イグニスとは恋仲だと思っていた。子どもたちを拐ってきてはラジャート村へと運んでいたが、そこからどこへ連れていかれているのかは知らぬままだった。イグニスたちに捨て駒にされ、保安に捕まる。ユーディラルに負わされた怪我により足に後遺症が残る。
●テスラ(白金/紺)
ヨゼリス町長宅で働くハーフエルフの男。アリュート山で金属の再製に関わっていたが、捕まる。
●ニック(黒/緑 十二歳)
誘拐され、アリュート山で強制労働させられていた子ども。何も覚えていないラックに名をつけ、支え合ってきた。保護された後、無事親元に返された。
●ラック(金/金)
誘拐され、アリュート山で強制労働させられていた子ども。幼い頃に拐われたようで、自分のことは名前すら覚えていなかった。人に怯える様子を見せ、言葉も辿々しいまま。ニックには心を開いている様子を見て、ニックの両親に引き取られた。
●レックス(金茶/淡い緑 九歳)
アリアたちと一緒に誘拐されたひとり。ライルを龍と気付きながらも心配していた。
いずれ会いに行くという約束をライルと交わし、その証としてユーディラルの名を教えられている。
《日浦海里様作人物相関図》
●小池ともか
全文書き終わってもフェイの紹介が抜け落ちていることに気付けなかった、相変わらずのやらかしっぷりを誇る残念な作者。主にやらかした時に前書きや後書きで出没。