『アラン問題』
『アラン問題』
㈠
アラン問題とは、意外なところにある。この、『幸福論』の筆者で名高いアランは、『諸芸術の体系』という書物も出していて、学生のころ、論文に引用したものだ。まさに、「現代のソクラテス」と言われているのも、不思議ではない。
㈡
自分は初め、アラン問題とは、意外なところにある、と言った。それは、名前である。実は、アランと言うのはペンネームで、本名を、エミール=オーギュスト・シャルティエ、というのだ。初めて知った時、たいそう驚いた。
㈢
ここまで優秀な、哲学者であり評論家である、アランが、何故、ペンネームを使ったかということよりも、アラン問題とは、アランがペンネームだった、というその事実が、問題なのだ。人を驚かせるアラン、これは、大きなアラン問題である。