61.スキルセットの活用
「これを、たった四人で?」
「はい。合流するまでの間に、終わってしまいましたね」
鏑矢の音を聞きつけてやって来た『黒狼』と銅ランクパーティたちは、アジトに踏み込んで驚愕のままに入り口で固まった。
中は流血で水たまりができている。
返り血を浴びたディアーネとアリサが取り急ぎ顔と髪だけ布で拭っていたが、鎧や服までは落とせない。
幸い後衛の俺とマーシャさんは返り血を浴びることはなかった。
優秀な前衛に感謝だ。
「いや、凄いな……この数をたった四人で。銀ランクふたりはともかく、銅ランクがふたりいるというのがまた信じられない。実力的には銀ランクに近いのかい?」
「いえ、まだ少し足りないでしょうね。しかし真面目なふたりなので、いずれは銀ランクに到達するでしょう。今回も多数を相手取る良い経験になったと思います」
「こ、この数を殺して良い経験と言い放つとは……。ははは、凄いな君たちは」
作られた笑みは引きつっていた。
うん、少しやり過ぎた感はあるけど、でも収穫は大きかったのだ。
戦闘の終わり際、ディアーネの盾の扱いが上達し、片手で剣を振るう場面が見られた。
恐らく騎士系クラスにクラスチェンジして、〈盾・防御Ⅱ〉を習得し、ついでと言わんばかりに〈剛腕〉も習得したのだろう。
アリサも〈納刀の一閃〉を習得して〈居合い〉と交互に繰り出していた。
〈居合い〉でまとめて数人をぶった斬っていた威力からすると、〈二の太刀要らず〉も習得したと見える。
マーシャさんは最後の方、矢を〈二連射〉していた。
ごく短い間隔で矢を放つ、MP消費スキルだ。
それと一発も外すこと無く弓を引き続けたことから、〈百発百中〉も習得しているかもしれない。
必ず対象のどこかに命中する誘導性能を矢にもたせて撃つ、【弓手】の強力なパッシブスキルである。
戦闘中に成長していくのはメニュー画面のない現地人の利点だ。
俺も貯まったSPを消費して早くスキルを取得したいものである。
なお血みどろのアジトの探索は彼らに任せて、俺たちは早めに街に戻って風呂屋に行かせてもらうこととなった。
さてどんだけSPが貯まっているかな、とメニュー画面を開くと、予想以上にSPがあって驚いた。
まああれだけの人間を殺したのだから、多くのSPを獲得しているのは想像していたが、これほどとは。
これは三人も成長するわけだよ。
さて俺もスキルを習得しよう。
まずは【司祭】の〈回復量増加Ⅱ〉だ。
そして目標としていた〈司教の証〉を習得し、【司教】にクラスチェンジする。
取得SPゼロで習得できるスキルは〈アナライズ〉という鑑定魔法だ。
これから魔境へ行くなら、呪われたアイテムなどを発見することもあるだろうから、到着前に手に入って良かった。
しかしさすがに最上級クラスへのクラスチェンジだけであれだけあったSPのほとんどを使い切ってしまった。
〈回復量増加Ⅲ〉や状態異常回復魔法はお預けだな。
さて遂にパッシブスキルが一杯になってしまったので、回復特化用のスキルセットを作成しておいた。
戦闘中に使わない〈アナライズ〉もこちらに入れておく。
今は念のために攻撃魔法もセットしてあるが、最終的には外れることになるだろう。
早く回復特化スキルセットを完成させて、攻撃力を上げていきたいところだ。
《名前 レイシア 年齢 10 性別 女
クラス 【魔法使い】
パッシブスキル
〈MP軽減Ⅱ〉
〈凍結付与〉
〈高速詠唱〉
〈回復量増加Ⅱ〉
アクションスキル
〈ストーンハンマー〉
〈ウォータースピア〉
〈ウィンドカッター〉
〈アイスボルト〉
〈ブリザード〉
〈レイ〉
〈ヒーリング〉
〈ディスペル〉
控えスキル
〈農民の証〉
〈大魔術師の証〉
〈魔法使いの証〉
〈司祭の証〉
〈司教の証〉
〈農業Ⅰ〉
〈MP軽減〉
〈回復量増加〉
〈槍・刺突〉
〈投石〉
〈アナライズ〉
》
《スキルセット:回復特化
クラス 【司教】
パッシブスキル
〈MP軽減Ⅱ〉
〈高速詠唱〉
〈回復量増加〉
〈回復量増加Ⅱ〉
アクションスキル
〈アイスボルト〉
〈ブリザード〉
〈レイ〉
〈ヒーリング〉
〈ディスペル〉
〈アナライズ〉
》




