表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トゥエルブ ~TS転生した世界は俺がやり込んだゲームにそっくり!12のスキルでシナジーとコンボを駆使する~  作者: イ尹口欠
冒険者パーティ『妖精の友』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/73

57.いざ魔境へ!!

 ディアーネの腕力ではまだ両手で剣を扱う必要がある。

 だから盾は左腕にくくりつける形のバックラーにして、剣は今まで通り両手で扱うこととした。

 盾の扱いについては心配していない。

 基本クラスの【戦士】(ファイター)で〈盾・防御〉が取得SPゼロで入手できるからだ。

 ただし〈盾・防御〉はあくまで基本。

 騎士系クラスに進むことで盾の扱いは一気に広がるのだ。


 さて武器屋で盾を見繕っている間に、マーシャさんが剛弓を試しに引かせてもらっているようだった。

 長弓より小ぶりになるものの、弓を引く力は剛弓の方が必要で、威力はもちろん剛弓の方が上だ。

 弓弦には魔物の腱をつかっており、弓本体にも何種類かの木材を張り合わせて使っているという代物だ。


「うん、やっぱり引けるわね」


「マーシャさんってそんなに力、強かったっけ?」


「……そういう言い方をされると腕周りが気になるけど、どうも最近、弓が軽く引ける気がしてたの」


「へえ」


 ……あれ、もしかして〈強弓〉のスキルを習得してる?


 ちなみにこの世界、弓はスキルで引くものなので、片腕の筋力だけが発達するようなことはない。

 とはいえ引ける弓の強さは元の筋力とスキルに応じて異なる。

 男性の方が強い弓を引けるのはもちろんだが、スキルによっても強い弓を引けるようになるところがポイントなのだが。


 問題は〈強弓〉スキルは【斥候】(スカウト)でも【鷹匠】(ハンター)でもなく、【戦士】(ファイター)系上級クラスの【弓手】(アーチャー)のスキルだということだ。

 てっきり【鷹匠】(ハンター)にクラスチェンジするものだと思っていたが、本人の適性か、より攻撃力を望んだのか、【弓手】(アーチャー)にクラスチェンジしたようだ。


 もっとも悪い選択ではない。

 攻撃力では【鷹匠】(ハンター)より【弓手】(アーチャー)の方が上だからだ。

 問題があるとすれば索敵能力など斥候の技の方だが、ゲーム『トゥエルブ』では【鷹匠】(ハンター)の鷹はダメージを受けない無敵の存在だったが、この世界でそうであるとは思えない。

 鷹の広範囲を索敵する能力は魅力的だが、魔物に取って食われるような鷹を使役するのは面倒だし、多分、餌やらなんやら世話もしなくてはならない。

 そういう手間を考えると、現状の〈気配察知〉で十分な働きであることを加味すれば、攻撃力を求めて戦士系に向かうのは悪くはないだろう。


「うん、引けるならその弓、買っちゃえばいいと思うよ」


「そうね。今の弓も悪いものじゃないのだけど、こちらの方が威力が出せるのよね。よし、これを購入するわ」


 マーシャさんは剛弓とそれに合わせた矢もセットで購入した。

 【弓手】(アーチャー)になったということは、あのスキルが習得できるはずだ。

 俺はマーシャさんに「矢を放つ間隔を短くして、二連射することを意識してみて」とアドバイスをした。


「え、そんなことできるかしら」


「今はできなくても、練習してればできるようになるから。ディアーネが五連撃できるようになったみたいに、ね」


「そっか。うん、よし、頑張ってみるわ」


 その光景をアリサが羨ましそうに眺めている。


「あのう、レイシア殿。拙者にもなにかないでござるか?」


「うん、そうだなあ……」


 アリサは現状、一刀流スタイルの【武士】(サムライ)だ。

 〈居合い〉からの一閃を強化していくのがいいだろう。


「アリサはそうだね、まず居合いからの一撃で相手を殺しきる、そんなイメージで一撃目を重視するといいよ」


「一撃目でござるか?」


「そう。〈二の太刀要らず〉。それがアリサが目指す境地だと思っている」


「二の太刀要らず……なるほど、居合いを極めるのでござるか」


 アリサもやる気になってくれたようだ。



 ディアーネの盾の使い方、マーシャさんの剛弓の使い勝手、アリサの居合いに対する意識の変化。

 それらを試すために森の奥で魔物を狩っているが、どうにも小物ばかりで物足りない。

 危険と言われていた大物は、ほとんど俺たちのパーティ『妖精の友』が狩ってしまったから、領都の森は比較的、安全な森になっていた。


「ううん、もっと強い魔物がいるところを探さないといけないかな」


 俺の呟きを聞いたマーシャさんが、「もっと強い魔物がいるところと言えば、ふたつ隣の領地にある魔境に行くくらいしか……」と言いかけた。

 そして自分が発した言葉の意味を理解して、慌てて言い繕う。


「い、いいえ。魔境は人が入る場所じゃありませんね。冒険者パーティなら最低は銀ランク、普通ならば騎士が兵士を連れて入るような場所です。銅ランクの私たちには荷が重いはず!」


「魔境かあ」


 そんな場所もあったね、ゲームでは。

 この世界にもあるんだな、魔境。


「魔境ってなあに?」


 ディアーネが首を傾げる。

 アリサも「拙者も知らないでござる。大陸の名所でござるか?」と首を傾げた。


「魔境っていうのは、特にマナの濃い場所でね。強力な魔物がひしめいている特別な土地だよ」


「レイシア、知っていたの……」


「うん。具体的にどこにあるのかは知らなかったけど、マーシャさんが知っているなら話は早いね。魔境に行こう」


「ちょ、ちょっと待ってください! 魔境は本当に危険なところなのよ!?」


「でも私たち、銀ランクに手をかけようとしているでしょう? もうこの森には手応えのある魔物もいないし、狩り場を変える必要はどのみちあると思う」


「うう、それはそうですが……」


「マーシャさんは怖い?」


「怖くないと言えば嘘になります。ディアーネとレイシア、それにアリサは強いですが、私はまだ自分の強さが魔境に通じるかと言われると……自信がありません」


「そうかな? 今の剛弓を引けるマーシャさんなら、すぐにもっと強くなって魔境でも活躍できると思う」


「そ、そう?」


「うん。私が保証するよ」


 ディアーネが目を輝かせて「魔境、楽しそう!!」と魔境行きに賛同を示した。

 アリサも「手強い魔物とあらば、興味はつきませぬな」と力強く頷く。


「もう、分かったわよ。魔境に行って、強くなりましょう!」


 マーシャさんも決心を固めたらしい。

 よし、魔境の探索へ乗り出そう!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ